「カレーの色が変!」義母の手料理に悲鳴を上げた夫と私。「まさかの調味料が大量に」味覚にもあらわれる「認知症かもしれない」サイン 

こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。

 

【アラフィフライターの介護体験記】#2

 

前編記事『冷蔵庫から漂っていた「異臭」の正体は?認知症をうたがい始めた義母に感じた5つの違和感』に続く後編です。

 

思わず悲鳴が! 料理上手な義母による特製カレー

カレーの色が……なんか、変!

食べた瞬間、思わず悲鳴を上げてしまった夫と私。

 

夫:「うぅっ……何コレ? お酢?」

義母:「そう。隠し味に使うと、コクが出るんだって」

夫:「隠し味? お酢の味しかしないんだけど……」

 

ところが、お義母さんは「何、言ってるの?」といった表情で、カレーを食べ進めていきます。一口でスプーンを口に運ぶのを止めてしまった夫。私もさすがに食べられず、三口でギブアップ。あえて表現するならば、お酢の主張が強すぎる、罰ゲームのようなカレーだったのです。(名誉のためにお伝えすると、お義母さんは料理がとても上手です)

 

異常な早さで少なくなる調味料が教えてくれたこと

 

『お酢カレー』でショックを受けた夫と私。しかし、ほとんど食べなかった私たちを見て、「お義母さんはもっとショックを受けているはず」と、翌朝は早めに起床。するとお義母さんは、キッチンで朝食の準備をしているようでした。

 

義母:「おはよう。早いわね~。『肉じゃが』作っておいたよ」

と、元気いっぱいなお義母さん。そんな様子に夫と私も安心したのも束の間、ここでも違和感が……。『肉じゃが』の味が全体的にとても濃いのです。確実に、今まで食べていた”味”ではない。夫も、そう感じているようでした。

 

その後、キッチンに置いてある調味料が異様な早さで減っていたことが判明します。この辺りからお義母さんは、料理の味付けをしたことや、分量が分からなくなっていたのかもしれません。

 

あとから医師や介護士の方に聞いたところ、(冒頭でも触れた)下記の1~5は、認知症の初期に見られやすい症状だとか。

1  冷蔵庫が食材で満杯、同じものが複数入っている

2  冷蔵庫に食パンや煎餅、カップ麺や缶詰などが入っている

3  賞味期限切れのものが入っている

4  腐ったものに気づかない(臭いが分からない)

5  何となく怒りっぽい、忘れっぽい

(もちろん個人差があるほか、一概に認知症と判断できない部分もあります)

 

に関して言えば、認知症の初期段階で『嗅覚障害』の症状が出る場合があるそうです。脳の中でにおいを認識する部位と認知症の初期に変化が起きる部位は重複するので、「嗅覚障害が起こる可能性がある」と結論づけられているとか。

 

『味覚障害』は嗅覚ほどではないものの、認知症の初期段階から「味を感じる機能に変化が起こる」という研究報告もあるそうです。さらに記憶力や判断力の低下によって、味付けの分量などが分からなくなるケースもあると考えられています。(味覚障害は、加齢による身体機能の低下などの原因もあると言われています)

 

当時は、これらの”違和感”を、すぐに認知症と結び付けられなかった私たちですが、さまざまな面で『老い』を感じたのは事実。結局は滞在中、お義母さんを病院に連れていくこともできませんでした。「このまま離れて暮らすのは心配だよね」となり、早急に今後の住まいについて考えることに!

 

しかし、そこからお義母さんの認知症は徐々に進んでゆき、家族にとっても、乗り越えるべき壁が待っていました。この続きは、また次回お話ししたいと思います。

 

【アラフィフライターの介護体験記・連載はこちら】

♯01▶▶『一人暮らしの義母宅の冷蔵庫から漂う異臭。中を改めて絶句した夫と私に義母が放った「衝撃の言葉」は』

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