
更年期の「不調」を「更年期障害」にしないため、何をすればいいですか?勝田小百合さんが「やったこと」「やめたこと」
元祖美容ブログ『アンチエイジングの鬼』オーサーの勝田小百合さん。オーガニックブランドの草分け「アムリターラ」を創業した、オーガニックビューティの元祖でもあります。
日々細胞レベルで美と健康を探求する勝田さんは、今年55歳。そろそろ更年期の終わりを迎える年頃ですが、なんと、ここまで更年期症状を「ほとんど感じてこなかった」そうです。
なぜ勝田さんは更年期症状を感じなかったのか? 聞けば聞くほど「なるほど、これができていれば確かに大丈夫かもしれない」と感じることばかり。その実践内容と、200歳まで生きる秘策を伺いました。
前編記事『更年期に「苦しまなかった」アンチエイジングの鬼・勝田小百合さんはこの10年、どんな暮らしをしていた?聞けば納得するその「整え方」』に続く後編です。
更年期の諸症状だって、「身体を慣らしていく」ことができれば「障害」にはならない
――自分でできることで自律神経を少しずつ鍛えていくのですね、これならできることがありそうです。更年期「症状」を更年期「障害」にしないためのアドバイスはありますか?
植物の力を活かしてください。加齢によるエストロゲンの減少は止められるものではありませんが、類似した作用を持つ植物由来のエストロゲンの力を借りて、その減少を補うことができます。卵巣からホルモンがでないことで混乱している脳が、ほっと一息ついてくれるようにプラスするのです。
1・フィト(植物)エストロゲンでエストロゲンの恩恵に与る
エストロゲン様物質やエストロゲンの産生をサポートする植物には、「黒ザクロ」「マカ」「吉野葛」「レッドクローバー」「大豆イソフラボン(エクオール )」「マザーウォート」「リコリス」などがあります。
大豆イソフラボンから生成されるエクオール はエストロゲン様物質ですが、大豆製品を食べてもエクオールをつくる腸内細菌を持っていないと体内で作ることはできません。日本人女性の約半数は作れないと言われており、サプリメントでの補充になります。更年期を迎える前は予防的に、更年期中は更年期症状の緩和に、長いアフター更年期は、肌や髪のため、骨粗鬆症や動脈硬化の予防としてエストロゲンの恩恵にあずかりたい。私はエストロゲン様物質は一生取り続けるつもりです。
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2・植物の精油は脳に作用して症状を緩和する
植物から抽出される天然の精油にもエストロゲンの分泌を促す作用があります。たとえばよく知られる通り、ダマスクローズやゼラニウムなどに含まれる成分「ゲラニオール」はダイレクトに脳の大脳辺緑系へ作用し、乱れている自律神経を整え、女性ホルモンの分泌をよくしてくれます。
更年期の不眠症に効果が高いのは「リナロール」。ローズウッドやイランイラン、真正ラベンダーなどに含まれます。良い香りを嗅ぐと副交感神経が刺激され、身体がリラックス状態に導かれるという働きがあり、嗅いだ後はストレス測定器の数値が下がります。
アロマテラピーのほか、天然精油のオーガニックコスメでのスキンケアは精油の香りでリラックスしながら精油が経皮吸収されます。
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3・デリケートゾーンケアは和の植物に注目
更年期から老年期にかけて、エストロゲンの減少によって腟まわりの乾燥が始まります。乾燥によるかゆみ、匂い、性交痛が気になることがあるかもしれません。また、足の付け根や腟まわりは年齢が若くても摩擦や乾燥による黒ずみが気になることがあります。
いまトラブルがなくとも先手を打って保湿を始めることが大切です。私は「和の植物」や海藻を配合したオーガニック美容液を使用しています。米ぬかエキスや桑白皮エキスで過剰なメラニンを抑え、柿タンニンで匂いを抑え、乳酸菌で膣周りのフローラを整えています。更年期で変化してくる腟まわりに早く向き合い、ケアを始めるのは大事です。
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――いろいろと挙げていただきましたが、すべてを俯瞰して、勝田さんにとって、とっておきの更年期対策&老年期対策は何ですか?
何と言っても「筋トレ&キックボクシングと温泉、脳デトックス」です! これらが健やかな更年期にしてくれました!
――1つずつ伺っていきます。まず、筋トレ&キックボクシングはホルモンアップにもよかったという、意外な結果があったのですね?
