43歳、私は更年期症状だと思うのに「まだ若いから」と治療してもらえない。やっとたどりついた投薬、最初に「感じたこと」は
閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期】#146
■みかさん 47歳
パート勤務。3歳年上の夫と、高校生の長女・小学生の長男の4人暮らし。
最初に訪れた変化は不眠。夜中に何度も目が覚めて…
みかさんの睡眠の質が変わり始めたのは、43歳の頃でした。夜中にふと目が覚めるようになったのです。
「2時間おきに、時には1時間おきに目が覚めるようになって……。最初は、目が覚めてもすぐ眠れていたのですが、次第にそれが難しくなっていきました」
朝起きると、ひどく疲れていることが増え、その頃から肩こりがひどくなり、耳鳴りや動悸もするように。肌も乾燥し、白髪も急に増えたといいます。次第に不眠の症状が強くなり、昼寝もできなくなってしまったみかさん。お子さんの受験も控えていたため、心労からか、気持ちが沈むことも増えていきました。
旅先でパニック発作が起き、不安でいっぱいに
急な体調の変化に戸惑いつつも、なんとかやり過ごしていたみかさん。ところが、気分転換になればと、子どもたちと出かけた旅先で、パニック発作が起きてしまいます。
「旅行初日は楽しく過ごしました。1日目はとても寒く雨だったので、観光せずに駅前を散策し、ホテルに戻ろうとした時に、突然ものすごい恐怖感に襲われたんです」
これはいったいなんなのだろうと、不安な気持ちを抑えながら、なんとかホテルまで辿り着いたみかさん。しかし、部屋で横になると、今度は「このまま放っておいたら、心臓が爆発して死んでしまうかもしれない!」という強烈な恐怖心に駆られます。
「今思えば、心臓はそこまでバクバクしていなかったと思うんです。でも、その時はもう怖くて仕方がなくて。夫に『動悸が止まらないんだけど、どうしよう』と電話をすると、『今から迎えに行くよ』と言ってくれて、とてもほっとしました。とはいえ、少しでも動いたら心臓がパーンと破裂してしまうように感じていたので、夫が来るまでの間は、ひたすら静かにじっとしていました。そのせいか、子どもたちは私の異変に気づかなかったようです」
「あっ、私と同じだ!」と、更年期の経験談に共感。が、婦人科を受診するも、まだ若いからと言われて……
不眠や疲労感、肩こり、耳鳴り、動悸、肌の乾燥、白髪、気持ちの落ち込み、そしてパニック発作と次々に不調が現れ、風邪もひきやすくなっていたみかさん。一度に多くの症状が現れて、出口の見えない暗いトンネルに入り込んだようでした。そんなある日、更年期の経験を発信する著名人のSNSに目がとまります。
「当時の私は、更年期については『心身が不安定になる時期』という程度の認識で、予備知識はほとんどありませんでした。SNSから流れてきた更年期の経験談は、自分の体験とリンクすることばかり。それをきっかけに、もしかしたら今私に起きていることは、更年期の不調なのかもしれないと思ったんです」
今感じている不調が、更年期によるものかどうかを確かめるため、みかさんは婦人科を受診することにしました。ところが、みかさんに寄り添ってくれる婦人科になかなかめぐりあえません。
「最初は近所の婦人科を受診しました。当時43歳だったこともあり、『年齢的に違いますね』『まだ若いから』と言われてしまいました。次に、診療科目に更年期障害があるクリニックを受診したのですが、更年期指数※1はハイスコアだったものの、『エストロゲンの数値が高い』という理由で、更年期障害の治療にはつながりませんでした。不眠や肩こり、不安感については、エキス剤の漢方薬を処方していただきながら、様子を見ることになりました」
自分に合う婦人科医に出会えたのは1年後
婦人科探しが難航する中、みかさんは書籍やSNSなどを通じて、更年期への理解を深めていきました。そうするうちに、ホルモン補充療法を受けてみたいという思いが強くなっていきます。そして最初に婦人科を受診してから約1年後、ようやくみかさんの想いを理解してくれる医師と出会えたのです。
「年齢だけで判断せず、つらい症状に対して治療方針を相談しながら進めてくれる、コミュニケーションがとれる先生に出会えてとても嬉しかったです」
一般的に、閉経を迎える頃のエストロゲンの分泌量は、坂道を下るように一直線に低下するわけではありません。ある時は多く分泌し、ある時は少なく分泌することを繰り返しながら低下していきます。更年期障害は、エストロゲンの激しいゆらぎに、加齢による体の変化や人間関係などのストレスが、複合的に影響し合って現れると考えられています※2。
「担当の先生は、「私も43歳頃に更年期の症状が出始めて、ホルモン補充療法をしたのよ」「症状から考えると更年期障害と考えていいと思うので、ホルモン補充療法をしてみますか?」と提案してくれて。希望していたホルモン補充療法を始めることができました」
ホルモン補充療法を始めて、つらかった肩こりが軽減
ホルモン補充療法では、子宮内膜増殖症や子宮体がんになるリスクを減らすために、エストロゲンと黄体ホルモンを組み合わせて投与します※3。エストロゲン製剤には、主に飲み薬、貼り薬、塗り薬があります。みかさんは医師と相談し、貼り薬のエストロゲン製剤に、飲み薬の黄体ホルモン製剤を組み合わせました。
「エストロゲンのパッチは、かぶれることなく使いやすいです。ホルモン補充療法を始めると、痛みで眠れないほどだった肩こりが軽減し、肌や髪の乾燥が気にならなくなりました。他の症状もやわらいでいき、つらかった症状と少しずつ折り合いがつけられるようになったと思います」
つづき>>>更年期は適切に話を聞いてもらえば8割治るというのは本当かもしれない。カウンセリングで気持ちが上向いて「わかったこと」
※1 更年期症状の程度を評価するためのスコアのこと。
※2 日本産科婦人科学会「更年期障害」https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/
※3 「ホルモン補充療法の正しい理解をすすめるために」(日本女性医学学会)https://www.jmwh.jp/n-hrt_book.html
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