更年期に訴えが多い症状とは?「これから起きること」これが更年期の一覧!

更年期アンケートにいちばん多く寄せられるのが「これって更年期症状なのでしょうか?」という疑問です。じつに70%を越える人が「これって更年期?単なる不調?それとも老化なの?」と判断しにくい症状を抱えています。

そもそも更年期とはどう判断したらいいのでしょうか? 更年期医療の手引き『女性医学ガイドブック 更年期医療編(2019版)』を参考にお伝えします。

前編『「これって更年期かな…?」悩む前に知っておきたい「セルフ更年期指数チェック」って』に続く後編です。

 

【更年期に訴えが多い症状は】

これまでなかった能力低下…… 疲労感、倦怠感、集中力低下、物忘れ、記憶力減退、性欲減退

痛み、身体症状…… めまい、肩こり、腰痛、頭痛、腰痛、皮膚のかゆみ、筋肉痛、関節痛、保湿量の低下、目や口の乾燥

メンタル面の起伏…… ストレス、神経質、不安感、イライラ、くよくよする、不眠、抑うつ、将来の不安、心配

冷え、汗、のぼせ…… 手足の冷え、全身の冷え、発汗、ほてり、のぼせ、動悸

オトナサローネに寄せられる訴えのうち、ホルモン量低下と関係のある内容をまとめるとこんな感じです。特にアンケートではメンタル面の起伏を訴える人が非常に多く、「この症状が更年期なのか重大な病気なのかがわからず不安」「医療機関でも特に異常が見つからずたらいまわしにされる」という声がたくさん上がっています。

たらいまわしの理由の一つに、婦人科ではカウンセリングに保険点数がつかないことが挙がりそうです。「重大な病気が潜んでいなさそうかどうか」該当する診療科で検査を受けて問題がないことを確認したら、カウンセリングに点数のつく心療内科を受診したほうがいいのかもしれません。

 

【更年期に警戒しておくべき症状と病気は】

肩こり… 肩関節周辺炎 頚椎症 後縦靭帯骨化症 高血圧 冠動脈疾患

倦怠感… 貧血 心疾患 糖尿病 甲状腺機能亢進症・低下症 肺結核

めまい… メニエール病 良性発作性頭位めまい症 貧血 不安障害 抑うつ障害

動悸… 貧血 不整脈 甲状腺機能亢進症 パニック障害

ホットフラッシュ… 甲状腺機能亢進症 不安障害 カルチノイド

発汗… 甲状腺機能亢進症 パニック障害

不眠… 抑うつ障害 不安障害 睡眠時無呼吸症候群

頭痛… 片頭痛 脳腫瘍 脳血管障害

抑うつ… 抑うつ障害 甲状腺機能低下症 認知症 アルコール依存症 脳梗塞

集中力低下… 抑うつ障害 認知症

不定愁訴… 身体症状症 病気不安症 抑うつ障害 不安障害

腰痛… 腰部椎間板ヘルニア 変形性脊椎症 子宮筋腫

下肢痛… 椎間板ヘルニア 脊柱管狭窄症

関節痛… 変形性関節症 関節リウマチ

これらの症状の背景に潜んでいる可能性のある症状は上記の通り。気を付けたいのは生命に影響のある脳梗塞や脳血管障害、冠動脈疾患のほか、早めの投薬が望ましい関節リウマチ、早期治療が望ましい睡眠時無呼吸症候群などです。

 

私の更年期はどのくらい?目安になる「簡略更年期指数(SMI)」

これらを俯瞰して、「私はいま更年期なのかな?」「病院に行くべき?」という客観状態を知りたい場合、1992年に医師の小山嵩夫先生らが開発した「簡略更年期指数」が参考になります。

 

【あてはまる点数を足してください】

症状 症状の程度(点)
1.顔がほてる 10 6 3 0
2.汗をかきやすい 10 6 3 0
3.腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
4.息切れ、動悸がする 12 8 4 0
5.寝つきが悪い、または眠りが浅い 14 9 5 0
6.怒りやすく、すぐイライラする 12 8 4 0
7.くよくよしたり、憂うつになることがある 7 5 3 0
8.頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
9.疲れやすい 7 4 2 0
10.肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

 

 

【判定と解説】

0~25点 じょうずに更年期を過ごしていて今のところ問題ありませんが、
年1回の健康診断を受けましょう。
26~50点 バランスのよい食事、適度な運動を行い、無理のないライフスタイルを送り、
更年期障害の予防につとめましょう。
51~65点 産婦人科または更年期外来、閉経外来を受診し、薬などによる適切な治療、
生活指導、カウンセリングを受けましょう。
66~80点 長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。
81~100点 各科の精密検査を受けましょう。更年期障害のみであった場合は、
産婦人科または更年期外来、閉経外来などで長期の計画的な治療が必要でしょう。

(小山嵩夫ら 1992)

 

最後は「口コミ」も助けてくれます。相談できる情報源は全力で探すべし!

更年期を迎える際に大切なのは「女性ホルモン分泌量は激減するが、ゼロなら病気というわけではない。その状態に身体をうまく慣らし、軟着陸させることが重要」という意識です。

とはいえ、更年期症状のつらさは人それぞれ、出現も感じ方も全く違います。つらいと思うならばそれは「医師に治療を求めるべき」状態ですから、我慢する必要はありません。

いっぽうで、有効性の高い治療のうち、女性ホルモンを薬剤として投与する「ホルモン補充療法(HRT)」は、残念ながら積極推進を明言する医師以外はあまり対応したがらないのも私が体験してきた事実です。

43歳から予防的な漢方治療を始め、手ごたえを感じていた私ですが、やっぱり限界がきてしまいました。しかし49歳から希望したHRTは3院で断られ、地元の先輩の口コミを頼りに出向いた4院めで51歳にしてやっと受けることができました。「そんなもの」なのです。

いろいろ教えてくれる年上の先輩を見つけ、情報を収集するのも更年期のラクな過ごし方のポイントの一つだなと感じています。とはいえ身の回りにそうした先輩がいないこともアンケートでは明らか。ですから、オトナサローネは今後とも「みなさんと一緒に伴走し、適切なアシストをできる話し相手のメディア」として情報発信を続けていきます!

 

 

資料出典/女性医学ガイドブック 更年期医療編 2019版

 

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