1月下旬は「年末」?「大寒」のころに食べておくといちばん寒い時季を無病息災で乗り切れる「あの肉」とは?

こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。

いちばん寒くなる時期、今年の大寒は2026年1月20日から2月3日。

1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。

 

【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】

1年でいちばん寒いけれど、春の予感もある。そんな展望のある時季

暦の名前に「寒」の字が使われている「小寒・大寒」の時季は、「寒の内」と呼ばれる1年でいちばん寒い時季。ただ、大寒の次の暦は「立春」と“春”が控えているため、寒い中にも太陽の力が少しずつ増す暖かさの予感がある時季です。

 

写真は熊本の、阿蘇山を望む再春館ヒルトップです。冬場は空気がものすごく澄むため空がとても青く見えます。冬の寒さの中で春を待つ芝生の黄色と澄んだ空気の空の青色のコントラストは自然が見せてくれる姿の中でも格段に美しく、目にするたびに心がシャキっとする思いです。この時季にこそ見られる熊本の景色です。

 

三寒四温という言葉がありますが、これは大寒の頃の気候のことと言われます。文字通り、寒い日が3日続いた後に暖かい日が4日続き、この寒暖を繰り返しながら季節が春に向かっていくという変化ですね。

 

大寒の時季は1月末から2月初旬です。この期間は「寒さの底」「季節の変化の時季」「冬土用の期間」と、暦に込められたメッセージがたくさんあります。この期間を越えればいよいよ春の訪れですから、冷えにしっかり備えながらおなかを整えましょう。

 

「寒さの底」「冬から春への変化の冬土用」と書かせていただきました。1年で最も寒い中に季節の変わり目が訪れるという、身体を支える五臓六腑にとってみるととても過酷な状況です。立冬から始まった“冬”の季節でお話しさせていただいたことの振り返りにはなりますが、親から受けついだ生命のパワーである「先天の精」を腎の機能に抱えて生まれ、脾の機能の働きによって飲食物から「後天の精」を作り続けて生きるパワーとします。腎は冷えやすい性質があり、脾は寒さが苦手です。大寒という時季の「1年でいちばん寒い」という現象は、「冬に働きたい腎の機能」「変化の時季に働きたい脾の機能」のどちらにとっても過酷な状況に感じられますので、おなかを温めながら整えるのが大事になります。

 

再春館ヒルトップまでの通勤道で見つけた風景をシェアする「通勤道シリーズ」、今は“芽吹き”が見られます。去年、「ちらちらと青いものが出てきたけど何だろう」と思いながら成長を横目に通勤していると、6月頃になって「麦でした!」と答え合わせができて嬉しかったことを覚えています。昨年の冬は大寒の時季(1月後半)に麦畑の芽吹きに気づきましたが、今年の冬は大雪の時季(12月中旬)に芽吹きが見られました。このあたりからも、1年ごとに気候の前後・季節のゆらぎは感じられるのだなと思ったりもしています。

ピーマンと山楂子(さんざし)ソースの豚スペアリブ煮込み

“腎・脾の機能にうれしい食材”でおススメなのは、豚肉、ピーマン、にんにく、山楂子(さんざし)、黒糖、はちみつ、サニーレタス、えび、いか、帆立、かぶ、里芋、豆乳、春菊、昆布などが挙がります。

 

これらの“腎・脾の機能にうれしい食材”を使ったおススメレシピの1つ目は「ピーマンと山楂子(さんざし)ソースの豚スペアリブ煮込み」です。主役の豚スペアリブには“骨”があることがポイントです。骨をいっしょに煮込むことで骨の成分を身体に摂り込み、腎を助けることに繋がります。そして、今回は「肉の消化を助ける山楂子(さんざし)」を手軽に使える方法を紹介したくてレシピにしてみました。

 

作り方は、豚スペアリブ(300g)に山楂子酒(大さじ1)を加えて5~10分置きます。熱した鍋に油を敷かずに豚肉を入れて、すべての面に焼き色をつけたら、豚肉がかぶるくらいの水(500ml)・ヘタを取って種も一緒にみじん切りにしたピーマン(小6個)・薄切りにしたにんにく(2片)・しょうゆ(大さじ2)・山楂子酒(大さじ2)・はちみつ(大さじ3)・黒砂糖(大さじ2)を加えて中火で30分ほど煮込みます。サニーレタス(数枚)を敷いたお皿に肉を出した後、鍋に残った煮汁を強火で3分ほど煮詰めて、肉の上にかけたら出来上がりです。ピーマンの旨味・苦みと、山楂子の甘み、にんにくの風味を味わいながら豚肉の元気を摂り込めるレシピです。

 

主役の豚肉は「身体に気・血・潤いを補って、腎の機能を助ける」働きが期待できます。気・血・潤いは人間の身体を構成する3つの要素で、この点で豚肉はパーフェクトな食材と言えますが、“骨”のついたスペアリブを使うことで腎(髄)への働きかけがグンと増します。

 

