しみったれ倹約家も豪快ギャンブラーもみんなケチ!【40代・最後の婚活#5】
街も人も1年で最も華やぐこの季節。クリスマスソングがあちこちから聞こえてくると、ウキウキモード全開に! そんな中、何度目か忘れたシングルベルのウミは、なんとなく物憂い気分だった。
思いだすのは幸せだった1年前のクリスマス
「プレゼントはついに指輪…!?」
「入籍日を決めて会社に報告しないと」
お花畑もいいところ、幸せの絶頂をスキップしていた私。まさかスーパーマリオのように穴に落ちてTHE END、旗ゲットならずとは…トホホ。
なにかと浮き足立つこの時季、油断は禁物なのかもしれない。
「クリスマス」に初めてわかった、あのこととは…
私はなぜか12月からお付き合いを始めることが多い。2人で迎える最初のイベントが「クリスマス」だ。敬虔なクリスチャンでもないのに、クリスマスで浮かれるってどうよ!? と、男性方は思われるかもしれない。
いつもよりちょっとだけ豪華な料理を作ったり。ケーキをまるごとホールで食べたり。キラキラまばゆいイルミネーションを眺めたり――なんだかんだ、非日常な「ハレ」の日を楽しんでいたっけ。
誕生日のような特別な日じゃないけれども、なぜか魔法にかかってしまうクリスマス。まさかデートでお相手の経済観念を知るとは…夢から醒めて唖然とするのだった。
ケチがイヤなのはお金の問題じゃないんです!
- 初デートで一銭もださない(交通費だけを持参)
――ホストと勘違いしてない!? 途中で帰らなかった私に拍手を送りたいわ。「次では僕が出すよ」という言葉を信じて待っていたけれども…。次はなくて結局バイバイ。
- 誘っておいて、1円単位でキッチリ割り勘(そのくせ「小銭ない」と少なく出す)
――大きいお札しかなかった私が全額支払うハメに! 「ヒマならごはんいこうよ」というお誘いに、働く独女は安易に乗ってはいけない(おサイフをあてにされている可能性大!)。
- 手みやげを渡しても、うんともすんとも言わず&「ありがとう」もない“当たり前”の態度
――ショックを通り越して、この人「ない」な…。「ありがとう」が言えない方とのお付き合いは、まず考えられません。
- プレゼントはディスカウントショップで買ったものばっかり!
――自分に「30%OFF」のシール貼られているみたい…コイツに金かけるのはもったいない、と思われているようで心痛むわ。
なんだかなぁと悲しくなるクリスマスの思い出。ケチなお相手がいずれも同年代なのも、萎えてしまう。
クリスマスの魔法にかかって浮かれ、ぽーっとした状態で相手を見てはかなり危険。この時季、やっぱり油断は禁物なのかもしれない。
豪快パチプロさんはギャンブラーの仮面をかぶったケチだった!
第3話にちょっと登場したパチプロさん。じつは、数年同居した人だったりする。パチプロは趣味(の延長)で、定職持ち。一応断っておくが、生活費はきちんと折半していた。
言うまでもなく、勝ったとき彼はとても気前がいい。調子よく高級ビールを買ってきたり、後輩にご馳走したり。喜びを分かち合おうとする彼の心遣いがとても嬉しく好きだった。
一方、負けたときはびっくりするほどケチに。「一日につぎ込んだ金額」? 「今までつぎ込んだ金額」? 私には計算方法が理解できないが、いずれにせよ、負け続きだった彼の一言で、私は別れを決心したのである。
胃潰瘍とノロウイルスのWパンチで寝込んでいた私。病気で動けないうえに治療費でお金もない。そんな中、「負けてお金ないから外食できないし、ごはん作るしかないよ」――彼が何気なく言い放った言葉。
ええ、しんどくても買い物行って料理してやりましたとも。
回復と同時にサヨナラしましたとも。
結局、ギャンブラーも豪快なのは最初だけ。「釣った魚に餌を与えない」普段はケチ男だったのだ。ましてや、恋人が病気で苦しんでいるのに「自分ファースト」だなんて、信じられない!
言わせて! これだからケチケチさんとは結婚できないの
お相手の「ケチ」な部分が見えた瞬間、私は「結婚できない」と決断してきた。猶予? そんなものはございません。相手に言ったところで、価値観はそう簡単に変わるものじゃないから。「倹約家」と「ケチ」の境を見極めるのは確かに難しい。でも、相手の行動から窺えるものが「心地いい」か「気分悪い」か、それで判断してもいいんじゃないかな。
だから、ボヤかせてほしい。
私は「ケチ」な人が苦手だ。お金に対して「ケチ」なのがイヤなのではない。見え隠れする「自分ファースト」なえげつなさが受け入れられないから、結婚しなかったのだ。結婚生活は2人で送るもの。独りよがりではなく、互いに思いやる気持ちこそ大切なのでは。
「『誰得』て?『オレ得』でしょ」と考えている方、バレていますよ。不思議と女性は見抜けるもの。なぜなら、女性は「誰得」じゃなくて、「一緒に」「2人で」心地いいと感じられるものを待っているのだから。
【毎週火曜17時に連載・つづく】
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