略奪するより「だらだら不倫」を選んだ40代独女【#婚外恋愛4】
どれだけバッシングされても、決してこの世から消え去らない不倫。
お互い籍を入れないままの恋愛。パートナーが複数存在する恋愛。
恋愛相談家・ひろたかおりが従来の「婚姻」の外にある恋愛と、その心理を傾聴する。
「略奪愛」は面倒くさい
— D子(36歳)との待ち合わせは、決まって夜、仕事が終わってから食事を一緒にするのが習慣だった。
コールセンターで主任を任されているD子は独身のひとり暮らし、実家は県外にあって親の面倒をみる必要もなく、ここで気楽な生活を続けている。
「それでね、彼が週末うちでホラー映画観たいって言うんだけど、オススメある?」
3杯目になるビールのせいで、D子の頬は紅潮していた。平日の夜に居酒屋で飲む人は少なく、「レストランよりゆっくりできるから」といつも同じ店を指定されていた。
「映画もいいけど、彼氏さんは週末に家を空けて大丈夫なの?」
それを尋ねると、D子はちらりとテーブルのお皿に目をやり、焼鳥の串を取り上げると
「いつも通り『県外に出張』って彼女さんには言うらしいよ」
とケラケラと笑って肉を頬張った。
「いつまで続くんだか」
串を戻し、今度はジョッキを手にしてD子が続ける。
「ずるいよねぇ、結婚する彼女がいるのに私とも付き合いたいなんてね」
勢い良くビールを飲むD子の、細く白い喉を見つめながら、
「ねぇ、こっちと付き合えばいいのにとは思わないの?」
と訊くと、D子は唇についた泡を指で拭って
「略奪愛なんて、面倒くさいだけよ」
とまた笑った。
この記事は
恋愛相談家
ひろたかおり
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