あの人はもう、結婚しちゃいましたか?-42歳・絵美の場合(3)-【40女の恋愛事情・story3】
あれほど好きと思える男性には、その後誰とも出会わなかった。
どうしてあの時、海外赴任する彼について行かなかったんだろう……。
あまり語られることのないアラフォー女性の恋愛事情をクローズアップした小説、【40女の恋愛事情】。
彼には子どもがいた。
やはり結婚していたのだ。
見なければよかった。
こんなにショックを受けるんだったら、知らなければよかった。
もし私が彼と結婚していたら、今ごろ、私はママになっていたかもしれない。
彼の隣で、子どもと一緒に笑っていたかもしれない。
でも私は逃げた。
私が、いけないのだから。
知らない女の人が、彼と結婚して、彼を支えている。
吉野さんは、幸せを見つけられた。
私とのことなんて、きっともう、忘れてしまっているだろう。
これで本当に、遠くに行ってしまった気がする。
それでもいい、彼が、幸せならば。
吉野さんほど、私を大切にしてくれた人はいない。
ついていかなかった自分がバカだったのだ。
彼と一緒なら、どこにいたってきっと自分は幸せだったのに。
ちゃんと見届けよう。
決心して、もう一度画面に戻る。
彼がどれだけ幸せでも、私がどれだけ中途半端でも、それが現実。
ちゃんと受け入れることで、一歩進めるのだと思うから。
彼の書き込みの続きが、目に入ってくる。
『父の日に息子が描いてくれました。』
その続きには、こう書かれていた。
『日本から送ってくれた絵、ちゃんと届いたよ! 離婚してすぐこっちに来たから全然会えてないけど、元気でやってるみたいでよかった。』
離婚……!?
考えてもいなかった言葉に、今度は胸がドキドキし始めた。
この記事は
作家&エッセイスト
内藤みか
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