東京大学の楽しみ方・学び方が、先輩から後輩へ伝承される4月の伝統行事「オリ合宿」とは
東京大学に入学して、1年が経ち2年生になりました。さんきゅう倉田です。
前回から東京大学で4月に行われる“オリ合宿”を紹介している【後編】です。
▶この記事の【前編】を読む▶恒例の「オリ合宿」で2年生になったさんきゅう倉田さんたちのインタークラスの面々が、新入生をもてなします。東大生のおもてなしとは?
19歳からの学び
バーベキューが終わると、お風呂の時間となります。ぼくは誰よりも早く風のようにバーベキュー会場を後にし、部屋に戻って荷物を取り、大浴場に突入します。
すでにクラスメイト3人が身体を洗っていました。
綺麗になった身体で大きな浴槽に浸かり、話をしていると、おもむろにひとりが湯船に潜りました。このとき、クラスメイトが言います。
「湯船に顔をつけたらダメだよ」
ぼくはその様子を見ながら「湯船に顔を浸けたらダメだったのか!」と自分がそのマナーを知らなかったことを恥じていました。
自分より20歳下の友人たちから学ぶことは多く、日々が充実しています。
お風呂を出た後は、レクリエーションの時間です。敷地内の体育館に向かい、イントロクイズやジェスチャーゲームで交流します。1年生に楽しんでもらうため、数日前から準備していました。
ぼくは東大生ならではのジェスチャーゲームを提供すべく、お題を100個考えてきましたが、ほとんどボツになってしまいました。
“y=x² ” “電子” “刀狩り” “ガウシアン” “ボイルシャルルの法則” “フィヨルド”など受験で登場する単語を提供しましたが、「難しすぎる」「鬼」という意見を賜ってしまいます。
レクリエーションが終わった23時ごろには流れ解散です。部屋に戻って寝る者、履修登録の相談をする者、後輩たちを集めて恋バナをする先輩、ボードゲームをするさんきゅう倉田のグループに分かれます。
深夜1時ごろ、体育館の中の人も減ってきたので寝ることにしました。
ここで後輩たちを誘ってコンビニに行き、洗礼を浴びせます。
「好きなものどうぞ」と言って、彼らの分の飲み物や食べ物を買い、合宿の効用を高めます。
その後、部屋に戻って寝ていたら、後輩の部屋に呼ばれます。どうやらみんなで履修の相談をしていたところ、「履修の手引き」を読んでも分からず困っていたようです。
東大生が集まっても理解できない履修のシステム。
システムを簡単にすることはできないかもしれません。しかし、「履修の手引き」をよりわかりやすくすることはできるはずです。例えば、科類や学部ごとに分けるだけでも、いくばくかましです。
東京大学は素晴らしい大学だけれど、履修の手引きと学食は評判が著しく悪い。改善してほしいです。
朝は8時に朝食をとり、富士急ハイランドに向かいます。ほうとうを一緒に作った後輩を引き連れ、絶望要塞に入ったり、水の上を進んでびしゃびしゃになったり、ディズニーのトイストーリーマニアと全く同じパッケージのアトラクションに乗ったりします。
アトラクション3回券が支給されていたので、4つめのアトラクションから追加の支払いが必要です。
ぼくの班は6名なのでひとつ乗ると9,000円。
絵に描いたような観光地まるだしの価格の飲食店は、6人で食べると9,000円。
吉本の後輩に奢る機会も少ないので、先輩風をそよ風のように吹かせます。
財布からお金を出した後輩たちを制して、
「来年の後輩たちに同じようにやってあげてね」
などと言います。
ぼくは、仕事をしているので後輩たちに振る舞っても不思議じゃない。でも、ぼくのクラスメイトたちは、後輩に奢るために必死にバイトしてお金を用意していたようです。素敵だ。
後輩たちに何か指示をしたり、命令したり、軽作業を頼んだりすることは絶対にないけれど、食事は定期的に振る舞っていきたいし、そうすべきだと思います。
15時に富士急ハイランドを出て、夕方には駒場キャンパスに戻ってきました。
凄まじく楽しい1泊2日でした。
1年生が互いを知り、素晴らしい友人と出会い、しこたま恋愛をして、学生生活を楽しんでくれたら嬉しく思います。
アマゾンのkindle unlimitedにも収録されているので、利用者なら実質無料で読めます。
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