「不倫はしょせん、まやかし」0才児がいるのに、不倫相手の元に逃げた借金まみれの夫。「土日のスーパーに行くのが辛かった」残された妻の悲哀
ガス代が払えず、ガスを止められた
ひとみさんが若くして結婚したのには訳がありました。俊さんの子どもを妊娠したのです。
「いわゆるデキ婚です。21歳の時に子どもが生まれたので働くことができず、彼の収入に頼らざるを得ませんでした。給料から生活費をもらわないと生活できなかったのですが、お金がなくて、電気代やガス代も払えませんでした。
『家にお金を入れてください』と言っても、一向にお金が入ってこなくて、ついにガスを止められてしまいました。赤ちゃんのミルクを作ることもできず、困り果てました。」
実は、俊さんには多額の借金があったのです。税金の支払いの督促状が届くなど、次から次へと借金があることが分かってきました。
「出産前から怪しいなと思うことは時々ありましたが、トドメはガスを止められたことでした。幸い義両親がすごくいい方で、少しは経済的に援助してくれたし、ご飯を持ってきてくれたりして、協力してやっていきましょうという感じでした。」
しかし、夫婦なので毎日同じ部屋で暮らしていかなければなりません。ひとみさんは、仕事を終えて帰宅した俊さんを、「借金はいくらあるの?」「今月の給料はどうなっているの?」と質問攻めにしました。
「俊さんは不動産関係の仕事をしていたのですが、お客さんからもらっていないお金、売掛金がありました。一旦、売掛金を自分で立て替えて、後でお客さんからそれを回収していました。
回収したお金を生活費に充ててくれたら良かったのですが、彼は回収したお金を飲み代に使ってしまったのです。
私は、そんなこと全く知らないので、毎日、毎日聞くわけです。
疲れて帰ってきたのに、やれ今月の支払いがどうとかガス代がどうとか言われて、さぞかし嫌だっただろうと思います。でも、私も0歳児を抱えて必死でした。聞かないわけにはいきません。
毎日私に問い詰められるので、だんだん重荷になってきたのでしょう。俊さんは不倫に走りました。」
帰ってこなくなった夫
やがて俊さんは、取引先の4歳年上のシングルマザーの女性と親しくなり、その人の家に通うようになりました。
「帰ってこないことはしょっちゅうありました。不倫の典型的な兆候です。友達のところに泊まりに行くとか飲みに行くとか、飲んでそのまま車の中で寝てしまったからそのまま会社に行ったとか、あれこれ言い訳しては帰ってきませんでした。
これは不倫している男性によくあることですが、最初は軽いところから始まります。月に一度だったのが二週に一度になり、週に一度になり、週に二度になっていきます。いくらなんでも女がいるんだろうなと想像がつきますよね。車で寝泊まりしているなんておかしいじゃないですか。
その辺りから女の影を感じて、夜中にゴソゴソ証拠を探していたら、二人で撮ったプリクラが出てきて不倫を確信しました。
私は、夫が帰ってこないという異常事態なのに何も感じなくなってきました。感覚がどんどん麻痺していくようでした。俊さんは、ご丁寧に住民票を彼女のところに移動して、別居して出て行きました。
住民票は離婚しなくても移せるんです。住民票を取った時に女性の住所が分かって、女性のところに行きました。」