あの人はもう、結婚しちゃいましたか?-42歳・絵美の場合(1)-【40女の恋愛事情・story3】
「ほら、大学のときに付き合ってた先輩」
「あっ……吉野さん?」
「そう! その人」
彼との記憶が蘇ってくる。
大学の2年上の先輩で、ゼミを通して知り合い、交際するようになった。彼は穏やかで賢くて、一緒にいると心が落ち着いて、ただただ、ずっとそばにいたかった。だから学内でも、吉野さんの姿を探して、いつもウロウロしていた記憶がある。
「すごい仲よかったよね。結婚の話とか出なかったの?」
「海外赴任に一緒に行く? って聞かれたことはあった」
「それって、そういうことなんじゃないの?」
「そうだったのかな」
「そうだよ」
あれは彼が大学を卒業した翌年のことだった。彼はあの時確か、初めての海外赴任で、不安そうで、そして私に冗談めかして「一緒に行くか?」と尋ねてきた。あの時の私は、すぐにそれを断ってしまった。私は憧れの企業に就職が決まって、入社式を心待ちにしていたから。
吉野さんとは、その時を境に、あまり連絡を取らなくなった。
彼は、海外に行ってしまったし、私は東京で暮らし続けたし。
時々は寂しく思ったけれど、生きる世界が違う、そう思って諦めるしかなかった。
「彼、今、何してるの?」
【40女の恋愛事情・story3】あの人はもう、結婚しちゃいましたか?-42歳・絵美の場合(2)-につづく/毎週火曜17時更新
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
スポンサーリンク
【注目の記事】
- 血糖値を上げすぎない、腸の善玉菌を増やす「身近なフルーツ」とは。でも、食べるタイミングを間違えないで!【科学研究所の博士が解説】
- 【6月19日金曜日19時~】「子どもが不登校になった親の気持ち、誰かと語り合いたい」。小説家・仙田学さんの「不登校ラジオ」始めます!
- バブルを経験した56歳女性が「田舎暮らしのほうが合うかも」と実感するようになった理由。東京と岡山の二拠点生活で気づいたこと
- 【ユニクロ】のイージーパンツで魅せる、こなれ感たっぷりな初夏のきれいめカジュアル【40代の毎日コーデ】
- 「お金のことを考えると離婚できない」高給取りの夫から25年間いじめ抜かれ、子どもたちは「パパはママに優しくないよね」と背中をさすってくれるけれど、先が見えなくて辛すぎる。どうすればいいの?【カウンセラーが見たモラハラ・リバイバル】
スポンサーリンク
スポンサーリンク

















