有働由美子「永遠の32歳」があさイチ卒業と同時にやめたもの
ユミコが脱ぎたがるワケとは・・・
ユミコは昨年のバレンタイン近くのあさイチブログに、「性格が悪いから、結婚できない」といった恒例の「結婚できない自虐」をしていますが、上記のルールで考えると、自分を下から二番目ゾーンとみなしていることになります。日本の場合、30歳を超すと結婚率はゆるやかに下がり始め、35歳を超すとがくんと低くなることから考えると、自虐するユミコの脳内年齢は、30歳から35歳の間、だいたい32歳と言えるのではないでしょうか。
ユミコ、永遠の32歳説を採用すると、ユミコが脱ぎたがる、見せたがる理由がわかるのです。ユミコは30代のころから、紅白歌合戦の司会を務めていますが、毎年、露出の高い衣装が話題になることをご存知でしょうか。背中べろーん、場合によっては尻の割れ目が見えるんじゃねーかくらいの叶姉妹ちっくなドレスをお召しになり、話題を呼んでいます。
「あまちゃん」のロケ地にいった際は、「けなげなプロ根性を発揮して」ユミコが温泉に入り、背中ヌードを撮影しますが、まちがってお尻が映りこんでしまいます。しかし、ユミコは「どうしても見たい人は、メールください」と自分の裸に対しては、自虐をしません。
「ウドウロク」(新潮社)でも同様です。紅白の司会の際、着替えの時間がなく、舞台袖にカーテンでしきっただけのスペースで、Tバック一丁で着替えていたところ、谷村新司にカーテンを開けられ、ほぼ裸を見られてしまったと書いていましたが、ここでもノー自虐。「私ってイケてるでしょ」という自意識が透けて見えるのです。
ユミコが20代であれば、人より目立つためにビジネス自虐もありでしょう。でも、確固たる地位を築いた今、それは必要でしょうか?女子アナになって、ここまで仕事ができても、女性は結婚しないだけで笑われないといけないのでしょうか?
国民がユミコに期待すること
話は変わりますが、昨年「スッキリ」(日本テレビ系)に世界の歌姫、アリアナ・グランデが出演した時のこと。ハリセンボン・近藤春菜のお決まりのネタ「マイケル・ムーアじゃねえよ」にひっかけて、司会の加藤浩次が「マイケル・ムーアです」と紹介します。しかし、アリアナは「あなたは、マイケル・ムーアに似ていない」「あなたはとてもかわいい」と、春菜の自虐ネタをスルーします。
この発言は、アリアナのように確固たる地位を築いた人が言うからこそ、説得力があるのですが、公共放送の人気アナウンサーにして、管理職でもあるユミコも、そちら側の人だと思うのです。ユミコにいろいろ苦労があったことは想像できますが、「女性が女性を笑う」ことを管理職がやっていたら、下にいる女性はどうしたらいいのでしょうか。ユミコが自分を笑うことは、本人にその気がなくても、画面の向こうにいる独身女性を笑うことを肯定することにつながっていきかねません。
しかし、ユミコは「あさイチ」卒業直前に、変化を遂げます。作家・瀬戸内寂聴がゲスト出演した際、「女性に生まれてよかった」と発言するのです。かつて「婦人公論」(中央公論新社)で「結婚も出産もしていない自分は、人として足りない、負けている」と自虐していたユミコとは思えない発言です。また、「あさイチ」卒業はプライベートを充実させるための降板だという報道に対して、ユミコは「私は結婚していないけど、充実しています」とはっきり言ったのです。これは長年一方的にユミコ・ウォッチングを続けている私にとって、画期的な出来事でした。NHK風に言うと、あの時、歴史は動いたのです。
すると、4月3日にユミコがNHKを退局したと発表されました。いろいろな意味で肩の荷を下ろし、だから本心でない自虐をやめたのではないでしょうか。今後もユミコはテレビに出ると思いますが、自虐だけは今後もやめてほしい。
なぜなら、私を含めて多くの人が見たいのは「結婚して、出産した女性」でも「欠けている部分がない女性」でもなく、ユミコ、あなた自身なのですから。
仁科友里が斬る#オンナの生きざま
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