不登校児の親は「子どもから意識を剥がす」練習をするほうがいいかもしれない【不登校ラジオ・ダイジェスト】

2026.07.21 LIFE

オトナサローネでエッセイ『シングルファーザー小説家の子育てと社会日記』を連載中の作家・仙田学さんと、オトナサローネ編集部井一が、7月17日にインスタライブで「不登校ラジオ#2」を配信しました。

前編記事『不登校の子どもの「高校進学」意外な現状とは?早めに知っておいたほうがいいことは』に続く後編です。

【不登校ラジオ・ダイジェスト】#2 後編

子どもが「ぎりぎり越えられる高さ」のハードルは親が用意してあげてほしい

井一:人としての最低限のありかたを教育するということはそれはそれで、不登校になったからといって変えなくてもいいということですかね。

 

仙田:その子どもの数だけ正論はあるのかなと思っています。もうひとつ、今、井一さんのお嬢さんは多分、エネルギーを蓄えている、冬眠している時期かなと思うんです。冬眠から覚めてきた頃に、大きいハードルじゃなくて小さいハードルを用意してあげて、これ超えてみないかと誘って、もしコケてしまったら次はそのハードルを見せない、という感じで探り探りハードルを用意するのが必要かなと思っています。

 

井一:それは例えば、外に出るのが嫌な子にちょっとコンビニ行こうというような?

 

仙田:例えばうちの子は今でも睡眠時間は12時間ぐらいで、夜の11時から昼の11時ぐらいまで寝ています。午前中に用事がある時、9時に家を出ないといけない時は8時に起こします。本人は結構無理して3時間早く起きるわけです。それがハードルで、起きなかったらその用事は今日は行かなくていい、と落とします。ただ、本人が行きたくなくて起きてこないんだったら、突っ張らずに落とした方がいいのかなという気がします。

 

井一:私はそこで怒ってしまいますね。「なんで予約したのに行かないの!」って。

 

仙田:中2というのはすごく難しいと思うんです。保育園児や小学校低学年の頃は、大人が子どもにインストールしていかなきゃいけない教えがたくさんある。でもいつからか子どもが大人になっていって、全く別の人格として生きていくわけですよね。どこまで親が教えるべきで、どこから本人の自由に任せるべきか、中2はすごく難しいと思います。ルールを教えた方がいい時もあるし、一人の人間の意思として尊重してあげられる時もあるという、そこをどう選択するかということかなと。

 

井一:小5くらいならもう少し「昼間は縦になろうか」「パジャマは着替えようか」というような、基礎的な生活態度への介入が必要な段階もあるけれど、中学になってくると自主性を信頼して本人の判断に任せる、ということですかね。仙田さんのお嬢さんは、ご自身の意思表示というのは割とある方だったんですか? それとも自分の気持ちを話しにくい感じだったんですか?

 

仙田:今回の連載で書いたように、長女は本当に自分の意思表示をしない、できない子だったので、そこはいちばん苦労しました。意思を尊重しようにもその意思がわからないという状態が長く続いたので、不登校になってからもどう接するのがこの子のためになるのかは、最初は全くわかりませんでした。

 

井一:意思を聞くとき、聞き出しているのか、感じ取っているのか、どちらですか?

 

仙田:あまりこちらから聞くということはしないですね。向こうから話してくれるのを待つという感じでした。ずっと眠って起きてこなかった10ヶ月ぐらいの時に、外に連れ出す、温泉、映画、外食、カラオケなどに一緒に行くということを重ねて、学校に行ってなくても楽しい人生を楽しんでいいんだよ、楽しいことがいっぱいあるよ、というのは伝えるようにしていました。

 

不登校が始まってちょうど1年ぐらい経った頃、1月の僕の誕生日に手紙をくれて、そこで初めて将来こういうことがやりたいということをはっきり長い文章で伝えてくれました。13歳になってちょっとぐらいの頃です。その日からだいぶ長女が変わって、思っていることを何でも話すようになりました。ですが、何が原因でこの覚醒が起きたのかはいまでもよくわかりません。

 

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