心が崩壊していくのを感じ、ついに「逃げる」ことを選択。そのとき夫が送ってきたLINEの内容は

2025.03.22 LIFE

配偶者暴力支援センターの助け

夕方、Tさんがいないことに気づいた夫は、50件以上のLINEメッセージを送ってきました。

「どこにいる?」

「ふざけんな、今すぐ帰ってこい!」

 

さらには、大量の着信もあったそうです。しかしシェルターでは、手続きの際に携帯を預けることになっていたので、夫からの連絡を目にせずに済みました。

「これからは、あなたの安全を第一に考えましょう」

そう支援員さんに言われた言葉が、心にしみました。

 

夫の支配から逃げ出して数日が経ち、シェルターの生活にもなれてきたTさん。

多少の不便はありましたが、「誰にも怯えずに眠れる」「怒鳴り声を聞かずに過ごせる」それだけで十分だったそうです。

そしてTさんの離婚への一歩が、ここからスタートしました。支援センターの職員さんが、弁護士との相談を手配してくれました。

「ご主人との接触を避けるために、代理で対応できます」

という弁護士の言葉に、少しだけ希望が見えたそうです。

 

「夫は当然、離婚を拒否する。しかし暴言の録音やメモがある。これらは法的に有効な証拠になる」と言われほっとしたTさん。さらには「夫が接触しようとしてきたら、すぐに連絡を。保護命令を申請できます」と言われ、一人ではどうしようもなかったことも、専門家の手を借りれば進められると知りました。

 

支援センターや女性センターは、DV被害者のための専門的なサポートを提供し、相談や情報提供だけでなく、法的手続きの支援も行っています。(参考:配偶者暴力相談支援センターHP)

 

特に、支援センターを介しての離婚調停では、直接夫と会うことなく話を進めることができるため、精神的な負担を軽減する効果があります。支援センターは調停員としての役割を果たし、交渉を中立的に進行します。そのため、DVの恐怖から解放される機会が増え、より安全な環境で離婚に向けて動くことができるようになります。

 

また、支援センターは以下のような具体的な支援を行うことがあります。

  1. 法的支援:離婚のための法的手続きや必要な書類の準備についてアドバイス
  2. 生活支援:住居や生活費に関する情報を提供し、一定の経済的安定を図る手助け
  3. 心理的サポート:カウンセリングサービスを通じて、精神的なケアやサポート

これにより、被害者は夫と直接の接触を避けながら、安心して問題解決に向かうことができます。

ただし、支援センターがすべての問題を解決できるわけではありません。対応する職員によって支援の質に差があったり、証拠が不十分だと動きづらい場合もあります。さらに、シェルターが満員だったり、経済的支援には限界があることも課題です。また、「離婚を強く勧める立場を取らない」こともあります。

 

しかし、このような施設があることは、広く知られるべきだと思っています。

モラハラや性的DVから逃げるのは、決して簡単なことではありませんが、 「逃げてもいい」「助けを求めてもいい」と知るだけで、一歩を踏み出せる人がいると、そう信じています。 

前編「『夫婦の営みは妻の務め』と強要し、拒むと暴れる夫。『いつまで我慢すればいいの』無理がたたってやつれ果てた私は」に続く後編です。

 

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