「ぼく、食べ物が飲み込めない……」突然の不登校。行き着いた「子どもの受け止め方」と「周囲との支え合い方」とは
沈黙せず、当事者目線の悩みや希望を手渡したい。それが理解につながり、私たちの救いにもなるはずだから
そして最後にもう一つ。不登校など、我が子の困難に向き合うOTONA SALONE読者へのメッセージもうかがってみました。すると、「同じような壁に向き合う仲間たちからの励ましやヒントを、受け取ってみてほしい」と答えるゆうさん。
「自分ではなく我が子の問題ですから、最後は信じて見守るしかない――頭ではわかっていても、心配だし、つらいし、もどかしいですよね。さらに、私自身は家族や息子の人生に『失格』の烙印を捺されたような、暗澹たる気持ちに陥ったことさえありました。
そんなかつての私は、『学校に行くことが、唯一の正解ではないと考えている家庭がある』という事実を知ることができていたら、きっとすごく励みになったんじゃないかなって思うんです。――今対峙している状況や苦しみは、あなただけの唯一無二のもの。100%分かり合えないものだとしても、気持ちや状況を分かち合える仲間が同じ世界にいるんですよね。」。
ゆうさんが今回のインタビューに答えてくれた理由も、「苦しいときにこの世界の誰かの経験談にたくさん支えられた分、私も恩送りがしたかったから」だといいます。
そんなゆうさんは、自身のSNSアカウントでも、最近意識的に我が子の不登校を話題にすることを増やしているのだとか。そこには我が子の未来に向けた、もう一つのカタチがありました。
「子どものプライバシーが最優先ですから、赤裸々にとはいきません。それでも、当事者の親の葛藤や受け入れ方など……迷いやメッセージをにじませた発信の頻度を、ちょっとだけ上げています。
きっかけは、ある教育関係の著名人によるお話でした。『当事者が縮こまってしまうと、その問題は世の中には全く伝わらない。我が子や家族の苦しみも悩みも、ないものになってしまうんだよ』って。それを聞いて、私も小さく動き出しました。
学校に不満があるわけでも、世の中を変えたい!という思いがあるわけでもありません。でも、私は当事者の一人。たとえ小さな声だとしても『いろんな人がいるんだよ、こういう悩みがあるんだよ、こういう選択肢を選び取っているんだよ』と伝えようと思うんです。それが誰かの気づきになるかもしれない。世の中に1ミリの変化をもたらすかもしれない。そしてそれは、息子自身を救うことでもあるから」。
【編集部より】
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【編集部より】
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