“抜荷(ぬけに)”の罠が花魁を追い詰める。一方、また城で残酷な遊びにふけっていた道廣は【NHK大河『べらぼう』第24回】

2025.06.24 LIFE

誰袖花魁が企てた「抜荷」がまさかの展開に

本作では、もう一つの取引においても大きな進展がありました。誰袖(福原遥)が意知(宮沢氷魚)と企てた松前藩の抜荷の証拠をつかむ企てが思わぬ方向に…。

 

廣年(ひょうろく)がオロシャとの琥珀の取引を進めるよう誰袖からしつこく言い寄られていた頃、道廣(えなりかずき)は宴でまたもや残虐な遊興にふけっていました。

 

道廣(えなりかずき) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」24話(6月22日放送)より(C)NHK

 

女性を木に縛り付けて砲弾の的にするシーンは恐怖を覚えましたが、今回は大男を杭に縛り付けて的としています。道廣は鉄砲をこの男に向けながら、「果たして そなたは 人か熊か確かめねばな」と常軌を逸した発言をしています。道廣の繰り広げる趣味の悪い遊びに緊張感が漂う中、意次の側近・三浦(原田泰造)が「ええっ!?」と大きな声を上げて、道廣らの注目を自分の方に向けました。そして、廣年を吉原で見かけたと、道廣に告げ口をしたのです。

 

道廣は「お前!家老の分際で 吉原で湯水のごとく金を使っておるのか!」と、廣年を厳しく問い詰めます。廣年は「女…女郎に唆されまして!」と、兄を恐れるあまり責任転換。誰袖はオロシャとの取引が道廣に発覚した際には、自分の名前を出してよいと言っていました。とはいえ、ここで女郎を盾にするとは、廣年はひきょうというか、自己防衛力だけは高いというか…。

 

道廣は廣年とともに大文字屋を訪れ、誰袖と大文字屋の主人(伊藤淳史)以外の者を立ち去らせました。そして、主人に「お前 花魁が琥珀の直取引を企んでおったことは知っておるか?」と問います。廣年と誰袖が直取引を行い、金を抜こうと仕組んでいたと告げた上で、松前家と吉原で琥珀を使った商売で大儲けしないかと提案しました。

 

道廣(えなりかずき) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」24話(6月22日放送)より(C)NHK

 

誰袖(福原遥) 大文字屋の主人(伊藤淳史) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」24話(6月22日放送)より(C)NHK

 

「女郎ごときが」と過去に罵ったものの、女性に不慣れで、気弱さゆえに危険を感じても逃れられない廣年、俺様精神で生きており、罠の中に自ら飛び込む道廣…。他人を蔑み、自分こそがもっとも偉いかのように振舞う兄弟ですが、どこか滑稽にも見えてしまうのは筆者だけではないはず…。二人を見ていると、「生まれや育ちなんか 人の値打ちとは関わりねえ」という蔦重の先週の言葉を思い出します。

 

しかし、道廣が大文字屋側を陥れようとしている可能性もないわけではなく、今後の展開が見逃せません。

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