小池百合子、学歴疑惑の再燃に見る「オンナ同士のケンカのお作法」

社会人として生活していると、大なり小なり不正を目にすることはあるのではないでしょうか。

 

私が会社員をしていたころ、家族との食事代を平気で接待費で落としている上司がいましたし、ライターになってからはある売れっ子さんのプロフィールがウソであることを知ってしまったことがあります。

 

こういう場合、たいていは仲の良い先輩や同僚に話して胸のうちに収めたものですが、現代に生きる我々は、録音も動画も撮れるスマホを携帯し、常にSNSにログインして生きています。告発に対するハードルは低くなっていると言えるでしょう。

 

告発というのは、たいてい社会的立場が弱い人が強い人に対してするものです。ゆえにぐうの音もでないほどの大きな証拠をつきつける必要があるのですが、オンナがオンナを告発する際には、別の注意が必要だと思うのです。

 

ユリコ学歴詐称説が消えないのは、なぜか。

「文藝春秋」(文藝春秋社)が、小池百合子都知事(以下、ユリコ)のカイロ大学を首席で卒業という経歴が詐称であることを報じました。書き手はノンフィクション作家の石井妙子氏。石井氏は「新潮45」(新潮社)に寄稿した「小池百合子研究 父の業を背負って」で、「第24回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞しています。私も拝読しましたが、大変面白い作品でした。

 

その石井氏のもとに「小池さんは実際にはカイロ大学を卒業していない」という手紙が届きます。送り主は、カイロでのかつてのルームメイトで、70代の女性(以下、Aさん)です。石井氏はAさんに会うために早速カイロに飛んで、Aさんの手紙やメモ書きをもとに調査を開始します。

 

実はユリコの学歴詐称疑惑は、初めてではありません。そのたびにカイロ大学はユリコを卒業生であるとコメントし、ユリコも卒業証書を公開しています。しかし、つじつまが合わないことがいくつかあり、それが学歴詐称疑惑を呼び起こしていると思われます。

 

たとえば、カイロ大学のコメントと、ユリコの自著での発言(卒業年度)が食い違っています。日本で初めてカイロ大学を卒業した、大東文化大学の小笠原名誉教授とユリコの卒業証書が明らかに違う。小笠原名誉教授は、現地で相当アラビア語を勉強してからカイロ大学に入学したものの、卒業までに7年かかっているそうです。それなのに、まったくアラビア語にふれたことのないユリコが4年で、しかも首席で卒業できるかというと、確かに疑問は残ります。

 

Aさんいわく、エジプトはコネ社会で、実力者と懇意であれば、進学や就職などのことはたいていどうにかなるそうです。ユリコのお父さんが、ドクター・ハーテムと呼ばれる政府の高官と親しかったことから、カイロ大学の2年生に編入できたとAさんに語っているそうですし、卒業証書の偽造品も非常によく出回っているそうです。カイロ大学がユリコを卒業生と認めているので、学歴詐称ということはないでしょうが、何らかの力が働いた結果の入学と卒業である可能性はゼロではないと見ることもできます。

 

ユリコの学歴詐称より気になったのは、Aさん、石井氏の論点でした。オンナがオンナを糾弾するとき、一番避けたいのは「オンナって怖いねぇ」といった具合に、エンタメ化されることだと思うのですが、今回の告発は、そう解釈されるニュアンスを含んでいたように私は感じました。

 

「告発」にはこんなお作法があるようだ。ユリコに見る要点とは→

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