「女子的生活」志尊淳の美しすぎる女装とトランスジェンダーの本音【金10】

OTONA SALONEの読者のみなさま、ライターのスナイパー小林と申します。好きが高じてドラマ評を各所で書かせてもらっている私から、気になったドラマを紹介するコラム『ライター・スナイパー小林の”日々連れズレ”』。読んだら次の放送が楽しみになるはず……と大きく出ておきます。ドラマに限らず、エンタメに関するちょっといい話をお伝えして行きますのでどうぞお楽しみに!

 

さて、2018年冬ドラマ『女子的生活』(NHK総合・毎週金曜22時放送)について。若手俳優・志尊淳さんの女装姿が可愛すぎて癖になると人気のドラマだ。はい、確かに。すらっと伸びて、すね毛は1本もない志尊さんの足を見たときに私も今年最初の反省を覚えました。

「女子的生活」公式 HPより

 

まだ閉塞感の残る、トランスジェンダーの現実を見る

 

“あらすじ:体は男性、心は女性、見た目は美女。そして恋愛対象は女性というトランスジェンダーの小川みき(志尊淳)はアパレル勤務。もちろん女性として採用された。ひょんなことから中学時代の同級生・後藤忠臣(町田啓太)と同居生活を始めることになる。そして今まであまり話すことなかった本音が忠臣の前では少しずつ吐き出すようになっていく”

 

ドラマを視聴する前、いろいろ資料を読んで

 

「これは志尊淳の女装が可愛いことを話題にしたいのか?」

 

と、諸々の想像をした。が、最初は違和感のあった女装姿がだんだんと見慣れていく。座るときは女子アナ座り、食べるシーンのいやらしさ、ふっと手のひらを見つめるような仕草……と彼が相当女性について研究したことがひしひしと伝わって来る。ドラマの終盤ではもう女装しているといヴェールが完全に外れている。だからポイントではあると思うけど、見どころではない。

ではこのドラマの面白さといえば、自分が想像もしていなかったトランスジェンダーの本音、というよりも現実だ。初回の放送では中盤まではいわゆる“女性の本音”がスマホの会話や心で思ったことが、文字になってポンポンと表示された。でも終盤になったところで、みきが忠臣に向かって、愚痴をこぼし出す。

 

「この先、どうやって生きていくのか、これっぽっちも分からない……」
「(生きる)お手本になる人もいない」
「年を取っても(若いままのように)女子っぽくいられるかどうかも分からない」

 

さらに刺さったのは性について。合コンで会った女性と一晩遊んできたみきに説教する忠臣に向かってこう続ける。

 

「結婚したいなと思うような人に出会って、その人が(自分と同じように)そう思ってくれる確率ってどれだけ低いと思ってんの? だから単発(のセックス)でもありがたいの!)」

 

ドキッとした。昨今の風潮で、ジェンダーの世界の間口は広く開いたと思っていた。何も変わらない。私たちと同じ。そう思っていたけれど、ただひとりの女性として生きているだけで悩みは勃発するのだから、彼らは容易に理解することのできない現実がたくさんあるのだろうと考えさせられた。でもこれこそがこのドラマの醍醐味なのだ。

 

男? 女? 一瞬、迷子になるようなシーンの連続

冒頭にも書いたように、みきは心と見た目は女性、そして体が男性、恋愛対象は女。まだ性転換の手術はしていない。そんなみきが落としたくなった相手、ゆい(小芝風花)とじゃれあうシーンがあった。飲食店の隅でふたりでつつきあったり、触り合ったりするのだけど、これがエロくて良かった……。

 

「えっと志尊くんは、本当は男で、相手は女で、えーと…」

 

と、そのシーンの情報量が多すぎて処理しきれなくなるのだけど、これが普通の恋愛ドラマでは出会えない面白さなのである。

NHKがトランスジェンダーを題材にドラマを製作するというのは、ものすごく思い切った企画だと思う。それだけデリケートで奥深い内容だという小さな知識は、昨今、誰でも持っている。でもそういったこちらの心配はひとつも裏切ることなく、新しい世界を見せてくれる『女子的生活』。全4回の放送、すでに本日19日が3回目なので、お早めの視聴をお勧めします!

 

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