突然始まった円形脱毛症。まだらに脱毛した頭部を隠すためにたどり着いたのはウィッグより「帽子」、でも問題は【円形脱毛症体験記】#5
医療用帽子(ケア帽子)との出会い
「医療用帽子(ケア帽子)」は、とくに定義があるものではありません。抗がん剤治療で脱毛した方や脱毛症患者向けのもので、頭皮を保護する、頭皮にやさしい素材でできた帽子をさします。
夏は紫外線、冬は寒さから、就寝時には枕のこすれから頭皮を守ってくれます。脱毛した髪が散らばるのを防ぐ役割もあります。そして、帽子をかぶることで、脱毛による外見(アピアランス)の変化を隠すことで、精神的負荷をやわらげる効果もあります。
ネットで「医療用帽子」を検索すると多少のショップはでてきますが、種類はあまりにも選択肢が少なく、ほとんどがワッチキャップ。あってもキャスケット。
医療用帽子はおもに全頭脱毛の方向けなので、髪の毛があるように見えるデザインなのです。帽子は大好きですが、ワッチキャップは苦手。でも、仕方ない。頭皮にやさしい素材の医療用帽子で、少しでもおしゃれ見えするものを探して購入しました。シームレスやシルク素材、通気性がいい、UV加工などやさしい帽子で快適です。なにより吸汗してくれることが助かりました。
【東京医科大学病院皮膚科 入澤亮吉先生Q&A】
Q:冬は寒さ対策として、夏は紫外線対策として、脱毛中は帽子をかぶったほうがいいとは思いますが、帽子による蒸れや擦れは脱毛には影響はありませんか?
A:蒸れや擦れは脱毛にはまったく問題ないと思いますね。紫外線は頭皮にもよろしくないので、帽子をかぶることはすすめています。外傷防御にもなります。エビデンスレベルは低いものの、円形脱毛症患者のQOLを改善させる効果があるといえます。
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※日本皮膚科学会「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」に基づいた診療
※病院によって、治療法が異なることもあります
監修:東京医科大学病院皮膚科、ワタナベ皮膚科 入澤亮吉先生
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本性感染症学会認定医。日本皮膚科学会東京支部代議員、日本皮膚悪性腫瘍学会評議員、日本褥瘡学会評議員。1988年東京医科大学卒業。同大学病院皮膚科病棟医長を経て、2021年より東京医科大学病院皮膚科 講師。特定非営利活動法人 円形脱毛症の患者会 監事
【ヘアロス】
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