48歳から8年の「二拠点生活」で見えてきた「自然と共生する整う暮らし」。老後を笑顔で元気に暮らすための完全移住という選択
日々が飛ぶように過ぎていくなか、自分のあり方に漠然と迷う40代50代。まるでトンネルのなかにいるような五里霧中ですが、この時期を人生折り返しの好機と捉え、動き出す人もいます。シリーズ「50歳から考えるこれからの仕事と暮らし」ではそんなチャレンジャーたちの体験談をご紹介します。
<<この記事の前編:「バブルを経験した56歳女性が「田舎暮らしの方が合うのかも」と実感するようになった理由。東京と岡山の二拠点生活で気づいたこと」
◾️平田夢乃さん(仮名)
千葉県と岡山県で二拠点居住を始めた56歳。23歳の長男は昨年結婚し、58歳の夫、14歳の犬と一緒に暮らす。夢乃さんが48歳のときに、岡山県・牛窓町の古民家を夫が相続。たびたび訪れるようになるが、コロナ禍や夫の病気で足が遠のいてた時期も。
【50歳から考える これからの仕事と暮らし #7 後編】
年齢を重ねても笑顔でいられる理由とは
夫の病状が落ち着いた2024年頃からは、春と秋の年に2回、1カ月ほど岡山県・牛窓町の家で暮らすようになりました。最初は「荷物の準備や移動が大変」と感じていた夢乃さんですが、滞在を重ねるうちに地元の人々との関係が少しずつ深まり、暮らしぶりが見えてくるにつれ、次第に心の中に変化が生まれていました。
東京のマンションでは、近所にどんな人が住んでいるのかわからないような生活ですが、田舎では、小学生から90代まで世代を超えて知り合いができました。また、車で10〜30分の範囲に一緒にバーベキューを楽しむ友人グループもできたといいます。高齢のご近所さんからは、 慣れない庭仕事や、地元食材の料理の仕方を教えてもらい、いろいろな刺激を受けています。
「驚くのは、80代・90代になっても、朝早くから畑に出たり、採ってきた山菜や魚を分け合ったり、日焼けした笑顔で知人同士、楽しく語らったりする姿が当たり前にあること。本当に皆さん、活動的でお元気なんです」
一方、東京のマンションでは、70代でも足腰が弱り、認知症になっている姿が目につくといいます。
「便利さの裏で、意識して動かないと一気に弱ってしまう姿を見て、自分はどんな環境で歳を重ねたいのか、自然と考えるようになりました」と夢乃さんは話します。
自然と人に寄り添う暮らしが、心身を整えてくれた
そんななかでとくに心に残ったのが、牛窓町でお友達になった由子さんの存在でした。彼女は旦那さんの退職でUターンしたご夫婦の奥様。年齢は70歳、自分の育てた野菜でおいしい料理を作り、地元に貢献する仕事をしています。いつも自然体で笑顔で、「都会にはもうやりたいことはない」と話す由子さん。その姿が、何年後かの自分の姿と重なって見えたのです。
田舎で過ごす時間は、夢乃さんに独身時代に旅した、ネパールで出会った家族を思い出させました。
「電気もなく、言葉も通じないのに、笑顔と手料理で全力でもてなしてくれた、あのやさしい家族。お父さん手作りの薬草酒もおいしかったなぁ」
あのとき感じた、心が洗われるようなピュアさが、ここにも確かにあると感じました。
東京の友人には「田舎に住んでも、やることなくて、飽きちゃうんじゃない?」と言われますが、夢乃さんにとっては土いじりも草むしりも楽しく、やりたいことは尽きません。少し前までは「二拠点生活はいいけれど、完全移住はちょっと……」と思っていた夢乃さん。しかし気づけば「都会よりも田舎のほうが、これから先の自分には合っているかも。完全移住したいな」と感じるようになっていました。
将来の移住に向けて、進めていること
完全移住へのハードルは、「仕事」と「家のリフォーム」です。
「夫婦ともに東京メインの仕事をしているため、現地でも続けられるよう、今後は働き方を整えていくつもりです。また、地元の役に立つことをしたくて、自分たちができることを模索している最中です」とおだやかな笑顔で話してくれました。
木造住宅は少しずつ手直しをしているところ。すぐに完全移住というわけにはいきませんが、二拠点生活を楽しみながら、暮らしの軸をゆるやかにシフトしていく予定です。
都会では得られなかった自然と共生する暮らしや、近所の人々との温かなつながりが、これからの夢乃さんの人生を豊かに彩ってくれそうです。
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ワーケーションを始めた。歯の矯正を始めた。離婚を決意した……などなど、小さなことから大きなことまで歓迎です。人生の後半戦で「自分を大切にする」、「自分のために人生を生きる」そう決意したストーリーが、他の人を励ますことにつながります!
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■編集部より■
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