「ほどほど幸せ」な40代の平均年収はいくら?貯蓄では解消されない不安とは
40代を「不惑」とも言いますが、人生100年時代の現代では、40代もまだまだ迷いの中。FPとしてマネー相談を受けていると、40代女性のお悩みには他の年代にはない特徴があるように思います。社会人としての実績を積んだ自信と、これから歳を重ねることへの不安が入り交じる年齢だからでしょうか。
40代女性の心には、漠然とした将来への不安が増している
東京の会社に勤務しているU子さん(44歳)もその一人。20代半ばに就職した今の会社では、責任ある仕事も任される、勤続20年のベテラン社員です。
30歳前後には結婚を意識した男性もいましたが、縁がなかったのか現在もシングルのまま。東京都内のマンションに一人暮らしをしています。
U子さんは、貯蓄についての相談を希望していました。
年収は550万円ほどで、月に3万円貯蓄ができているとのこと。定期預金の残高は250万円になったが「このままでいいのか、もっとハイペースで貯蓄をするべきか」と思っているとのことでした。
仲のいい友達でも、貯蓄残高の話まではなかなかできません。栃木県にある実家には時々帰り、お母様と買物に行ったり食事を楽しんだりしていますが、ずっと専業主婦だったお母様とは状況が違うので、参考になるモデルケースもなく今後のことが心配な様子でした。
とは言え、身体は健康だし仕事も順調。遊びもほどほどに楽しんで貯蓄も出来ています。もう少し工夫をすれば、もっと貯蓄を増やして将来に備える方法もあります。しかし、U子さんの悩みは貯蓄のことだけではありませんでした。
貯蓄をしても解消されない不安とは
それは、「なぜ貯蓄をするか」ということに話が及んだ時に分かってきました。
U子さんは、今は経済的に困っているわけではありません。特に贅沢をしなければ、お給料の範囲できちんと暮らして貯金もできています。まさに「小さな幸せ」を大切にはぐくんでいると言えるでしょう。
しかし、今の生活がガラリと変わる可能性もあります。身体をこわしたり、仕事で行き詰まって会社をやめたくなったりした時には、お金が必要になってくるでしょう。U子さんは、そんな時に備えてしっかり貯蓄をしておきたいと考えていました。そのことは決して間違っていません。
しかし、何かあった時に頼れるものが「自分が貯めたお金だけ」、というのは何とも心もとないのではないでしょうか。ひとつしか頼りになるものがなければ、今が順調でも一本足で立っているのと同じ。ちょっとしたことで「小さな幸せ」はもろくも崩れ去ってしまいかねません。U子さんのお悩みは、まさにそこにありました。
いざという時に頼れるのが自分の貯蓄だけだと考えてしまうと、いくら貯蓄残高が増えても不安は解消されません。
セーフティネットは多種多様に考える
まずは、お金以外にも目を向けてみましょう。信頼できる友人づくりや、公的な社会保障制度を知ることで、安心できることも少なくありません。社会保障と言っても、生活保護のような極端なものだけではなく、病気の療養や転職の際などに利用できる制度があります。知識を得て余計な不安は解消しましょう。
そして、お金の備えも貯蓄だけではない方法を考えてみましょう。貯蓄の他に投資をするのもよいですね。投資はハイリスクなものだけではありません。ローリスクな金融商品を利用すれば安全に運用できます。
また、収入源を増やすのも積極的に考えたい方法です。副業を認めている会社も増えています。会社をやめてもずっと続けていかれるような仕事で実績を作っておくと、人生の転機が訪れた時に選択肢を増やせるでしょう。
40代はまだまだ人生の前半。これからも自分らしく輝いていかれるために、着実に一歩一歩進んでいきたいですね。
(FPCafe登録パートナー タケイ啓子)
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