あなたの家と会社の「通勤経路」は大丈夫?ハザードマップを確認してみて

2018.07.10 LIFE

このたびの豪雨で被災された皆様には心からのお見舞いを申し上げます。

 

さて、とりわけSNSでリアルタイムに災害を目にしていた人々は、「果たして自分ならどうしただろう、逃げられただろうか」と改めて畏怖したのではないかと思います。

 

たとえば、6日夜19時30分ごろに近隣の河川の氾濫が始まったエリアの例で言うと、同20時までには特別警報が出ていましたが、あまりの大雨に避難を躊躇。22時ごろ避難勧告が出たものの、すでに家の前が冠水して出られず、1時に河川が決壊、2時に避難指示が出た時点では外に出るほうが危険な状態で、3時には床上浸水。夜が明ける前に1Fが浸水というスピードでした。

 

「もう外は洪水だし夜は危ない、明るくなってから」

「ひどい雨だからちょっと小降りになってから」

「うちには猫が・犬が・小さな子どもが・お年寄りがいるから」

 

おそらく私ならば、自宅に年老いた猫がいるため、20時に「猫をどうしよう…?一緒につれていっても大丈夫…?」と迷っているうちにあっという間に22時になり、もう猫を連れては避難できない状態になっていたはずです。

 

というわけで、改めて確認してみたポイントは以下の3点でした。東京都の例を中心にご紹介します。

 

1・避難所、勤務先への通勤ルートなど「経路」のハザードマップを確認する

猫を連れて逃げる際の装備は別に考えるとして(年老いた猫は濡れると肺炎を起こしそう……)、もし私が避難をためらったならば、その原因の一つが「避難先までの冠水状況がわからない」ことだったと思います。改めて「自分が通る可能性のあるルートそのもの」を確認してみました。たとえば東京都なら、各市区町村のハザードマップがまとめられています。市区町村のマップはいちばん詳しくリスクを指摘していると思います。

 

■洪水ハザードマップ

http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/jigyo/river/chusho_seibi/index/menu03.html

*ちなみにまで、私が住む渋谷区はリンク先が移動してエラーでした

全国の場合は「わがまちハザードマップ」を

https://disaportal.gsi.go.jp/

 

私の場合、自宅から避難所の小学校までは大丈夫そうなのですが、駅から自宅までのルートが怪しく、帰宅できない可能性があることがわかりました。

つい15年ほど前なら、タクシーの運転手さんから「信号待ちの間にみるみる水が上がって車が浸かった同僚の話」をよく聞いたものです。当時で言えば、赤坂見附や新宿大ガードなど。その後東京の防災は進みましたが、万が一洪水が起きれば10分ほどで水は膝まで上がってくるでしょう。「警報が出たときはいつもと違う道で帰宅しないと詰む可能性がある」と予期できました。

ただ、この市区町村別のマップの難点は「隣の区とのつながりがわからない」点です。私は渋谷区から新宿区、文京区と通勤するので、移動中のどこにどんなリスクがあるのかがわかりにくい……そこで。

 

国土交通省ハザードマップポータルサイト

https://disaportal.gsi.go.jp/

もっと引いたマップで見てみました。国土交通省サイトは「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」に分かれていて、「わがまち」が上記の市区町村マップへのリンク集です。

広域のリスクを全体的に見たい場合、役立つのは「重ねる」のほう。浸水被害のほか、「土砂災害」や「津波」などのリスクも重ねて見られるほか、条件の違う浸水リスクに切り替えて見ることもできます。なお、洪水は「計画規模」のほうが検討されている河川の数が多いので、「想定最大規模」より「計画規模」のほうを見てみるのがおすすめです。

(「重ねるハザードマップ」の説明 → https://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/pamphlet/kouhou.pdf)

下図は中央の十字部分が文京区江戸川橋にある主婦の友社ですが、神田川沿いだけあって完全にダメですね。これは逃げられません。仮に電車が止まった場合、ここからJR代々木駅まで歩いて帰るリスクを考えないとなりませんが、

 

いちど会社周囲から離れることさえできれば、赤い点から赤い点まで、あとはどのルートでも歩いて帰れそうだということがわかりました。

「重ねるハザードマップ」は帰宅支援マップとしてもほぼ完璧な表示内容。帰宅途中のルートで起きるかもしれない土砂災害や、地震の場合にがけ崩れが起きるかもしれない地点など、地図上で検討できるほぼすべてのリスクを俯瞰することができます。いろいろなパターンを見てみてください。

 

2・「この先の雨」の情報を集めやすくする

あまりに目の前の雨が強いと「もしかしたらしばらく待てば小降りになるかも。そしたら避難しよう」ときっと私は思います。そこで味方になりそうなのが気象庁の予報サイト。15時間後までの降雨を予想してくれます。

■今後の雨(降水短時間予報)

https://www.jma.go.jp/jp/kaikotan/index.html

上部には「危険度分布」の切り替えタブもあり、洪水のほか、土砂災害、浸水害のリスクを確認できます。

■洪水警報の危険度分布

https://www.jma.go.jp/jp/suigaimesh/flood.html

 

天気の予想サイトはいろいろありますが、このサイトは警報の発令状況も一括して確認できるのがメリットです。まずはここをチェックすることにして、スマホにブックマークも入れました。

 

3・この機会に非常持出し袋を作り直す

地震の場合は、倒壊リスクの少ない家屋ならば、火災さえ起きなければあとから家の中のものを持ち出せる可能性があります。いったん避難して、安全が確保できたら持ち出し荷物をとりに帰ってくればいいという油断がありました。でも、水害の場合は「家の中が全部やられる」ので、警報の時点で「家をまるごと捨てる覚悟をしないとならない」点を痛感しました。

 

非常持ち出し品の、気象庁の推奨は以下の通りです。

■台風や集中豪雨から身を守るために /自分で行う災害への備え

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/ame_chuui/ame_chuui_p10.html

以下は非常持ち出し品の一例です。
・リュックサック
・飲料水、乾パンやクラッカーなど、レトルト食品、缶詰、粉ミルク、哺乳ビンなど
・救急医薬品、常備薬、マスク、紙おむつ、生理用品
・現金(小銭も)、預金通帳など、印鑑、健康保険証など、身分証明書
・下着、タオル、寝袋、雨具、軍手、靴
・ナイフ、缶切、鍋や水筒、懐中電灯、ラジオ、電池、ロープ、マッチやライター、使い捨てのカイロ、ティッシュなど、筆記用具、ごみ袋
・防災頭巾やヘルメット、予備の眼鏡など、地図

水害の場合、ポイントは「着替え」なのではと思います。私が完全に見落としていたのは、下着、タオル、着替え、数日分の食料など「水のリスク」の分でした。

 

復旧が1日でも早く進むことを祈り、また私にできる支援は粛々とさせていただきつつ、また別に私は私の準備をしようと思います。

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