今日から「清明」。今年も猛暑になるみたい、中医学的にはもう夏に向けて身体を整えていくべしなのですが、いま食べるべき「意外な野菜」の名前

2026年の清明(せいめい)は4月5日から19日です。

清明とは、万物が清らかでいきいきとした様子を表す「清浄名潔(せいじょうめいけつ)」を訳した言葉です。同時に「晩春」の季語でもあります。

澄んだ空気のもと、若葉・草木が芽生え、ツバメや蝶が舞うころ。あらゆる命が生き生きと舞う季節です。

 

すいかといえば夏のイメージでしょうか? ここ熊本では「春すいか」が旬を迎えています

すいかは「夏休みのおやつ」というイメージですが、熊本ではすいかの旬はこの時季で、「春すいか」と呼ばれています。

 

熊本市の北の玄関口、植木(うえき)には 「すいかの里 植木」という道の駅があります。毎年、春すいかの出荷が始まると、このすいかの里を映した「春すいかが始まりました」というローカルニュースが流れます。実は春すいかの旬の期間はGW明けには終盤を迎えると言われています。春すいかの時季が過ぎると夏の支度が始まります。

 

なぜ春に活躍する肝のケアが大切なの?それは「気」と「血」のバランスを担う機能を持つから

春に活躍する肝の機能は、「全身の気の通りを調節する」働きを担っているので、身体の気のめぐりに働きかけます。また、「血を貯めて調節する」働きを担っているので、身体の血のバランス調節を行います。こんな大切な働きを行っている肝の機能ですが、「伸びやかを好む」という性質もあります。春になって気温が上昇すると、木々が芽吹くような「伸びやか」な季節になります。肝の機能も伸びやかに動きたくなる時季です。

 

一方、ストレスを一手に引き受けるのも肝の機能です。イライラが溜まって肝の「気」が滞ってしまうと、肝にこもった熱が火に変わり、飛び火という形で心の機能も巻き込んでしまうことがあります。

 

また、肝と心の機能はともに生命の根幹とも言える「血」を担っています。肝の機能は、心の機能と協働するパートナーでもあり、心への影響力がとても大きい存在でもあるので、春には肝の機能に気遣うことがとても大切になります。

 

清明のころは「春の実りに向かうもの」「これから伸びるもの」が交差する

話は変わりますが、“小麦”の収穫はいつ頃行われるかご存じでしょうか? 熊本で春小麦の収穫が行われるのは5月末~6月ごろです。再春館製薬所への私の通勤道では麦畑に麦の穂がそろそろつき始めます。これからだんだんと黄色くなりながら、5月末~6月の収穫を迎えるのですが、温かい空気が貯まる場所は5月のGW明けには黄金色の穂を揺らします。一方で、風が抜ける場所の小麦はしばらく緑色のままだったりもします。通勤道の途中のほぼ同じ地区でも、環境によって植物の生育はこれだけ違うことに驚きと学びをもらっています。

この麦畑も、年明け頃に土づくりが行われた後、1月の中旬にぴょこっと芽が出始めたころには「これは何の植物だろうか?よくわからないな…」と思っていたのですが、4月になってやっと答え合わせをすることができました。

もうひとつ、こちらは通勤道の別の畑で“じゃがいも”です。真っ黒な土に何かの芽が元気に伸びてきていると思っていましたが、このくらいまで育つと答え合わせができます。じゃがいもでした。

 

穂を出して梅雨前には収穫を迎える麦、そして今から伸びるじゃがいも。清明は若芽の頃ですが、若芽の中には「成育を終えて実りに向かうための若芽」の植物と、「これからすくすく育つ若芽」の植物が同居しているように感じます。

 

肝を助ける2つのレシピ。1つめ、春を告げる「せり」が秘めるこれだけのパワー

“肝の機能にうれしい食材”でおススメなのは、せり、しいたけ、鶏レバーなどが挙がります。これらの“肝の機能にうれしい食材”を使ったおススメレシピの1つ目は「せり鍋」です。

 

おかげさまで再春館製薬所は東京、名古屋、大阪、福岡に加えて、仙台三越1Fにもリアル店舗を開設させていただいております。「仙台といえばせり鍋が美味しい」という話を仙台店舗のスタッフとした直後だったので“せり”への意識が増していたのだと思いますが、ここ熊本のスーパーで“せり”を見つけたので鍋にしてみました。

 

作り方は、せり(1束:約150g)は洗って5cm程の長さに切ります。鶏もも肉(約200g)は一口大に切り、ごぼう(1/2本)はささがきにします。木綿豆腐(1/2丁)は食べやすい大きさに切ります。ねぎ(1/2本)は斜め切り、しいたけ(4個)は石づきを外して半分に切ります。

