「りんごを食べるとよくなるもの」って知ってる?実は「やせ菌」「美の維持」「内臓脂肪撃退」あらゆる不調の味方だった

今まさに旬のりんごを食べていますか?りんごには、「1日1個のりんごは医者を遠ざける」「りんごを食べると医者いらず」ということわざがありますが、現在、そのことわざの医学的なエビデンスや科学的な証拠がどんどんそろってきています。「果物だから美容にいい」だけではなかったんです。

 

一般社団法人青森県りんご対策協議会が「 医者を遠ざけるりんごのパワー」について特別セミナーを開催。執筆活動やテレビ、ラジオ、講演会など幅広くご活躍されているスーパードクター3人から、医者を遠ざけるりんごパワーのお話を伺いました。3人ともりんごをこよなく愛しておられ、よく召し上がるレシピも教えてくださいました。

 

「20歳より10㎏増えている人」は要注意。こわい「内臓脂肪」が溜まってるかも?

池谷敏郎先生 医学博士・池谷医院院長

まずは、生活習慣病や血管など循環器専門医の池谷先生から、内臓脂肪対策とりんご習慣についてお話しが。

 

「コロナ禍で健康に対する意識が高まった一方で、運動不足や脂っこい食事など食習慣の変化により、内臓脂肪が蓄積した人が増えました。内臓脂肪とは、胃や腸などの臓器のまわりにつく脂肪のこと。内臓脂肪を溜め込むとメタボリックシンドロームを作り上げ、健康寿命を短くします」

 

内臓脂肪からは、様々な化学伝達物質が出て「高血圧」「高血糖」「脂質異常」などの生活習慣病を引きおこします。動脈硬化を招き、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、認知症、ガンなどの病気に関わってきます。

 

「20歳の時よりも現在の体重が10kg以上増えている人は、内臓脂肪の蓄積を疑ってください」

 

この内臓脂肪は、皮下脂肪よりも落としにくいのがやっかいな点。そんな「内臓脂肪の蓄積」「動脈硬化の進行」を防ぐために、日常生活で何をすればいいでしょうか。

 

「2つのりんごファースト」が内臓脂肪の蓄積を減らしてくれる!

答えは案外シンプル! 「りんごファースト」の食事習慣です。

 

「『りんごファースト』には、2つのファーストがあります。①朝食のときに ②食事の一番最初に、りんごを食べます。朝食で、栄養豊富なりんごを食べておけば、1日の不足しやすい栄養素を補うことができます」

 

りんごには、食物繊維、血圧をさげるカリウム、老化に関わる炎症を防ぐビタミンcやβカロテンなどが豊富。また、食事の一番最初に、食物繊維を多く含むりんごを食べることで、その後の血糖値の急上昇を防いだり、余計な油の吸収を防いでくれます。

 

「近年、注目されているのが、りんごのポリフェノールの主成分『プロシアニジン』。血糖値をコントロールするインスリンの働きを改善し血糖値の上昇を抑制することや、体内の脂肪を分解し中性脂肪の上昇を抑えてくれることがわかってきました。食物繊維とプロシアニジンをしっかりとっていれば、糖尿病と動脈硬化を防いでくれることが期待できます」

 

とはいえ、「りんごファースト」と聞くと「果物=果糖」が頭に浮かび、フルーツのGI値(食後の血糖値)が心配になるかもしれません。しかし、りんごは他のフルーツに比べ、GI値が低いのが特徴。すいかと比べると半分以下、いちごよりも低値であるため、むしろ食後の血糖値の上昇を抑えてくれるのだそう。

 

忙しい朝でも1個のりんごから、生活習慣病対策を始めやすいですね。

 

喘息、気管支炎……呼吸器に不安がある人、「りんご」で肺をキレイに

りんごは肺にもいい食材なのです。りんごに豊富に含まれる抗酸化物質「りんごポリフェノール」には、肺をキレイに(浄化)し、心肺機能をを高めてくれる効果があることがわかっています。日本人の死因の4位は呼吸器疾患ですが、肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支炎、喘息などの病気を予防し改善が期待できるのだそうです。

 

加齢や生活習慣による心肺機能の低下まで抑えてくれるとは、長生きのためにもすぐにりんごを食べたくなりますね。

 

 

りんごの「食物繊維」で腸から健やかでキレイな身体に!

小林暁子先生
医療法人社団順幸会 小林メディカルクリニック東京理事長・院長

続いて、クリニックでは便秘外来(健美腸外来)も行なっている小林先生。先生の元には「腸の悩み」を抱えた患者さんが多く受診に訪れます。コロナ蔓延により腸内環境を整えることが免疫力にとって重要であり、美容と健康のカギであると認識されるようになりました。

 

「腸内には、善玉菌や悪玉菌、日和見菌の腸内細菌が住んでいますが、腸をキレイに保ち、健康に良い働きをしてもらうためには、善玉菌のエサとなる『食物繊維』を必要量摂取することが大事なんです」

 

しかし、現代の日本人は食べ物の嗜好が変わり、食物繊維摂取量は年々減少傾向にあります。戦前は30gほどだったものが、2010年には13.7gまで減少。減少により便秘症が増え、特に加齢とともに男性の便秘症も増加しました。

 

「便秘は、全身の様々な臓器に悪影響を及ぼし、認知機能の低下や慢性腎臓病(CKD)などのリスクが高まる可能性もあります。便秘予防だけでなく、全身の健康のために腸を大事にする食物繊維の摂取が必要です」

 

 

さて、りんごには、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」の両方がバランスよく含まれています。消化のスピードを緩やかにして血糖値の上昇を抑え善玉菌のエサになってくれる「水溶性食物繊維」が0.5g(皮付き100gに対して)、便の量を増やし腸のぜん動運動を活発にし排便をサポートしてくれる「不溶性食物繊維」は1.4g(皮付き100g)。

 

「食物繊維が不足すると腸内環境が乱れ、悪玉菌が毒素をだし、それが血流に乗って全身を巡ることで肌荒れやむくみの原因にもなります。また、現代社会で問題になっているが『咀嚼不足』。特に若年層で減っていますが、食物繊維の多いりんごを食べることで改善に繋がります」

 

よく咀嚼することで、満腹感が得やすくなり、また自律神経のバランスが整い、集中力の向上も。唾液もよく出るので、口腔内の健康につながり、免疫力の向上も期待できます。

 

お子さんのおやつには、柔らかいケーキより、しっかり咀嚼ができるりんごがおすすめですね。前編ではりんごの健康効果について伺いました。後編記事では主にダイエット効果について伺います。

 

つづき>>>>年末年始に太っちゃった人も!「りんごで痩せたい」ドクターおすすめのレシピとは?

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