ストレスが原因の大人ニキビ。深い呼吸とシンプルなマッサージでここまでケアできる!
治りづらい顔まわりの「大人ニキビ」。苦しんだ経験のある人も多いことでしょう。
いわゆる思春期ニキビは過剰に分泌される皮脂が毛穴づまりの原因となり、アクネ菌の増殖を引き起こして発生しますが、大人ニキビは皮膚のターンオーバーがうまくいかず角質で毛穴が詰まるのが原因と考えられています。このターンオーバーの乱れは、ストレスや生活習慣、ホルモンバランスなど「体の内側の乱れ」と深く関係があるとのこと。
ホリスティックで高品質なオーガニックスキンケアブランド、SHIGETA主宰のCHICOさんから、その「内側の乱れ」を整え、ストレスを軽減させるデイリーなリラックス法、インナーケア法を教えてもらいました。
働き者ほどリラックスは難しいが、デコルテさえ緩めれば…!
前回の記事ではCHICOさんに、肌を保護する「皮脂膜」を強く育て、同時に身体の内からも外からも「フローラ」を育成し、トータルに肌を美しくするのが大切という話を伺いました。そのためには、植物性の高品質なオイルを使った皮脂膜の保護が必須。また、保存料の入っていない「よい食品」を選ぶことも大事です。
肌のトラブルは「腸の乱れ」の反映とされますが、胃腸の機能に余計な負担をかける原因の一つがストレス。現代社会では避けて通れないストレスですが、内側からリラックスすればその害は軽減され、ストレスに負けない肌を育てていくことができるそうです。
では、どうすればいいのでしょうか?
「その前に、日ごろから頑張っている人ほどリラックスは難しいものなんです。なぜかというと、気持ちが【頑張って】リラックスしなきゃ!になってしまうから。また、リラックスとは緩むことですが、【緩まなくてはいけない】と思った瞬間に肩に力が入ってしまいます」
いきなり初手から「やっぱり無理…?」となりそうなお話ですが、この「頑張ってしまう私たち」を救ってくれるのが【呼吸】です。
「体の仕組みから考えると、ガンガン動いている頭を鎮静させられるのは【呼吸】。なぜかというと……。
やらなきゃ!という思いを持っていると、肩に力が入りますよね。
肩こりの原因になるほか、首のリンパも張り、デコルテの筋肉も固まります。すると、デコルテの内側にある肺の動きを固くなった筋肉が止めてしまい、吸っても吸っても肺には息が入りません。
現代人は呼吸が浅いと言われますが、それはみんな頑張っているから。頑張りそのものが原因なんです。
なので、オフィスでも自宅でも電車でも、リラックスするためには、デコルテ部分をマッサージして固くなった部分をほぐします。すると、息を吸ったときに肺が広がり、息が深くなります。これで自然とリラックスできるんです」
意外に簡単。いますぐ取り入れられる「呼吸法」って?
リラックスするための呼吸法には、香りの助けがとても有効です。感覚的には理解している事実ですが、実際には何が起きているんですか?
「SHIGETAのメソッドでは【意識した呼吸】をとても大切にしていますが、呼吸のときは精油の香りのパワーを借ります。嗅覚は人類にとってはより原始的、本能的でダイレクトな感覚。リラックスする働きのある精油の成分を、鼻の粘膜の奥にあるセンサーがキャッチして情報となって直接大脳に送られます。すると、大脳から身体にリラックスしろ~!という信号が送られます。この生理的作用は、誰でも持っているもの。また、繰り返すことで強化されていくので、脳が香りとリラックスをどんどん結びつけやすくなり、いずれは香りをかぐだけで脳がリラックスモードに入ります」
なお、SHIGETAのエッセンシャルオイルブレンドはベストな効能を生み出すために最適なブレンドに調合されているので、このまま皮膚の上にオンしてもOK。さらに効果を高めるためにマッサージしたいときはマッサージオイルと混ぜて使います。
「できれば2種類、3種類くらいのオイルの香りをかいで、ピンときたものを選べば、その日の自分の体が求めているものを選ぶはずなのです。ですから、直感で心地よいと感じる香りを選びましょう。このプロセスは自分を知るきっかけにもなります」
深い呼吸のために、鎖骨の下を内から外へ軽くほぐす
【マッサージ】
まず、鎖骨を触ってみてください。その1本下の、肋骨のいちばん上の骨と、その下の骨の間の溝を1本目と数えます。さらにその下の溝を2本目、3本目と数えて、これら3本の溝をマッサージしていきます。
1・ブレンドエッセンシャルオイルを5滴手にとり、手指を中心に両手によく広げる。その際に、キャリアオイルやベーシックオイルと混ぜて伸ばすとマッサージしやすくなります。
2・3本の溝を中心から外側へと指先に軽く力を入れて流します。指の腹を肌の上に密着させるのがポイントです。3本のみぞを1本ずつていねいに。こわばっているな、もしくは痛いなと感じる場合には、指を少し揺らすようにほぐしていきます。
3・まず左手で右鎖骨下をほぐす。指を密着させる位置を体の中心・半分・わき下に近い外と3回に分けてずらせば全体がほぐれる。続いて右手で左鎖骨下をほぐす。
【姿勢】
マッサージが終わったら、呼吸を姿勢を整えます。息は気なので、気の通り道となる背骨、背中をまっすぐ作れば「よい気の道筋」ができます。最初は椅子に座って試してみて。
1・椅子には浅めにこしかけ、足裏を床にしっかりつける。
2・恥骨から背骨をまっすぐ立て、頭頂部が天井から引っ張られる感覚で背筋を伸ばす。
3・肩の力を抜き、手は脚の上のよい位置に置いて、なるべく耳から肩の距離がとれる姿勢にする。
【呼吸】
デコルテをほぐし、姿勢を整えたら、呼吸を始めます。
1・目を閉じて、まず息を吐きます。そして、鼻から息を吸う。このとき、息は止めず、吸える限界まで吸う。
2・続けて、口からゆっくりと息を吐く。唇は軽く開き、これ以上吐けないというところまで吐き切る。
3・繰り返す。3分から5分ほど、身体の力が抜けるまで続ける。
「夜、寝る前にこの呼吸で身体を整えると、リラックスしていい睡眠に入れます。慣れたらあぐらをかいた状態でも試してください。ベッドに横になってもOKですが、集中する前に寝落ちしちゃうので(笑)身体をゆるめ切れないかもしれません。また、この呼吸法は、朝、集中力を上げるためにも有効です。朝は元気よく勢いをつけて息を吸います。シャキッと覚醒しますよ」
呼吸法で「存在感」がアップ。プレゼンでも印象が増す!
