認知症になってから「生前整理」では遅すぎる。「親の片付け」を先延ばしにすると待ち受ける困った未来とは
本人・家族の不安が軽減する「生前整理」という備え
数日後、夫とお義母さん宅へ。「ごめん、ごめん。大掃除のときに片付けちゃって」と夫が謝りながら毛糸を見せると、「あったのね! よかった、よかった」とお義母さんは毛糸の束を抱え、うれしそうにしています。
そこで夫は意を決し、「お母さん、あのさ、これ『セーター』じゃなくて、『毛糸』……だよ」と切り出すと、お義母さんは「(当たり前でしょ、という表情で)そうよ。この毛糸でお父さんのセーターを編んだの。今度は皆に編もうと思ってたのに、見当たらないから心配した。あぁ、よかった」
「お義母さん、ちゃんと毛糸だと分かってた!」と安堵する夫と私。単に「お父さんのセーターを編んでいた毛糸」を「お父さんのセーター」と省略しただけだったのか、その瞬間、毛糸をセーターだと思い込み探していたのか、本当のところは謎です。
ただ、そもそも私たちが不安を抱えたのは、なぜか? 今となっては仕方のないことですが、我が家の場合「生前整理(物の処分)」を始めたタイミングは、お義母さんに認知症の症状が見え始めて以降。お互いに認識のズレがあるのはもちろん、「○○は捨てたのか? 自分が捨ててと言ったのか? 実はこの部屋のどこかにあるのか?」など、いまだにお義母さんには不安や疑問が多くあるのかもしれません。
元気なうちに「生前整理」を進めておくことは、本人だけでなく身近な家族にとっても、心と体の負担軽減につながる気がします。物の処分など具体的に動かなくても、コミュニケーションがとれるうちに家族で話し合い、結果を紙やデータに残しておくだけでもいい。改めて「生前整理の大切さ」を痛感した年末年始の出来事でした。
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この記事は
ライター
小林真由美
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