「このままでは、子どもが壊れる」分単位の支配から逃げ切った母が選んだ決断。監視が消えた48時間、その先にあった未来
夫の過剰な「指導」で過呼吸を起こした息子に向かって「俺の顔に泥を塗る気か。救急車を呼んだことで、恥ずかしくて外も歩けない」と言い放った夫を見て、Fさんは心を決めました。
パートのシフトを変えたことを夫に黙って、なんとか脱出の機会を探す
この状況から抜け出すために、Fさんは必死でネット検索を重ねました。そしてある日、パートに出かけるふりをして家を出て、区役所の家庭相談窓口を訪れたのです。
24時間、夫の監視下に置かれ、スマホの履歴までチェックされる生活。誰にも相談できず、「自分の感覚がおかしいのではないか」と怯えていたFさんにとって、相談員からかけられた「それは立派なモラハラであり、虐待ですよ」という言葉は、大きな転機になりました。
「自分は間違っていなかった」そう思えたことで、Fさんは初めて自分を信じることができたのです。
相談員の助言を受け、Fさんは家を出るための準備を少しずつ始めました。夫が仕事に没頭している隣の部屋で、日記に日々の暴言を細かく書き留め、夫が「俺が稼いだ金だ」と怒鳴る声を密かに録音しました。在宅ワークで24時間一緒にいることは苦痛でしたが、同時にそれは「証拠が常に目の前にある」という状況でもありました。
Fさんは心の中で、自分と息子がこの家を出て、静かに笑い合える未来を具体的に思い描くようになっていました。夫は、自分が完璧に管理していると思っていた妻が、すでに脱出の準備を始めていることに、微塵も気づいていませんでした。
家を出る決心はしても、夫が在宅勤務である以上、隙をついて逃げることはできない……そう諦めかけていたとき、思いがけずチャンスが訪れます。
「来週、2泊3日で台湾の支店に行くことになった」
その一言を聞いた瞬間、Fさんは胸の高鳴りを必死に抑えました。分単位で監視され続けてきたFさんにとって、夫が出張に出る数日間は、まさに天から与えられた脱出の時間でした。
監視の目が消えた「48時間」
夫を見送ったあと、Fさんは最小限の身の回り品をボストンバッグに詰めました。
「お父さん、本当にいないの?帰ってこない?」
不安そうに周囲を見回す息子に、Fさんは力強く、そして優しく頷きました。
「大丈夫。もうお父さんのいない場所に行くからね。お母さんと二人で楽しく暮らそうね」
その言葉に、息子は大きく頷きました。
Fさんが向かった先は、シェルターでした。相談員と何度もやり取りを重ね、事前に紹介を受けていたのです。シェルターへ向かうタクシーの中で、Fさんは何度も後ろを振り返りました。24時間監視され続けてきた体には、「夫がどこかで見ているのではないか」という恐怖が染みついていたのです。
それでも、スマホの電源を切った瞬間、体から力が抜け、夫の支配から解放された感覚がありました。
シェルターでは入所時に携帯電話を預けます。夫は出張中、きっと時間があればLINEを送っていたはずです。「今何をしている」「夕食は何を食べた」。台湾にいてもなお、遠隔で支配を続けようとする夫。しかし既読もつかない状況に、苛立ちと不安を募らせていたことでしょう。
夫が帰国し、もぬけの殻となった部屋を目にしたときの狼狽ぶりを想像し、「いい気味だ」と思う自分と、報復を恐れる気持ちが交錯し、Fさんの心は不安でいっぱいでした。それでも、シェルターの職員からかけられた「どんなことがあっても、あなたの人生はあなたのもの。お子さんがこれ以上傷つかないために、今が踏ん張りどきです」という言葉を胸に、前へ進む覚悟を固めました。
その後、夫はFさんの実家に執拗に連絡をしてきたそうです。一時は実家に身を寄せることも考えましたが、「すぐに居場所が知られてしまう」と相談員に止められ、シェルターを選んだ判断は正しかったと感じました。夫はFさんの両親に対し、「自分は妻と子どものために精一杯やってきた」「出張中に逃げた妻は不倫をしているのではないか」と語っているそうです。あくまで自分に非はなく、勝手に家を出た妻が悪い……それが夫の認識でした。
しかしFさんの手元には、夫の暴言を記した日記と録音データがあります。離婚調停になったとしても、これらはFさんを守る重要な証拠になるでしょう。
モラハラにはさまざまな形がありますが、在宅ワークを隠れ蓑にし、金銭や時間を使って24時間支配し続ける行為は、家族を精神的に追い詰める「生死に関わる暴力」です。それは性格の不一致ではなく、明確な虐待であり、精神的な殺人にも等しい行為です。
Fさんは今、夫の機嫌を取り、言いなりになる生活を捨て、自分と息子の幸せを最優先に考え、新しい人生を歩み始めています。
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※本人が特定されないよう、名前などを変えてあります
※写真はイメージです
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