「ながら勉強」のほうがはかどるという話も聞くが、真実はどっち?マルチタスクをこなせる人のほうが賢い?
数学は成績と宿題量が関連するが、その他は微妙? あえて「手を抜かせる」のもアリかもしれない
学校の先生は、生徒のためを思って宿題を出しているわけですが、すべての宿題が素晴らしい宿題なのかというと、実際には「そうでもない」ことが多々あります。ただ子どもの時間を奪うだけという、やっても役に立たない宿題というものはあります。しかも、調べてみるとそういう宿題はけっこう多いようなのです。
米ネバダ大学のオズカン・エレンは、1032の学校でのべ2万54人の中学生を対象に、1週間分の宿題と、科目ごとの成績との関連性を調べてみました。
その結果、宿題が一番多いのは数学でしたが、数学の宿題は、数学のテストの成績に大きな影響を及ぼしていました。つまり、数学の宿題は大いに意味がある、ということです。
ところが、科学、英語、歴史については宿題の量と科目の成績にはまったく何の関連性も見られませんでした。一生懸命に宿題に取り組んでも、残念ながら成績が伸びるという保証がまったくないということです。
この結果をもとに、エレンは数学以外の宿題は、子どもの自由時間を奪い、負担を与えるだけではないか、と宿題そのものに疑問を呈しています。大変なだけで、やっても意味がない宿題というものはあります。したがって、そういう宿題まで熱心にやらせなくともよいのではないでしょうか。
宿題は宿題として、とりあえずは子どもにやらせても、ほどほどというか、適当に手を抜いてもいいよ、ということくらいは認めてあげてもよい気がします。もちろん、数学だけは別ですよ。数学の宿題はやればやるほど成績も伸びますから。
いつでも厳しくしていたら、子どももイヤになってしまいます。たまには親のほうから、「今日の宿題はちょっとだけサボっちゃおう」とか「ネットで答えを探しちゃおう」と悪いことを提案してみてください。子どもは、こういう悪さが大好きですし、“共犯意識”のようなものが芽生えて親子の絆が強化されるかもしれませんね。
つづき>>>「子どもが宿題をしない」理由って考えたことはある?原因から逆算すれば「たったこれだけのこと」で自分から動くようになる
(出典)
Eren, O., & Henderson, D. J. 2011 Are we wasting our children’s time by giving them more homework? Economics of Education Review ,30, 950-961.
Pool, M. M., Koolstra, C. M., & Voort, T. H. A. V. 2003 The impact of background radio and television on high school students homework performance. Journal of Communication, 53, 74-87.
Strayer, D. L. & Johnston, W. A. 2001 Driven to distraction: Dual-task studies of simulated driving and conversing on a cellular telephone. Psychological Science ,12, 462-466.
Yeager, D. S., Henderson, M. D., Paunesku, D., Walton, G. M., D’Mello, S., Spitzer, B. J., & Duckworth, A. L. 2014 Boring but important: A self-transcendent purpose for learning fosters academic self-regulation. Journal of Personality and Social Psychology ,107, 559-580.
お話/内藤誼人先生
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。社会心理学の知見をベースに、ビジネスシーンを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。動物の飼育が趣味で、最近は人間よりも動物に好かれており、自然を愛するナチュラリストでもある。著書に、『すごい! モテ方』『すごい! ホメ方』『もっとすごい! ホメ方』(以上、廣済堂出版)、『ビビらない技法』『「人たらし」のブラック心理術』(以上、大和書房)、『裏社会の危険な心理交渉術』(総合法令出版)など多数。その数は200冊を超える。
スポンサーリンク
【注目の記事】
スポンサーリンク
















