「投資と投機は違う」と言うけれど、インフレで毎日の買い物すら苦しい今、本当に投資なんてして大丈夫?

これだけ物価が上がり続ける中、「やっておかないとならないこと」とは

今、千田さんから「インフレ」というフレーズが出てきました。最近物価が上がって「生活費が増えた」という声をよく耳にします。その辺をお聞きしたいです。

 

「投資をすると、資産が目減りしたり元本割れが起こるかもしれないと思うと、不安になることはあるかもしれません。でも、そこでぜひ意識しておきたいのが『インフレ』という現象です。たとえば30年前と比べると、学費やテーマパークのチケット代はずいぶん高くなりましたよね。最近では、スーパーでの買い物が前より高く感じられるという方も多いのではないでしょうか」

 

それはものすごく実感しています!

 

「このくらいなら5,000円で足りるだろう」と思ってレジに行ったら、思わぬ会計額に驚いた……という経験がある方もいるでしょう。これは『モノの価格が上がり、お金の価値が下がってしまう』インフレの影響です。通帳の残高そのものは減っていないのに、同じお金で買える量が少なくなるわけですから、実質的に“持っているお金が減っている”のと同じことになってしまうのです」

 

そう言うことなんですね。そこまで意識していませんでした!

 

「こうした背景を踏まえると、『お金が減るのが怖いから投資をしない』という考え方は、一見リスクを避けているようでいて、実はインフレのリスクを背負ってしまうことにもなりかねません。『投資=元本割れの怖さ』だけではなく、『インフレ=お金の価値が下がる怖さ』もあると知っておくと、長い目で見た資産づくりを考えやすくなると思います。もちろん投資にはリスクがありますが、『投資をしないこともリスクになりうる』と考えられるようになると、インフレ時代でも自分のお金を上手に守るための選択肢が増えていくはずです」

 

いやあ、こうしてインフレについて詳しく伺うと、「投資をしないこと自体がリスク」というのも納得できますね。物価が上がって、お金の価値が下がってしまうという視点は、実際に生活費が増える今だからこそ実感しやすいです。

 

でも一方で、投資にはリーマン・ショックやコロナ・ショックのような大暴落の可能性もあるわけですよね。そんなとき、やっぱり不安になってしまう気がするんですが……実際に暴落が起きたら、千田さんはどんな風にサポートされているんでしょうか?

 

本編では、「投資=ギャンブル」と思いがちだけれど、実は年金やiDeCoも“投資で運用”されており、インフレが進む今、投資をしないこと自体がリスクになる可能性があるということついてお伝えしました。

続いての>>>およそ10年に1度は訪れる「暴落」。必ずくるその恐怖の瞬間、覚えておくと「冷静になれること」とは

では、投資の恐怖心を取り払うために必要な知識と心構えについて深堀りします。

 

お話/千田愛さん

IFA・ファイナンシャルプランナー。製薬会社MR、広告会社営業を経て投資運用会社で運用の基礎を学ぶ。育児による専業主婦時代を経てふたたび金融の世界に戻り、FPとして主に女性のライフプラン設計に寄り添う。IFAの資格取得後は人生トータルでのお金の使い方を主眼に、貯めるだけでなく「お金をよりよく使って生きていく」人生設計に寄り添う。

(取材・文/ライター・鵜飼慎太郎)

 

1 2

スポンサーリンク