呼吸は身体の内側からのマッサージ。続けていくと自分が呼吸をするときに身体の内側がしなやかに動くようになる、とCHICOさん。
「いま、この呼吸を試しただけで、見えている世界が鮮やかになりませんでしたか? これは、脳に酸素が供給されるからです。みんなこのように視界の彩度が上がる体験をします。
また、同時に【目ぢから】が出ます。それは、血の巡りと気の巡りがよくなるからです。生きているエネルギーそのものが目に宿るので、不思議と存在感が出ます。ですから、自分をアピールしたい大事なとき、大切な人に覚えてほしいとき、直前に3回ほど深い呼吸をしておくだけで、ぐんと存在感を出せます。気の巡りがよくなることで、運気が上がります」
この呼吸法で大切なのは【集中】。テレビなどの雑音は消し、できれば部屋を暗くして。キャンドルを炊いたり、リラックスする音楽をかけたりと自分が落ち着く環境を作ることが大切です」
力んで歯を噛み締めている人に、あごの力を抜くマッサージ
現役セラピストでもあり、世界を飛び回る多忙なブランド主宰者のCHICOさん。自分自身でもテンションが上がり、知らずしらずに力んでいることがあると言います。
「力が入りすぎていると、寝ている間にも歯を噛み締めているのでしょうね。朝起きたとき、顔周りの骨が重いような感覚があります。そんなとき、私は、あごの力を脱いて眠れるこのマッサージをしています」。
【あごの脱力マッサージ】
手を広げ、指を広げてそらすと、人差し指の付け根に骨が出ます。
この骨を、上あごと下あごの間の、奥歯の一番最後のくぼみに当てます。骨が上下の歯の間にぴったりとはまったら、ゆっくりと口を開き、口を開けたまま手を前後にゆらします。
「やっていくと分かるんですけど、口がどんどん開いていきます。口がかなり開いたら力が抜けきった印。このマッサージをしてから寝ると、口のちからが抜けた状態でぐっすり眠れます」
リラックスと同じくらい「デトックス」も大事
簡単にできて効果大の呼吸法とマッサージ。さらに身体を整え、肌荒れに対抗するために、まだ必要なことはありますか?
「リラックスと同じくらい、実はデトックスも大事なんです。深く眠れないことや、リラックスできないと肝機能が乱れ、毒素が溜まりやすくなります。肌が荒れているときは、肝機能が疲れているサインでもありますから、まずは毒素を体外に出してあげるのが大切。
私は以前、自分の花粉症をローフードのみの食事とSHIGETAの集中ケアで治したことがあります。大切なのは、体の解毒に負担がかからないものを食べること。【牛豚肉】【乳製品】【砂糖】【酒】、このの4つを省きます。
もちろん、一生食べないわけでなく、ケアが終わったらちょっと気をつけるモードに移ればOK。野菜を多めにしてお肉はトッピングにするなど、食生活の中でいつものバランスとは、違うバランスをとることが大切です」
忙しい毎日、リラックス法の上手な取り入れ方とは?
教えていただいたリラックス方法、すべて試したいけれど、残念ながら時間が足りないかもしれません。私たちは、忙しい日々にどうやって取り入れていくといいでしょうか?
「まずは、全部ちゃんとやらなきゃっていう思いを捨てること! 良質な睡眠のためにも、お風呂は入ったほうがいいですが、そのあとでマッサージする余裕があればする、呼吸法ができたら呼吸もやる、そのくらいでOK。ちゃんとやらなくてもいいんです。
もう寝たい!と思ったら、睡眠時間をとったほうがいいです。睡眠にまさるリラックスはありません。目的は1つ、リラックスすることなので、余計な力が入らないようにしてください」
たとえば、リラックスしようにも睡眠にトラブルがあるという場合は、ずっとやろうとはせず、期間を決めて、5日は呼吸法を取り入れてみて。もしこの呼吸法で眠れたという経験が得られれば、呼吸法だけでいつでもリラックスできるとわかり、ケアが楽になるのだそう。
「変えたいと思ったら、ちょっとしたことを取り入れていく。それだけで、人生変わると思います!」
CHICOさんのプロフィール
パリで数々のセレブを魅了するオーガニックコスメブランド、SHIGETA主宰。ホリスティックビューティーコンサルタント。美しい肌と体を育むためには心身のバランスこそが不可欠と考え、長年フランスおよび日本にてビューティーメソッドを探求。その経験と実績をもとにバイタリティー・コーチング®を考案。現在は、パリのセレブリティやアーティストのためのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。近著に『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社刊)など、著書多数。
【CHICOさんのケア】
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