「頭おかしい」で会話を終わらせる夫。でも、「おかしいのは私じゃなかった」と支配に気づいた日、人生が動き出した
「頭おかしい」という言葉で会話をシャットアウトする夫
家の中でも外でも、常に自分の思い通りに支配しようとする夫。そんな夫に対し、Eさんはある日、勇気を出して自分の気持ちを伝えました。
「そういう言葉は傷つくから、言わないでほしい」
家族として、ごく当たり前の、真っ当なお願いです。ところが、夫から返ってきた言葉は、想像を絶するものでした。
「そんなことで傷つくなんて、お前、頭おかしいんじゃないか?」
普通であれば、「そんなに嫌だったんだね」「ごめん」と歩み寄るのが夫婦の会話でしょう。しかし、モラハラ夫は違います。妻の正当な訴えを、「お前の考え方が異常だ」とすり替え、その感じ方や価値観そのものを否定してしまうのです。家族に対して「頭おかしい」という言葉を平然と投げつける。これは明確な暴言であり、心への暴力です。モラハラ加害者は、この言葉を好んで使います。
こうしたやり取りを繰り返されるうちに、Eさんは次第に「私のほうがおかしいのかな」「私が気にしすぎなのかな」と、自分の感覚を疑うようになっていきました。これこそが、モラハラ加害者が狙っている状態です。相手を「異常者」扱いすることで、自分は一切悪くない立場に居座り、話し合いそのものを成立させなくする……それがこの言葉の本当の目的なのです。
そんな暗闇の中にいたEさんに、光が差したのは、あるママ友との会話がきっかけでした。
「Eさんの旦那さん、人前で平気であなたをバカにするよね。実は私の元夫も、まったく同じだったの。家でも暴言、すごかったんじゃない?」
そのママ友は、2年前にモラハラ夫と離婚していました。
「最初は一人になるのが不安だった。でも今は、夫の顔色に怯えなくていいし、自分に自信も戻ってきたよ」
その言葉を聞いた瞬間、Eさんの中で何かがはっきりと変わりました。
「おかしいのは、私じゃなかったんだ」
そう気づいたとき、長いあいだ絡め取られていた霧が、少しずつ晴れていったのです。Eさんはママ友に紹介してもらった相談機関を訪れ、自分の人生を取り戻すために、離婚を現実的に考え始めました。
ところが、夫がある日突然… 次ページ
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