今回は、この主役の豚スペアリブを引き立てる脇役として“山楂子(さんざし)”を使ってみました。山楂子は「飲食物の消化を促して、血のめぐりを良くする」働きが期待できます。特に肉の消化を促すので、消化を担う脾の機能が寒さで十分に動けない状態を助けることを期待して一緒に使いました。また、血のめぐりを良くする働きもあるので、「血行不良が出やすい」「寒い時期」に「料理酒の代わり」と捉えると、一石三鳥くらい嬉しい食材と捉えても良いと思えるおススメの食材です。

 

山楂子は赤い果実で、国内産地は南信州高森町くらいに限られ、生果実はほぼ出回りません。乾燥加工品で入手することもできますが、今回は料理酒の代わりとして「山楂子酒(山楂子リキュール)」を入れる使い方をしてみました。

 

ピーマンは「身体の気のめぐりを良くして、消化機能を和やかにする」働きが、にんにくは「体表の毛穴を開いて、身体を温める」働きが期待できます。また、甘味の味付けは黒砂糖・はちみつを使っていますが、黒砂糖は「身体の血のめぐりを良くして、消化機能を和やかにする」働きが、はちみつは「身体に潤いを補って、乾燥と咳を鎮めて消化機能を促進する」働きが期待できます。豚肉と山楂子以外の食材においても、「寒い時季の脾の機能」の助けとなる働きを持つものを選んでいます。

 

山楂子そのものは酸味が強いので、乾燥山楂子を使うと酸味の調整が難しいかもしれませんが、「熟した山楂子の実をまるごと漬け込んでつくった」と書かれている山楂子リキュールを活用すると、料理から有益な成分を摂取することが出来るようになります。ちょっと贅沢な使い方ではありますが、二十四節気でめぐる1年の大晦日の暦ですので、この時季に試していただいても良いかと思っておススメレシピとさせていただきました。

 

かぶ&里芋ベースの春菊マリネ添え海鮮シチュー

2つ目も腎・脾の機能を補うレシピとして「かぶ&里芋ベースの春菊マリネ添え海鮮シチュー」を紹介します。1年を通して和食を中心としたおススメレシピを作ってきましたが、1年でいちばん寒い時季は「温かいシチュー」が身体にも精神にも嬉しく感じられると思い、「かぶ&里芋ベース」にこだわりを持っておススメレシピにしてみました。

作り方は、まず“具材”の下ごしらえをします。えびは殻をむいて背わたを取り、酒(大さじ2)・塩こしょう(少々)で下味をつける。いか(200g:ボイル刺身)は4~5㎝長さの短冊に切り、にんじん(1本)は小さめの乱切り、玉ねぎ(小1個)は皮をむいて半分にして1㎝幅に切ります。春菊(3本)は洗って細かくちぎり、オリーブオイル(少量)・藻塩(少量)を加えて絡め合せます。

 

次に“シチューのベース”を作ります。里芋(中1個)・かぶ(小3個)は皮をむいてすりおろし、ボウルで豆乳(200ml)・水(250ml)・粉末昆布(小さじ1)・白みそ(大さじ1)・バター(20g)・顆粒コンソメ(小さじ2)を加えて、よく混ぜ合わせます。

 

鍋にごま油を敷き、えび・いか・ベビー帆立(6個)を炒め、表面に焼き色がついたら取り出します。その鍋に、にんじん・玉ねぎを入れて中火で炒め、全体にごま油がなじんだら“シチューのベース”とえび・いか・ベビー帆立を入れて、蓋をして10分間蒸らし煮にします。器によそって、まわりに春菊のマリネを飾りつけたら出来上がりです。

 

ベースの味付けに使った昆布は「身体の詰まりを通して、身体の水分のめぐりを良くする」働きが期待できます。これは冬至のコラム「冬の折り返し時季は“海産物”がおススメ」でお伝えした「昆布の鹹味が、意図せず溜まってしまった身体の中の流通障害を取り除いてくれる」という効能をこちらのシチューにも取り入れました。春を迎える直前の大晦日の時季ですから、身体の中も大掃除をして不要なものは体外に排出しましょう。

 

具材として登場するえびは「身体に熱と気を補って、食欲を促して腎の機能を助ける」働きが、いかは「身体に血と水分を補って、食欲を促す」働きが、ベビー帆立は「身体に潤いを補って、腎の機能を助け、おなかのコンディションを整える」働きが期待できます。ベースの食材はすべて“脾”の機能に働きかけるメンバーでしたが、具材の海鮮食材も“脾”に働きかける効能を持ったものばかりです。「1年でいちばん寒い大寒の脾のコンディションを整えるため」に「ベース食材と具材のすべてが脾に働きかける」ように食材を選んで作ったレシピですので“薬膳シチュー”と表現しても良いかなとも思います。

 

お皿のまわりにマリネをして飾った春菊は「身体の水分のめぐりを良くして、食欲を促して、便通を改善する」働きが期待できます。海鮮シチューの周りに飾ったため、クリスマスリースの雰囲気をかもし出していますが、効能として「食欲を促す」という“脾”の機能をしっかりと意識した食材選びに基いています。大寒が1年の最後の暦で大晦日と捉えるならば、大寒の前半はクリスマスの頃…と捉えることも出来そうですね。

 

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