「経済的な自立は譲れない!」と葛藤。自信を失って迷子になりながら、二度の出産で向き合った「ワーママとしての生き方」
私は、夫は、何を喜びとして生きていくか――自身の人生と初めて向き合い見えてきた、次なる「家族のカタチ」の扉
次男の出産前後を境に、じっくり育児に関わる時間が増えたというゆうさんの夫。そんな日常のある出来事が、家族のカタチを変えるきっかけになります。
「二度目の出産直前、私が切迫早産に……。夫はちょうどその頃、長く勤めていた会社を辞め転職を考えていた時期だったこともあり、1~2ヶ月仕事を休んで育児を優先してくれました。そんなある日、長男の保育園の迎えに行き始めた彼が目にしたのが、とびきりの笑顔でクラスメイトと遊ぶ長男の姿だったんです。
夫はもともと子どもたちと積極的に関わり、全力で遊ぶ人。それでも、友達同士で遊ぶ長男の笑顔は、それまで自分が関わる中では目にしたことがないとびきりの表情だったそうです。『何だ、これ!?』って衝撃を受けていましたね」。
その一方で、ゆうさんにも変化が生まれていました。長男の育休同様、次男の出産でも心の葛藤はゼロではなかったものの、『これから1年半の育休をどう過ごそうか』と、以前よりも本質的に深く考えていたのだそう。
「次男の出産前後に、夫が突然ある手帳を買ってきたんです。『今年、俺はこれを使って目標を立てる!』って急に言い出しました。実は私は小学生の頃から手帳を書き続けるほどの手帳好き。だから夫の姿にワクワクしてしまって、『私もその手帳を買うから、一緒にこの一年の目標を書いて、見せ合いっこしようよ!』と誘ったんです。
そこで私自身が向き合ったのが、これからの人生、そして1年半の育休の過ごし方でした。長く手帳を書き続けていた私も、そういった視点で真剣に手帳と向き合うのは初めて。夫と見せあうという約束が強制力になって、手探りながらも、自分の心の内や未来を本気で紙に書き出しました」。
育休中にできそうなキャリア関連の取り組み、復帰後の仕事のこと……それに加えて、家庭や家族についても言葉にしていったというゆうさん。
「たとえば『夫とずっと仲良しのパートナーでいたい』、そのために『結婚してよかったと思ってもらえるように、人生を共有して、役割を変えながら支え合いたい』という思い。あるいは『家事を効率化して家族で過ごす時間を最大化する』という、少し具体的なことも。小さな野望から大きな志まで、自由にイメージを膨らませました」。
「実は本音とずれていた部分もあったし、書き出したことのすべてが叶ったわけでもなかった」と話すゆうさん。それでも、一度目の出産のときと大きく違ったのは、「誰かの情報や価値観」ではなく、「自分自身の内なる本音や価値観」と向き合うその姿勢でした。
この頃から、ゆうさんと夫の間では、「どんな生き方を選び取っていくか」という会話が増えのだそう。様々な出来事が重なり合ったこの時期から間もなく、ゆうさん一家の「家族のカタチ」はこの後大きな変化を迎えることとなります。
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