「50歳を過ぎたら生きるのが楽になった」理由は「鈍感力」。漫画家の影木栄貴さん(後編)【インタビュー】
鈍感力が身について人生を「ふんわり」過ごせるようになる
――50歳を過ぎて精神的に楽になったところはありますか?
年を取って昔よりきっちりしなくなった、ということがあります。ちょっとした問題に直面しても「どうかになるさ」と思ったり、気持ち的にゆったりできることが多くなりました。
私自身も若い頃から鈍感力を大事にしながら生きてきたつもりでしたが、50歳過ぎたころからそれが自然と身についてきた気がします。
あとは脳がいいことしか覚えていないようになったことですかね(笑)。つらかったことよりも楽しかったことだけを強烈に覚えている。また、悪かったことも「これもいい経験だ」というふうに、脳が勝手に変換するようになりました(笑)
例えば先日の入院も緊急手術になってとても大変だったのですが、「つらかった」ではなく「レアな体験をした」という感想です。看護婦さんがキレイで働き者だったとか、入院中に隣のベッドから聞こえてきたラジオがDAIGOのラジオで癒されたこととか、手術後最初に食べたご飯がおいしかったこととか。良いことも悪いことも、初めて経験できたことはすごく貴重でいい思い出になるんです。
付き添ってくれた夫は大変だったと思いますが(笑)
――最後に、40代後半の自分に今何か伝えたいことはありますか?
そうですね。「無茶すんなよ」でしょうか。私の40代後半は、自律神経の病気が少し良くなってきた時期なんです。それで調子に乗っていきなり仕事を詰め込んだんですよね。自律神経の病気だった時は、漫画のアドバイザーなどをしてわりとゆったり仕事をしていたのですが、よくなったらあっという間にハードワークに逆戻り。
体調がいいから、私もハイテンションになって働きすぎてしまいました。
何かで見たのですが、「落ち込んでるときと調子がいいときは大事な決定をしないほうがいい」という言葉がありまして、まさにその通りだなと。自分で自分の首を絞めちゃう。
それは注意しなさいと、40代後半の自分に教えてあげたいですね。
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親の言うことは絶対じゃないって気づいたのは28歳。婚前交渉をダメだと思っている腐女子が40代になり、婚活・結婚するまでの道のり。自分では動き出せないあなたの背中を、少しだけでも押してくれる、そんなエッセイです。
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■影木栄貴(えいき・えいき)
漫画家。1996年『運命にKISS』(新書館)でデビュー。以後、少女漫画、BL漫画、百合漫画、エッセイ漫画などで活躍中。現在は原作・原案を多く手掛ける。代表作『LOVE STAGE!!』(KADOKAWA)はアニメ化、映画化、タイではドラマ化もされた。母方の祖父は第74代内閣総理大臣の故竹下登、弟にBREAKERZのボーカル・DAIGO、義妹は北川景子。
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