
「誰が稼いでると思ってる!」結婚30年、夫のモラハラに耐え続けたけれど、自分の人生を生きてみたい。妻が下した決断とは
家事の大変さを全く理解しない夫
Kさんの夫は、結婚当初から「俺が家族を支える」と豪語し、家計を握り、自分の考えを一方的に押し付けるような人でした。子どもが生まれてもそれは変わらず、家事や育児は全てKさん任せ。
やることはせいぜいゴミ出しくらいですが、それもKさんが各部屋のゴミを集め、ゴミを分別し、ゴミ袋に詰め、ただ出すだけの状態にしてあるゴミ袋を持っていくだけです。
「それでも『家事をやってやった』と威張るのです。たまに自分がお風呂に早く入りたい時に、お風呂をささっとシャワーで流すだけでも『風呂を洗ってやった』と恩を売ってくるのです」
思いつきで自分の分の料理をすることもあるという夫ですが、後片付けや洗い物は決してしません。そんな状態でも「俺は家事を手伝う、いい夫だ」と本気で思っているのです。
Kさんの夫のように、妻が準備や後片付けをしてくれているということを全く考えない夫が多くいます。妻の日々行っている「見えない家事」に対してまるで気がついていないのです。
「見えない家事」とは、表には見えにくい細やかな家事の負担を指します。たとえば料理だけでも、献立を考え、食材を買い、冷蔵庫にしまい、調理し、後片付けをするという一連の作業が必要です。さらに、調味料の補充、換気扇やガス台の掃除、排水溝の清掃、クリーナーやスポンジなど清掃道具の補充など、日々のルーティンには含まれないものもあります。
また、洗濯では、天気を考慮する、裏返っている洗濯物をなおす、洗濯物を取り込み畳んで収納する、洗濯機のメンテナンスすることまで含まれます。こうした小さな作業の積み重ねが、「家族の生活を支えるための見えない家事」となるのです。
Kさんはこれらすべてを、仕事をしながら一人でこなしてきました。しかし夫は、その努力を当然のように受け取り、感謝の言葉を口にしたことはありませんでした。
夫がずっと家にずっといるなんて、とても耐えられない
「俺が稼いできているんだから、お前は感謝すべきだ」と言うのがKさんの夫の口癖でした。「俺が家族のために頑張っている」からこそ、家族みんなが暮らせていけるのだとアピールしていたといいます。
休日はいつも昼間からお酒を飲んでリビングで寝転んでテレビを見ていた夫は「俺は仕事で疲れているんだ」「俺の仕事があるからお前たちは暮らしていけるんだぞ!」と言ってその行為を正当化していたそうです。
「確かに夫が働いた給料があるから、家族みんなが暮らしていけるのはわかっています。だから感謝はしているのですよ。でもあからさまに『俺はすごいんだ』と言われ続けると、その気持ちが薄れてしまって……」
・男性は特に「自分の価値は稼ぎで決まる」と考えがちな傾向があります、ですから、自分の収入が家計を支えていることに強いプライドを持ち、「俺が稼いだお金なんだから自由に使える」と思い込んでしまいます。
Kさんがこれまで離婚しなかった理由は
Kさんはパートと子育て、そして家事をずっと一人でやり抜いてきました。
子どもがまだ小さいとき「ちょっとでいいから、手伝って欲しい」と頼んだところ、「主婦の癖に甘えるな!」とか「よその家の妻は、夫に手伝えなんて言わない!」と文句を言われた経験から、夫を頼ることはしなくなりました。Kさんにとっては、夫との生活は「忍耐」の連続でした。夫の横柄な態度、妻を家政婦扱いし、日常会話で笑いあうこともなく、夫の発する言葉は命令形ばかり。夫への愛情はとうの昔になくなり、ただ義務感で夫婦として暮らしていました。
それでも、Kさんが離婚に踏み切らなかった理由は、夫が毎日会社に出社していたからです。
「昼間、夫がいない時間が、私にとっての唯一の救いでした」とKさんは語ります。家に夫がいないことで、Kさんはパートが休みの日や、昼前にパートが終わるときには自由な時間を持つことができたのです。
しかし、夫の定年退職が近づくにつれ、Kさんの心はどんどん苦しくなっていきました。
「定年後、夫は毎日家にいることになる……。そのことを考えるだけで息が詰まりそうでした」
夫が家にいる時間が増えるということは、Kさんにとって逃げ場のない生活が始まることを意味していました。今まで耐えられていたのは、「昼間の一人時間」があったからこそ。それがなくなるという現実に、Kさんは恐怖を感じました。
夫が定年したあとの生活、それは「逃げ場がない恐怖」
Kさんにとって、夫が毎日家にいる生活は「逃げ場のない地獄」そのものでした。家事や自分の行動に細かく口を出され、否定的な言葉を浴びせられる。そんな日常が始まることを想像すると、心が押しつぶされそうになるのです。
「夫に怒られないために自分を犠牲にするだけの生活を、これ以上続けたくない。夫が定年後に毎日家にいる生活を考えたとき『それは無理、一緒にいたくない!』と強く思いました。離婚が唯一の選択肢だと、そのとき感じました」
Kさんは結婚生活30年の間、「夫から大事にされていない、愛されていない」と感じていました。ただひたすら「便利な存在」として扱われていたことを、長い間感じ続けてきました。
Kさんが風邪をひいて寝込んだときも、夫は「夕飯は食べてくるから作らないでいい」と言うのですが、Kさんの食事のことは一切気にしませんでした。でも夫は自分のことを「妻が寝込んでいるので外食をしないといけない可哀想な夫」と思っているのです。
「私って一体なんなんだろう」どんな時も自分のことだけを考えている夫。その夫の無関心さが、Kさんの胸を何度も刺しました。
「私が倒れても、この人は自分のことしか考えていない。この先の人生、そんな相手と一緒に過ごすことはできない。私はこの30年間、一人の女性としてではなく、ただの便利屋のように扱われてきたのかもしれない」
そんな思いがKさんの中で積み重なっていきました。この夫と離婚するのは大変だろうと予測できましたので、それを思うと、夫と一緒に人生を終わらせる方が楽なようにも思えました。でも「このままでは、私はもう自分を見失ってしまう。いったい私は誰のために生きているの?」と思った瞬間、Kさんの中で何かがはじけました。
残りの人生くらい、自分の幸せを優先してもいいじゃないと覚悟が決まったのです。
本記事では、「俺の稼いだ金だ」と圧をかけてくる夫の心理と、モラハラに30年耐えた女性の話をお伝えしました。
▶▶「私たち、離婚しましょう。Kさんが夫に切り出した日」では、自分の人生を優先させることを決めたKさんと、それに対する夫のリアクションをお届けします。
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