「あの子、“ザキヤマ似”だぜ。不倫なんて無理だよ」と笑った夫。本当に不倫していない?晴れないモヤモヤとの戦い【体験談】

2024.09.25 LIFE

子煩悩で優しい人、この人だったら一緒に子育てできる

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細面で美人の葵さんは、20代後半の時に高校時代からの友人、貴文さん(仮名)と結婚しました。しかし、30代後半で約10年の結婚生活に終止符を打ちました。

貴文さんとは、20代前半の時から付き合ってきて、結婚後は二人の子宝にも恵まれ、何一つ問題なく楽しく暮らしていたのですが、貴文さんの不倫が原因で別れることになったのです。

 

「私たちはおしどり夫婦として知られていて、彼も子どものことは可愛がってくれました。
家族だけではなく、誰にでも優しくて子どもにもお年寄りにも好かれる人でした。それは今も変わっていないと思います。

でも、それは弱さの裏返しだったのかもしれません。貴文さんは、両親が離婚したため早くにお母さんと離れ離れになりました。その影響もあって、誰かに嫌われるとか、自分に価値がないと思われるのがすごく怖くて、誰にでも優しいのだと思います。」

 

貴文さんは独身の時から人付き合いも良く、社交的。いろんな集まりに行くことが好きでした。

「昔から女友達が多いなとは思っていました。でも、純粋に友達として付き合っていて、誰かを口説くわけでもなく無害な感じの人でした。男友達もたくさんいたので、女たらしというより、人当たりのいい人だと思っていました。」

 

 

結婚を決める決定打になったのは、貴文さんの優しい性格に加えて、家族が仲良しだったことでした。貴文さんは両親の離婚後、父親と継母に育てられましたが、そんなことを感じさせない和気藹々とした家族でした。

「私の妹の子どももすごく懐いていて、この人とだったら楽しく子育てできると思いました。実際、子煩悩で、よく世話をしてくれました。」

 

結婚してまもなく一人目の子どもを出産後、夫妻は、東京の家を引き払って地元に帰りました。

「東京は私たちにとって子育てがしづらいのと、親にもっと孫の顔を見せてあげたいと思ったからです。
貴文さんは引っ越しを機に、地元で携帯電話の会社に就職したのですが、東京で勤めていた頃より収入が下がって自信が揺らいだようでした。

そのことが関係あるのかないのかは分かりませんが、やがて会社の部下と不倫関係になりました。
ちょうど私が二人目の子どもを出産した時、上の子が2歳になる頃だったと思います。でも、そんなことはつゆ知らず、私は、幸せな家族だと何年も思い込んでいたのです。」

 

結婚9年目、上の子が小学校に入学してすぐくらいの時のことでした。貴文さんの携帯が鳴ったので、ふと画面を見たら、どこかで見覚えのある女性と貴文さんが写真に写っていたのです。背景から考えると、明らかに女性の部屋で撮影したもののようでした。

「まるで付き合い始めたばかりの初々しいカップルのようでした。頭にきて、寝ていたのを起こして詰め寄りました。」

 

ところが、貴文さんは、「何もしていない」の一点張り。
恋愛相談に乗っていた、恋愛感情はない、後輩としてしか見ていない、と言いました。

 

「私は、そういうことが一度でもあったら離婚すると決めていたので何の迷いもなく、その場で、『今まで有難うございました』と言いました。しかし、彼はしれっととんでもない言い訳をしたのです。

『だって、俺が初めてあの子を見た時、芸人の“ザキヤマ”に似てるって思ったんだよ。恋愛なんて無理だよ』と。

苦笑しながらそう言うんです。
たしかに、世間一般で言うかわいいタイプではなかったけれど、女性に対してそんなことを言うなんて失礼ですよね。
彼の発言に半信半疑でしたが、納得できる部分もありました。」

貴文さんに離婚すると啖呵を切ったものの、浮気の決定的な証拠もなく、結局、その夜はそのままやり過ごしました。

 

 

うつ病を発症

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しかし、モヤモヤを引きずったまま夫と暮らしていても心が晴れることはなく、フラッシュバックに苦しんで、葵さんはとうとううつ病になり、病院に通院するようになりました。

 

「今思えば、ずっと夫のことを疑っていたこの時期が一番辛かったです。かといって信じることもできず、実際どうなのか分からない、泳がせている時が一番不安で、辛い時期でした。決定的証拠もなく、信じたくても信じられない、やっぱり怪しい、と右往左往していました。

その一方で、夫や子どもの世話や仕事もして、日常生活を送らなければいけません。夫婦関係の再構築について書いてある本やメルマガも読み漁りました。でも、なんの解決にもなりませんでした。」

 

 

その頃、葵さんは商業施設の中の雑貨屋で働いていたのですが、たまたま出勤途中に“相手の女性”に会いました。
貴文さんと女性が勤める店も同じ商業施設の中にあったので、何度か彼女の顔を見たことがあったのです。

「黙っていることもできましたが、我慢ならずに、彼女に『本当に不倫してない?』、と聞いてみました。
でも、彼女はキッパリと、『違います』と言いました。」

 

しかし、その女性の部屋にいたことは間違いありません。
葵さんは女性に、「既婚男性を家に入れちゃダメだよ。不貞行為がなくても、こうやって疑われるんだよ。あなたまだ若いし、こんなことしちゃダメ」と諭しました。

 

「結局、本人たちは不倫はないと言うし、真相は分からないまま。何事もなかったように暮らしていくしかありませんでした。
貴文さんも家事や育児はよくしてくれたので、家族を大切にしてくれているのだと思いました。

でも、この時、既に二人はできていたんです。私は、まるでピエロのようでした。」

 

決定的証拠こそなかったものの、後から思えばおかしなことがたくさんありました。
子どもを連れて公園に行く時は携帯を肌身離さず持ち歩き、残業や早出が増え、整髪料に凝り出し、ファッション小物が増えていきました。

「夜の夫婦生活も、それまでと違ってやたら尽くしてくれました。精力剤も飲み始めました。」

 

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