いい年して「チョー暑い」とか言わないの!普段から気をつけたいNG日本語

暑中お見舞い申し上げます。連日更新される高温記録に驚いていますが、ニュースなどの街角インタビューで「超暑い」という言葉が多用されているのを耳にします。この「超」という接頭語、実は40代の教養ある女性としては避けた方が良い言葉なのです。

 

とはいえ、超+名詞はOK

超というのは「スーパー」という意味ですが、接頭語として、元々は名詞に付けて使う言葉でした。「程度が極端なものである」ということです。

  • 超満員……極度に満員である状態
  • 超高層ビル……極端に高いビル

辞書には、この名詞の例とは切り分けて、動詞、形容詞、形容動詞にも付けられるとあるものもありますが、この辺りの感覚が「俗的」であるため、立場のある人間が使わない方が良いとされています。

  1. 「ここのビュッフェ、元取れるかな?」「大丈夫。私、超食べるから」
  2. 「今、時間ある?」「ないない。超忙しい」
  3. 「あの人、気性激しい?」「全然。超おだやか」

みなさん、結構、普段から使う言葉なのではありませんか。私も気心が知れた仲間内では「超」使います。

 

NHKでは「超」をどう捉えている?

NHK放送文化研究所が2018年7月1日に公開した「『超』が付くことば」では、詳しい解説があります。
これによりますと、

「頭に『超』が付くことばをよく耳にしますが、放送で使ってもいいものでしょうか?」
という放送現場からの質問に対し、次のように答えています。

『超満員」など名詞に付くものは、従来の使い方であるものが多く、放送で使っても問題はありません。一方、「超暑い」「超快適」「超食べる」など、「形容詞」、「形容動詞(の語幹)」「動詞」の頭に「超」が付くことばは、俗語的な使われ方です。放送のことばとしては、抑制的に使う方がよいでしょう。

出典
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20180701_6.html

 

NHKの審議から心構えを学ぶ

放送では抑制的に使う方が良いという結論になっていますが、ここで、良い気づきがありますよね。この気づきは、この質疑応答に限らず、とても貴重なデータです。

つまり、放送の基準で正しい日本語を使用する心構えを、普段の会話で気をつけると、グッと言葉の水準が上がるということです。放送で使わないようにしようという問題ではなく、日常的に使わないことで、言葉のレベルが上がります。

 

例えば、先ほどの会話の答えを、「超」という言葉を使わずに返すというマナーのトレーニングだと思ってください。

  1. 「ここのビュッフェ、元取れるかな?」「大丈夫。私、〇〇〇食べるから△△△。」
  2. 「今、時間ある?」「ないない。〇〇〇忙しい△△△。」
  3. 「あの人、気性激しい?」「全然。〇〇〇おだやか△△△。」

 

色々な工夫が考えられます。

 

  • 「ここのビュッフェ、元取れるかな?」
  • 「大丈夫。私、かなり食べるから安心してね。」
  • 「大丈夫。私、思ったより食べるから元は取れそうよ。」

 

「超」が入っていた部分を他の言い方に替えよう、工夫しようと頭はフル回転しますし、そこの表現を直しただけで、言葉をもう少し続けてバランスを取ろうと努力するはめになります。

そうです。頭の回転が速い方はもうお気づきですよね?この「工夫」や「努力」を、いっさい省略して言った言葉が「超」なのです。他に「マジ」「めっちゃ」なども同じです。

つまり、どのような言葉が本当は相応しいのか、どのように文全体のバランスを取るのかなどについて考えることをあきらめて、安易にくっつけたのが「超」なのです。

ですから、逆に、「超」を使わないことで、本来伝えたい気持ちや思いにできるだけ寄り添う言葉を丁寧に選ぶようになります。それこそが、教養ある女性へのトレーニングの一環ともなるのです。

 

先ほど参考に挙げたNHKのサイトでも次のような「超」の例があります。

  • 「超+形容詞」・・・「超おいしい」「超寒い」「超かっこいい」など
  • 「超+形容動詞(の語幹)」・・・「超優秀」「超快適」「超安全」「超ハンサム」など
  • 「超+動詞」・・・「超食べる」「超むかつく」「超怒る」「超うける」など

 

超を避けるトレーニングで言葉力アップ!

文法的には誤りではありませんが、「俗っぽい」と言われるこれらの「超」をあえて避けることで、むしろ本当の自分の気持ちを表現するのにはどのような言葉を探すべきかという思考になります。

そして、そのように言葉を丁寧に扱う人は、他のものも丁寧に取り扱えるようになります。

そのためには、日常的に、このように安易な言葉を使うことをできるだけ少なくすることが大切です。

日々のこの小さな努力の差が、結果的に、社会的地位があるように感じる言葉遣いなのか、どこまでも俗っぽい印象をぬぐえないのかの大きな差になるような気がします。

確かに言葉はTPOによって使い分けることが大切ですが、普段のトレーニングなくして、言葉をパッと選択することはなかなか難しいもの。取り急ぎ「超」については、抑制的に使うほうがよいでしょう。

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