
「唐丸、おかえり」“鬼の子”と呼ばれた少年が“歌麿”になるまでの家族再生物語【NHK大河『べらぼう』第18回】
明かされた唐丸の過去
蔦重は唐丸を失ったとき、どこの誰かを聞いておけばよかったと後悔し、しつこく尋ねなかった自分を責めていましたが、ついに唐丸から彼自身のことを聞く機会を得ました。
蔦重(横浜流星) 唐丸(染谷将太) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」18話(5月11日放送)より(C)NHK
唐丸の母(向里祐香)は夜鷹で、唐丸に金を要求していた謎の男はヤスという名の母のヒモだそう。唐丸は自分が望んで生まれてきたわけではないこと、堕せなかったから生まれてきたことも知っていました。幼い頃からお金を稼ぎ、母の機嫌を損ねないようにしていたといいます。さらに、ヤスにたんこぶができるほどひどくぶたれることもありました。
そんなある日、妖怪画の大御所・石燕( 片岡鶴太郎)に偶然出会います。石燕との出会いがきっかけで、誰かが描いた絵を描き写す楽しさを知ったといいます。また、唐丸は石燕に絵の才能を見込まれ、絵をやってみないかと誘われたそうです。
石燕( 片岡鶴太郎) 唐丸(渡邉斗翔) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」18話(5月11日放送)より(C)NHK
唐丸がこのような日々を過ごしているときに、あの火事が起きました。唐丸の母は崩れた建物の中に閉じ込められ、「てめえだけ助かろうってハラだろ!」と唐丸の足をつかみます。
唐丸(渡邉斗翔) 唐丸の母(向里祐香) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」18話(5月11日放送)より(C)NHK
唐丸は母のために助けを呼びに行くはずでしたが、母に殺されると思い、一人で逃げたのです。“母から逃げたい”という思いから助けを呼ぶこともせず…。
「あんたは どうしたって死なない人の命を吸いとる そういう子だからね! 鬼の子だからね!」
唐丸の心には母が放った上記の言葉が刻まれており、この言葉が呪縛になっているように思いました。唐丸が火の燃える中でこの言葉を心に響かせ、立ち尽くしていたとき、「べらぼうめ! 何 考えてんだ!」と声をかけ、一緒に逃げてくれたのが蔦重だったのです。蔦重のこのとっさの行動は唐丸の命を助けただけでなく、母の呪縛から一時的に開放したように思います。
唐丸はヤスの訪れがきっかけとなり蔦重と別れた後、母にした仕打ちを悔やみ、生まれてきたことを間違えだと思い、自分を苦しめることでなんとか生きていました。蔦重はそんな唐丸を肯定します。
「俺ゃ お前が悪いとは思わねえ」
「お前が生きててよかったとしか思えねえんだよ」
蔦重が唐丸と再会を果たし、彼の身の上を聞いて思ったのはこれらのことでした。唐丸が母やヤスに対して行った行為が悪くないとはいえないでしょう。しかし、“唐丸は悪い”、あるいは、“唐丸からひどい仕打ちを受けた母やヤスが悪い”ともいえないと思います。特定の誰かが悪いというよりも、必死に生きるしかなく、余裕をもって生きられない社会、セーフティーネットがない社会に大きな問題があると思います。
かつて、いね(水野美紀)は夜鷹とそのツレとして生きるつらさをうつせみ(小野花梨 )に説明していましたが、自分が生きるのに精一杯の状態で子どもは育てられませんし、幼子を思いやる余裕もありません。
唐丸は“歌麿”として新たな人生を… 次ページ
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