運動は色々とやってきましたが、45歳ごろから代謝が落ちてきたのを感じ、格闘家運営のジムに通い始めました。週2回、筋トレ1時間とその後にキックボクシング。これを2ラウンドします。昔からK-1のファンでしたが、自分でやろうとまでは思っていませんでした。でも、興味があることってやっぱり、やってみたい気持ちがあったのでしょうね。始めたら一気にハマりました。とても楽しいです。オフィスでもスタッフが帰った後にこっそりバスバス大きな音をたててやっています(笑)
筋トレをすると「成長ホルモン」が分泌されます。このおかげで元気になり、疲れにくくなりました。肌にハリがでてくすみもなくなり、睡眠の質が改善され、よく眠れるように。幸せホルモンの「セロトニン」や、やる気ホルモン「ドーパミン」の分泌も増えます。
また、筋肉をつけることで副腎からは「DHEA」が分泌されます。「DHEA」は性ホルモンの前駆体であるマザーホルモンです。閉経後の女性ホルモンは卵巣ではなく「DHEA」のサポートを受けることになります。
さまざまなよい働きがあるため、若返りホルモンとも呼ばれ、長寿の方たちの血中には「DHEA」が多いこともわかっています。やはり加齢とともに減少しますが、運動することで増える嬉しいホルモンです。若々しさをキープするためにも増やしましょう!「DHEA」を増やす食ベ物は、ヤマイモ、長芋、自然薯、白トリュフエキスなどです。
2。温泉は血流と体温アップに加えて温泉成分の効能も。更年期知らずの身体に
「温泉」は大好きで、ここ数年は週に一度は日帰り温泉に行ってます。昔から健康美容のためにお風呂は命なのですが、コロナ禍になり、免疫力をそれまで以上にあげようと様々な入浴法を試し、今は免疫力を上げるとされるヒートショックプロテイン入浴法や、水風呂と熱い湯に入る温冷交互入浴法を行なっています。全身の血行が促進され、免疫力が高まり、疲労回復効果も見込めるなどいいことばかり。温冷交互入浴法は自律神経の乱れを整える作用も期待できます。
毎日の入浴は、必ず水を1杯飲んでから、ヒマラヤ岩塩ソルトを入れたお風呂に入ります。さらに温泉だと、温泉成分による効能が加わるのでより素晴らしいんです! 特に好きなのは黒いモール温泉。抗酸化作用のあるフミン酸やフルボ酸が多く、若返り効果が高く、肌もつるつるになります。北海道の十勝温泉などが有名ですが、神奈川県や東京都にもあります。
温泉通いを強化してから2年以上風邪気味にすらならず、春になると痰がからむ咳がでるという謎のアレルギーも出なくなり、健康に過ごせています。好きすぎて「温泉ソムリエ」の資格まで取ってしまいました(笑)
3・「人生、半分は冗談!」不要な記憶は手放し脳をデトックス
私は子どもの頃から本当に過敏なタイプで、まわりに馴染めず、違和感を感じていました。人に頼ることができず、自分の辛い思いは一人で抱え、自分で立ち直るしかなかったのです。だからこそ色々なことを試し、その結果悩んでいた心が少しずつ開いて、最後には循環するようになりました。
我慢して、辛いことに蓋をしていると、うつになったり、心体に症状が出てしまいます。蓋を開けて「何かな?」って見て、自分を悩ませるその記憶が本当に自分に必要なものなのか、それともどうでもいいものなのか自分に問いかけてください。もしも必要でない記憶なら、さっさとどんどん手放します。
このようにして脳をデトックスし続けると、心も身体も軽やかになります。とはいえ、すぐにはできないかもしれませんが「人生、半分は真剣だけど、半分は冗談で面白いドラマだ」と思ってほしい。更年期のイライラや不安感が軽くなるかもしれません。
私は常に瞑想をして、昼間の不要な出来事をその日に脳からリリースしています。悩みや不安がないわけではないのですが、全部笑っちゃっています。人が老いるのは肉体面だけでなく、負の感情が相当影響していると思います。更年期、そしてその先の老年期も嫌な思いは全て手放して、よいものを取り入れ、流れの良い心体で笑って過ごしていきましょう!
お話/勝田小百合さん(54歳)
アムリターラ代表兼商品開発担当。カイロプラクター。18歳の男子の母でもあり、都内にある治療室でカイロプラクターとして骨の歪み矯正から食事、生活指導までを一貫して多くの女性対象に行う。『アンチエイジングの鬼』『老けないオーガニック』等著書多数。2022年8月には最新刊『FLOWで不老』を発売。「ナチュラルに美しく健康に生きる」をテーマに、日々精進を続けている。
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