「私がダメから。もっと頑張らなきゃ」優しいと思っていた夫は「ソフトモラハラ」だった。知らぬ間に、自己肯定感が奪われる【5つの洗脳術】

2024.10.09 LIFE

優しいふりをして、妻に罰を与えるのは当たり前

Aさんと夫と車で遠出をした時のことです。いつものように夫が車を運転中、ふとした会話がきっかけで、Aさんが「それ違うよ。ニュースではこう言っていたよ」と軽く指摘したそうです。その瞬間、夫の顔が一瞬険しくなり、アクセルといきなり踏みすごいスピードを出したのです。
「Aちゃん、最近僕に反論することが多いね」と、にこやかに言いながらも、その運転は乱暴で、隣車線に割り込んでみたり、煽ってみたりといつ事故に繋がるのか怖くて仕方なかったそうです。

 

『その時の夫は普段の優しい夫ではなく、少しの異論も許さない支配者にしか見えませんでした。
「あなたの言うことが正しい、余計な事を言ってごめんなさい。」と、私が謝ったことでやっと夫はふうつの運転になってくれました。

彼はいつものように「君がちゃんとしていれば、僕もこんな罰は与えないんだよ。好きで君を怖がらせているわけじゃないんだからね」と言って笑うのです。
「もうこんな怖い思いはしたくない、これからも夫の言葉に従わないと。だって私が悪いんだもん」と本気で信じ込んでいました。』

 

Aさんは、夫から暴力を振るわれるわけでも、怒鳴られるわけでもないので、夫が正しいと信じ込んでいました。自分が余計な事を言わなければ夫は怒らない、私が言うことは全部間違えているから自分の意見は持っていけないと、すっかり自己肯定感がなくなっていたのです。

表面上は優しく、穏やかに過ごしています。しかし、気がつけば、彼の言葉や態度で自分を責め続ける生活になっていたのです。「私はこれでいいのだろうか?」「もっと彼に合わせるべきなのか?」という疑問が、心の中で渦巻きながらも、それを口に出すことができなくなってしまったのです。

 

そう、Aさんは知らず知らずのうちに、夫の「ソフトモラハラ」によって洗脳されてしまったのです。

Aさんの夫は、暴力や直接的な怒鳴り声で彼女を支配するわけではありません。
しかし、日常のさりげない言葉や態度で、Aさんに「自分が悪い」「もっと努力しなければ」と思わせ、彼女の自己肯定感を徐々に奪っていきました。
ソフトモラハラは、表面上は穏やかでも、心の中で深いダメージを与え、被害者を知らぬ間に精神的に追い詰めてしまいます。

友人からの一言で自分の状況がおかしいと気づく

Aさんはおそくら夫との対応に疲れていたせいでしょう。心身の疲れで仕事も休みがちになっていました。
気晴らしに友人と食事に行ったときのこと。何気ない会話の中で、夫について話をすることがありました。友人はAさんの話を聞いて、「Aちゃんは全然悪くないよ。それってソフトモラハラだと思う」と言ってくれたそうです。

 

『本当に驚きました。今までずっと「自分がもっと頑張れば」と信じていたので、友人の言葉が信じられなかったのです。
しかし、その言葉をきっかけに、私は少しずつ自分の状況を見直し始めました。友人に話すことで、自分がずっと夫の言葉に縛られていたことに気づき、「これっておかしいのかな?」と疑問を持てるようになりました。』

 

その後、Aさんは勇気を持ってカウンセリングを受けてくださいました。カウンセラーとの会話の中で、自分がソフトモラハラを受けていると改めて知り、徐々にその現実に向き合うようになれたAさん。

表面的には優しいけれど、心の中でAさんの自由や自己肯定感を奪っていく夫の態度が、Aさんを支配していたのです。

 

Aさんは少しずつ、自分の気持ちを大切にすること、そして夫との関係で自分が抱えていた感情を正直に見ることができました。少しずつ夫と心の距離を置く方法を学び、自己肯定感を取り戻し始めました。

夫も最初は自分の思い通りにならないAさんを責め、攻撃をしていましたが、以前と違い怯えずに自分の意見に自信を持っている妻を操るのは無理だとわかったのでしょう。夫のソフトモラハラも治ってきたのです。

 

ソフトモラハラは、外から見えにくく、被害者が自分自身を責めてしまうケースが多くあります。Aさんのように、ソフトモラハラの存在さえも知らずに、夫からのコントロールに気づくことはなかなか難しいものです。夫との関係が辛い、生きにくい…と感じた場合は、誰かに話すことで自分の状況を客観的に見つめ直すきっかけが生まれます。

 

 

 

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