酔って寝ていたら、上司が覆いかぶさってきて…。「信頼していた人に襲われた」事実が私に残した大きな傷は(後編)
信頼していた上司に襲われて
「私はかなり酔っていたので、バスタオルを敷いた後部座席に寝かせてもらって…。その時は、美味しいものを食べて上司に愚痴を言って、家には母親が娘を見てくれている。『なんていい身分なんだ』とお気楽な気分で『しあわせー』なんてつぶやいていました。でも、気がついたら海のそばで車が停車して…」
直前に、「海が大好きなんです。今度釣りに行きたいですね」と話していた悦子さんは当初、酔いを冷ましてくれているのかと感謝すらしたそうです。
「風が気持ちいいなと思って『釣り候補地ですか?』なんて呑気なことを言っていたら、『大丈夫?』と藤原さんが後部座席に乗ってきて。そのまま、覆いかぶさるように抱きしめられました。『いや、ちょっと。まずいですよ。冗談ですよね。やめときましょ…やめてください』と一瞬抵抗しましたが、力が強くて急に怖くなってしまって。逃げようとして押さえつけられた時にボックスのような硬いものの角に頭をぶつけて、『暴れたら殴られる』と本能的にフリーズしました」
シラフだったら、「飲んでもいない藤原さんは凶暴ではないはず。ちょっと強引な演出をしているだけで、もっと強く抵抗すれば拒否できるかも」と判断できたのではないかという悦子さん。
「でも、私も酔っていました。『本来、女性を襲うわけがない上司に襲われている』という異常事態が起こるなら、『人を殺すわけがない上司に殺される』ということすら、あり得るようなパニック状態で。キスをされたら『もう、生きて家に帰ることができたらいい…。どうにでもして』と、力を抜いてしまいました」
すべてが終わった後に、藤原さんは「ずっと、こうしたかった。好きになってしまって。ごめん」と謝罪の言葉を口にしたそうです。
その後も…震える日々 次ページ