道長とまひろの思いは、次の世代に伝わるのか。“ラブレター”として詠んだ「愛のうた」って?【NHK大河『光る君へ』#44】
自らの栄華をうたったとされてきた「望月の歌」。本作ではまひろと道長の「愛のうた」に
道長は威子(佐月絵美)が中宮となったことを祝ううたげで、かの有名な歌を詠みました。
「この世をば わが世とぞおもう 望月の かけたることも なしと思えば」
史実では、権力の頂点に立ち、この世を我が世と思った道長が自らの栄華を詠った歌として「望月の歌」は解釈されています。満月には欠けるところがないように、自分もなにもかも手にしていると詠った歌としてとらえられることが多いです。
しかし、本作では道長がまひろに宛てた“ラブレター”として変換されていると解釈できるかもしれません。
まひろと道長の約束は満月の日の夜でしたし、ふたりは別の場所で月を見ながら相手のことをそれぞれ思うことがありました。現在の道長は自分の力の限界も知り、一家三后を実現したものの政が思い通りにならない現実に直面しています。まひろは道長が自分に注ぐ愛情だけではなく、祝いのステージに立って、周囲に称えられている彼の心の内も知っているからこそ感極まったはずです。まひろに視線を送る道長は「俺たちここまできてしまったな」と微笑みかけているように感じられます。まひろにやさしく頷き返してもらうことを求めているかのように。
▶つづきの【後編】では、「飲み屋」は平安時代より前から存在していた?お酒が苦手だと平安貴族は大変だった!?……についてお届けします。__▶▶▶▶▶
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