【更年期】は、次のライフステージをスタートさせる「準備」のためにやってくるのかも
45歳の健康診断で大腸がんの疑いが!再検査の結果は…
動悸、生理前の下痢、倦怠感、そしてうつっぽさ。いずれも更年期の症状ではないかと思いながらも、健康診断で異常がなかったため、特別な治療はしていなかったマサミさん。ですが、45歳の健康診断で大腸がんの疑いを示す値がでてしまい、再検査を受けることになりました。
「再検査の結果、がんではないと分かりました。でも、せっかくだからこの機会に、さまざまな体調不良の原因が更年期によるものか調べておこうと思い、婦人科に行きました」
そこで分かったことは、ホルモン値の低下でした。女性ホルモンが減っている事実を突き付けられたマサミさんでしたが、不思議と、もやもやした不安が晴れたような気持ちでした。
HRTを始めたら不正出血が1カ月も続いた!このまま続けて大丈夫?
ホルモン値の低下を知らされると同時に、医師からHRT(ホルモン補充療法)を勧められたマサミさん。
「先生から『体が楽になるだけでなく、美容にもいいのよ』と言われて、そんなにいいものなら、と軽い気持ちで始めました」
マサミさんは、下腹部にホルモン剤のパッチを貼る治療を始めましたが、しばらくすると、生理でもないのに出血するようになりました。
「生理が終わる時期くらいの量の鮮血がでるようになったんです。量は少ないものの、だらだらと1カ月にわたって不正出血が続いたため、怖くなって自己判断で中断して、かかりつけの婦人科へ行きました」
婦人科へ行った日は、いつもの担当A医師が不在で、男性B医師に診てもらいました。B医師が言うには「HRTは乳がんのリスクが高まるから、すぐにやめたほうがいい」とのこと。現時点の出血状況を思うと、やはりやめたほうがいいのかもしれないとマサミさんは思いました。
一方で、HRTを開始してすぐ、体のだるさを感じなくなり、健康だと思える日々が増えてうれしいことも事実。止めるか止めないか、決められずにいました。
そのとき――
A先生のチームの看護師がマサミさんのもとへ来て、こう告げました。
「A先生とB先生はHRTに対する意見が真逆なんです。A先生は女性で、自身も更年期のつらさを知っているから、HRTで身体が楽になって幸せに暮らせるなら、HRTをしたほうがいいと思っています。私は看護師なので、治療方針について独断で話すことはできませんが、きっとA先生は、マサミさんにも同じことを言うと思いますよ」
看護師の言葉に、マサミさんはHRTを止めないと決め、日を改めてA医師に相談しました。A医師は「体が慣れるまで続けましょう」と言い、今日まで治療を続けています。
更年期は人生を見直し次のステージへ進む準備期間
HRTを始めてから体のだるさはあまり感じなくなったマサミさん。本来のマサミさんなら、体が楽なうちに新しい事業計画を始めようとするところですが、更年期に入ったことで、少し考え方が変わりました。
「更年期は、これまでの自分を見直して、整理して、次の人生のステージへ進むための準備期間だと、体験して感じました。私はこれまで、自分の心と体について深く考えることなく、ただ前を向いて突き進む人生を過ごしてきました。でも、これから老いていくにあたり、いつまでもこのままでは体が持ちません。更年期を受け入れ、これからは自分を大切にしながら生きていきたいと思っています」
そしてマサミさんは、1年間は仕事を詰め込み過ぎず、定期的に休みをとり、心と体に余裕を持たせ、反抗期の子どもとしっかり向き合うことにしました。
「私に余裕ができたことで、夫婦関係がよくなりました。これまではお互い忙しく、相談し合う機会がないことから、うまく意思疎通ができずにたびたびケンカをしました。反抗期の次男のことも、夫が私にまかせっきりなことへのストレスを感じていましたが、考えてみれば、私もちゃんと夫に相談していなかったんですよね。忙しいからって。私に相談する時間と心のゆとりができて、ちゃんと話したら、夫もしっかり応えてくれました」
HRTで現在は諸症状が落ち着いているマサミさんは、いま更年期で生活に支障をきたすほどつらい思いをしている女性に、ぜひHRTを選択肢に入れてほしいと思っているそうです。
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