これも更年期?「睡眠の質が落ちた」人の身体タイプ判定とオススメ呼吸法
もうすぐ50代を迎える私たちにとって、「更年期」という言葉はすでに現実のもの。ですが、更年期じたくそのものはさまざまです。すでに対策をしている人、ホルモン補充など治療をしている人、この不調の原因は何だろうと考え込んでいる人。
さて、そんな中でも、睡眠に不調が出ている人はいませんか? 「羊が一匹……二匹……」眠れない。身体は疲れているのに頭が冴えてる、肩こりが酷くて寝返りが苦痛、偏頭痛で目が覚めてしまうなど、なかなか寝つけず苦労している。そんな人、更年期症状を悪化させないためにも、グッスリ眠れる呼吸法で睡眠の質を改善させましょう。
身体タイプ(ドーシャ)は年齢によっても変化する
健康は睡眠の質に左右される、だから早く寝なきゃ。それは知っているけど、思えば思うほど堂々巡りで目が覚めてしまう。悩みや心配事が頭から離れず、神経が緊張したままで眠れない状態が続くと「……私、不眠症?」という気持ちにもなってしまいます。
インド伝承医学アーユルヴェーダーでは、身体と心の性質をドーシャと呼びます。主要なドーシャは3つありそれぞれの体質や性格、年齢、気候によって変化しながらバランスをとり心身の健康状態を保ち続けています。
それぞれのドーシャの特徴
・「ヴァータ」(風と空のエネルギー)
〔長所〕風のように軽快で行動力があり機敏、積極的、好奇心旺盛、自由な動きを好む。活発、理解力、記憶力。
〔短所〕活発だけど飽き性、気分にムラがある。冷え、乾燥、排泄力低下、消化力低下、不眠症、心配性。
・「ピッタ」(火と水のエネルギー)
〔長所〕炎のように精力的で行動にもキレがあり、チャレンジ精神旺盛。正義感が強い。集中力、知力。
〔短所〕リーダー気質だけど、短気で怒りっぽい。イライラ、下痢、汗かきで皮膚が弱い。頑張りすぎる。
・「カパ」(水と土のエネルギー)
〔長所〕水のように癒しと緩やかで寛大、辛抱強くすべてに安定している。動じることなく物事を最後までやり遂げる。マイペース。持久力。
〔短所〕平和的だけど、執念深く自信喪失で内向的。冷え、眠気、消化不良、鈍い、肥満。
それぞれの体質や性格によってドーシャが決まりますが、年齢に応じてもドーシャの働きが変化します。成熟した成人の30〜50歳頃は「ピッタ」の働きが優勢ですが「ヴァータ」の働きも増しています。50歳以上は「ヴァータ」が優勢になります。(ちなみに「カパ」は9歳〜18歳頃です)
「ヴァータ」の時期は女性ホルモンの減少に伴いホルモンバランスが崩れやすく、肌の乾燥や髪の量が減ったりと肉体的に女性らしさが失われやすくなり、喪失感や不安など、戸惑いを感じるようになり、心身のドーシャが乱れやすくなりがちです。
50歳からの「ヴァータ」の悪循環に陥らないために、眠れないなどの更年期症候群を感じたら、早めの心身のケアのために「ヴァータ」を積極的に整えるよう心がけましょう。
特に「ヴァータ」の乱れ(増えすぎる事)は、心身全体のバランスを最も崩しやすくなりますが、整えやすいのも特徴です。気がつかないうちに生活リズムが不規則になったり、いつのまにか冷え性が当たり前になっている場合は、以下の生活習慣を見直して見ましょう。
40代が「ヴァータ」を整えるためにすべき5つのこと
1・毎日の朝食の時間は同じにする。(なるべく8時まで)
2・こまめな休息をとる。疲れたら頑張らない。
3・白湯を飲む。冷たい飲み物を避ける。
4・寝る前の時間は静かに読書タイムにする。(スマホやPCを避ける)
5・なるべく夕飯は20時まで、21時すぎる食事は3日以上続けない。
軽さが特徴の「ヴァータ」を整えると更年期症状が軽く過ごせるようになります。長所が生かされるような軽快さ、好奇心、社交性など健康的で心豊かな時を過ごせるようになります。
「ヴァータ」を整えるおすすめ呼吸法は片鼻呼吸法です。「ヴァータ」は生活習慣の見直しや睡眠の大切さを重視しているので、眠れない時には腹式呼吸で片鼻呼吸法を行うと両鼻で呼吸した時にスッキリし、心が落ち着き良く眠れます。
風の性質があるので、片側の鼻を交互に呼吸し左から右、右から左へと空気が通り抜けてバランスをとります。自律神経を整える効果があるのでホルモン分泌の視床下部にも効果を届けることができ、更年期症状などを軽減することができます。
「片鼻呼吸法」で心身のバランスを整えます
鼻孔を塞ぎながら片鼻ずつバランス良く呼吸します。鼻の中心で、右手の人差し指と中指を折り曲げ、親指は右鼻孔、薬指は左鼻孔へあてます。左右交互にゆっくりとした呼吸で繰り返します。規則的にゆっくりと行います。
簡単ですから、夜、お風呂上りの寝る前のひと時や、朝起きてからなど、毎日の習慣にしてください。
①正座や、結跏趺坐などで、背筋をまっすぐにして座ります。
②まずあごを軽く引き、両鼻でゆっくりと呼吸する。吐く息を長くする。
③次に、右手の親指で右の鼻の穴を軽く押さえてふさぎ、左の鼻の穴から息を吸う。
④そのまま右手の親指で右鼻、薬指で左鼻の穴を押さえ、両鼻腔を閉じて息を止める。
⑤右の鼻腔を押さえた指を外して開き、息を吐ききる。
⑥そのまま右鼻腔から息を吸う。
⑦両鼻腔を閉じて息を止める。
⑧左鼻孔を開放し、息を吐ききる。
⑨以上を数回、心が整うまで繰り返します。
⑩両鼻の自然呼吸に戻して目を閉じ、しばらく呼吸に意識を向け続けます。
効果:自律神経のバランスを整える。安定、落ち着き。頭がスッキリし、思考がクリア、意志力が高まる。妊娠中毒症、自己免疫疾患。
40代から呼吸法を取り入れるのは、けして遅くはありません。少しずつ取り入れて見てくださいね。
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