「俺の絵を描きてえ」母の呪縛を越え…歌麿(染谷将太)に光をくれた再会と蔦重のすれ違い【NHK大河『べらぼう』第30回】
*TOP画像/歌麿(染谷将太) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」30話(8月10日放送)より(C)NHK
吉原で生まれ育ち、江戸のメディア王に成り上がった蔦重の人生を描いた、大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合)の第30話が8月10日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。
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田沼意次へのヘイトが高まる中…意次にとっての新たな強敵が登場
本がブームになれば、それだけ多くの人の手に渡り、思いがけない人の手元にも届くのが世の常といえるでしょう。
京伝こと政演(古川雄大)の『江戸生艶気樺焼』は江戸で大ブームとなりましたが、白河松平越中守定信(井上祐貴)の手にも渡りました。彼はこの本の「仇」という文字がふと目に留まり、京伝が何かうがっているのか疑問を抱きつつも、賢丸時代に意次(渡辺謙)の策略により味わった挫折の記憶がふとよみがえりました。

定信(井上祐貴) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」30話(8月10日放送)より(C)NHK
苦汁を飲まされた人は何十年経ってもそのことを忘れられず、幼い頃に味わったつらい出来事はまるで昨日の出来事のように鮮明に覚えているものです。
定信が意次に左遷させられた過去を思い出していると、治済(生田斗真)から御公儀の政への参加を誘う文が届きました。この手紙を読み終えた後、「来たか…ついに」と口にしていましたが、この機が訪れるのを今か今かと待っていたのです。この機とは、意次への仇討ちの機会…。

定信(井上祐貴) 治済(生田斗真) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」30話(8月10日放送)より(C)NHK
治済は江戸の惨状を蝦夷や干拓など自分の手柄になる派手なことばかり追い求めている意次のせいにし、定信もこの考えに同意します。そして、定信は「忠良の士と組み田沼を追い落としてみせましょう!」と治済の前で誓いました。
定信は意次に対し、溜間詰の一員として誓いのとおり厳しい姿勢で臨んでいましたが、意次の立場はこの男の誕生でさらに悪くなるように思えてなりません。ちなみに、史実においても意次の失脚の大きな原因は定信でした。
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