夫が長年に渡る不倫。それでも「離婚しない選択」をした妻。「家庭を再構築する」したい女性に伝えたい、幸せになる方法【不倫カウンセラーの体験談】
7年にも及ぶ不倫
河村さんは、よく友人に「陽子らしくない選択をした」と言われたため、不可解に思いました。
「私は夫が欲しかったわけではなく、大切なものを守りたいから離婚しなかったんです。結婚生活を続ける決断はしましたが、夫が相手の女性と別れたわけではありません。二人の関係はずっと続いていました。
7年の間、当然相手の女性との性交渉もあるわけで、辛いと思うこともありました。ニヤニヤしながらLINEをされた日には怒り心頭でした。でも、離婚しないと決めた以上、受け入れざるを得ない現実で、良くも悪くも慣れていきました。
だんだん慣れてきて、『こいつは不倫している男なんだ』と受け入れると、朝帰りされても『冗談じゃねえ!パンツにシミをつけてくるなよ。なんでこれを私が洗わないといけないの!』という気分になっていきました。」
相手の女性が自殺未遂
不倫しながら結婚生活を続ける夫との生活にも慣れたのですが、ある日、相手の女性が自殺未遂しました。
「夫がすごく慌てて、『今からちょっと行ってくる!』と言うので、『どこへ行くの?』と聞いたら、女性がビルの3階から飛び降りて意識不明の重体になっていると。
女性のお姉さんから夫の携帯にメールがあって、『危篤状態です。こういう姿になってすごくかわいそうなんですが、あなたはどう感じますか。率直な気持ちを教えてください』と書かれていたそうです。
普通、妹が危篤の時にそんなメールができますか。私は、それは嘘だと思っています。いずれにせよ、この頃を境に夫の不倫は終わりました。」
その後、陽子さんは、テレビを見ていて「不倫カウンセラー」という仕事があることを知りました。「この仕事をやるしかない!」と思い、カウンセラーになりました。
必要なのは思考の整理
陽子さんは離婚しない選択をしましたが、迷いがなかったわけではありません。九州にいた頃からあれこれ迷っては占いを頼り、総額100万円以上かけたそうです。
「いろんな占い師の話を聞きましたが、答えが出せないままでした。なぜかというと、当時の私は思考の整理ができていなかったのです。
不倫されたら、弁護士や行政書士のところに行く人もいます。でも、彼らはカウンセラーではないので法律でできることしかしてくれません。心理カウンセラーは、心を落ち着かせましょうとか言うでしょう。
でも、悩んでいる時に必要なのはそういうことではありません。未来をどう組み立てていくのか思考を整理することが大事なんです。
離婚すると決めているなら弁護士のところに行けばいい。でも、何をどうすればいいのか分からないという人もいます。離婚したいけど経済的な不安があるという人もいますし、再構築したいけど夫に無視されているとか経済DVをされているという人もいます。それらの問題を解決して、ベストな方法を導き出すのが私の仕事です。
良妻賢母になれとか夫が気分よく過ごせる家庭にしたらいいと言うカウンセラーもいるそうですが、それは甘い。私は良妻賢母でしたが裏切られました。夫の不倫で傷ついているのに、一生懸命機嫌を取るというのは違うと思います。
思考の整理をしながら当事者自身で考え、決断できるようになってもらわなければいけません。自分の幸せに責任を持つことが大事です。」