 

鍋に水(600ml)・鶏ガラ粉末(大さじ1)・酒(1/4カップ)・みりん(1/4カップ)・しょうゆ(大さじ2)を入れて火にかけます。沸騰したら鶏もも肉を入れて、煮立ったらアクを取り除きます。鶏もも肉に熱が入ったら木綿豆腐・ねぎ・しいたけを加えて軽く煮込みます。仕上げにせりを入れたら出来上がりです。

 

せりは「身体の水分のめぐりを良くして、肝の機能を助け、炎症を鎮める」働きが、鶏肉は「身体に精と気を補う」働きが、しいたけは「身体に気を補って、肝の機能を助け、便通を良くする」働きが期待できます。

 

せり・しいたけは肝の機能を助ける働きがあり、鶏肉の「精を補う」働きを中国の古代思想である陰陽論から考えると、“精”は陰・陽に分かれる前の“源”と捉えることが出来ます。鶏肉が補う“精”は腎はもちろん肝にも影響を及ぼす“源”ですので、とても身体に嬉しい食材と紐解くことが出来ます。なので、せり・鶏肉・しいたけの組合せはこの時季におススメの“肝に優しい”食材トリオと言えます。

 

一緒に合わせた豆腐は「身体の炎症を鎮める」働きが、ごぼうは「身体の炎症を鎮めて、便通を良くする」働きが、ねぎには「体表の毛穴を開いて、身体の気と水分のめぐりを良くして、炎症を鎮める」働きが期待できます。

 

豆腐・ごぼう・ねぎに共通する効能は「炎症を鎮める」働きです。清明は「新生活・新環境でのストレスが溜まりやすい時季」ということが食材の持つ効能からも読み取ることが出来ます。「肝の機能を助けながら、ストレスを溜めずに受け流す」ことが出来る食事の一つになれば」という想いでおススメレシピにして紹介させていただきました。

 

不調の部位をそのまま食べることで克服する。「鶏レバーのカシス生姜煮」

2つ目も肝の機能を補うレシピとして「鶏レバーの生姜煮」を紹介します。中医学には以臓補臓(いぞうほぞう)という考え方があり、「不調の部分と同じ臓器を食べることによってその部位の働きを助ける」と捉えています。お肉コーナーに並んでいる“鶏レバー”には春に活躍する肝の機能への働きかけが期待できるので、生姜と一緒に煮込むレシピにしてみました。

 

作り方は、鶏レバー(200g)は3cm大に切ります。血の塊があるようであれば取り除いて、藻塩(小さじ1)・りんご酢(大さじ2)を合せてよく揉み込んで15分ほど放置し、流水で洗い流して水気を拭きとります。皮をむいて細切りにした生姜(1片)・しょうゆ(大さじ1.5)・みりん(大さじ1)・カシスリキュール(大さじ2)・はちみつ(大さじ1)・水(大さじ3)をボウルで合せます。

 

ごま油をひいたフライパンで鶏レバーを色が変わるまで炒め、ボウルに合せた細切り生姜+調味料を加えてフタをして中火で5分ほど煮た後、フタを取って強火で煮詰めます。器に盛りつけたレタスの上に鶏レバーを乗せ、上から白ごま(小さじ1)をかけたら出来上がりです

 

先ほど紹介したように、中医学には以臓補臓(いぞうほぞう)という考え方があり、「鶏レバーを食べることで肝の機能をケアする」と捉えています。鶏レバーは「身体に血を補って、肝と腎の機能を助けて目の疲れを改善する」働きが期待できます。以臓補臓の「同じ部位を食べれば…」とわかりやすい表現で伝えられているのは、鶏レバーの「身体に血を補う働き」のお陰だったのですね。

 

また、一緒に使ったカシスは「身体に血と水分を補って、肝と腎の機能を助けて、目の疲れを改善する」働きが期待できます。普段のスーパーでカシス果実を入手するのは難しいですが、「カシスリキュール」をスーパーのリキュール棚で目にしましたので、「料理酒の代わり」+「カシスの効能を摂り入れる」の目的で使ってみました。

 

その結果、カシスリキュールの甘みと生姜の辛みのバランスが良く、臭みを感じない鶏レバーとシャキシャキ食感の生姜を味わうことが出来るおススメのレシピにすることができました。

 

暦の上では季節がそろそろ移ります。春の不調は春のうちに解消しておきましょうね。

 

 

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