「いま食べるべきもの、すぐやめるべき行動」抗加齢の専門家が指摘する「100歳まで生きる時代」にすべき10のこと

「人生100年時代」という言葉をよく耳にするようになりました。ですが同時に、「100歳まで健康に生きられる気がしない」「不自由な体で生きてしまうということは恐怖でしかない」という声も多数聞こえます。

 

100歳まで生きると仮定した場合、更年期を迎えている私たち、50歳前後はちょうど折り返しに当たります。

 

「50代の課題は男性と女性で少し違います。女性は長生き以前に更年期問題を解決する必要があります。しかし、この段階から自分の体と生活を作り替えていく意識を持つと、このあと10年、20年の老化の速度に大きな差がつきます。根本的な生活改善を行う重要な年齢、それが50代なのです」

 

こう語るのは、順天堂大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授の堀江重郎先生。私たちがいまとるべき10の行動をお話しいただきます。

 

①大原則、50代以降は「3食きちんと」食べなくてもいい。食べ過ぎないことを心がける

50歳になったら「食べ過ぎない」ことが大事です。そのため、食事はお腹がすいたときにとるように習慣を変えていきます。たとえば、朝お腹がすいていないなら、食べなくていい。1日1食、2食でいいのです。

 

1日3食というのは、健康上の話というより、社会規範の問題です。力仕事をする人ならば朝食を食べないと力が出ないので話は別ですが、そうではない人は3食たっぷり食べても長生きしないどころか、カロリー超過で早く寿命を迎えてしまいます。

 

お腹が空いていないなら食べなくていいのです。「食事は空腹を感じてからのタイミングで摂る」、50歳以降はこれを心がけてください。

 

②日本人にいちばん足りないのはビタミンD。鮭を食べて

ビタミンDは、いまある中ではいちばんの「アンチエイジングホルモン」です。ですが、積極的に摂取すべきにもかかわらず、日本人の7割はビタミンD不足です。

 

原因は生活習慣の変化にあります。ビタミンDをもっとも効率的に摂取できる食品は鮭ですが、かつては1日1回食卓に登場していたのに、最近では食べなくなってしまったのが影響しているのでしょう。

 

おにぎりを食べるときに鮭を選ぶことから始めて、今日から意識的に補給してください。鮭フレークなども使い勝手がいいかもしれません。また、ビタミンDのサプリメントを摂るのもいいでしょう。

 

③友達を大切に。食事は大勢で食べるほどよいのです

意外かもしれませんが、親しい友人や、自分が歓迎されるコミュニティを持つことが、健康で長生きするためにとても重要です。女性の皆さんはすでにこうした関わりを持っている場合が多いのですが、友人やコミュニティが健康に大きく関与することは意識していないかもしれませんね。率直に言って、友達がいない人は長生きしません。

 

男性は会社以外のコミュニティを持たない傾向が高いため、定年が近づく50代に入ったら意識的に会社以外の関わりを作る必要があります。女性の方で「私は大丈夫だけれども配偶者にあまり友達がおらず、仕事の話しかしない」という場合は要注意です。配偶者は定年退職したとたんに気力が減退して病気がちになり、介助の負担がぐんと増える可能性があるからです。いまのうちから夫婦でテニス教室に入ったり、地元の活動に参加したり、生涯学習を促したりと、コミュニティ参加の足掛かりを作ってください。

 

友達は、多ければいいものでもなく、また心を打ち明けられる存在である必要もありません。ただ、一緒にいて楽しい人であること。月に1回くらい会って飲みに行ったりゴルフしたりする関係性でじゅうぶんです。それすらいない人がいるのです。

 

これらはテストステロン、オキシトシンといったホルモンの分泌に関係します。友達が難しいのならば、ひとりで食事せず、大勢で食事するもの大事です。大勢で食事するとオキシトシンが分泌されます。

 

④アルコールは週に8杯までに

こう言うと「日本酒もコップ8杯ですか?」と聞かれますが、ビールならコップ、ワインならグラスで8杯分と考えてください。ワインでもビールでも水割りでも、だいたい1杯分の純アルコール量は10g(12.5ml)前後でしょう。

 

今やヨーロッパ、中でもフランス人はワインを飲まなくなっています。日本人も若い人はアルコールを飲みませんが、50代はまだ飲んでいる人が多いものです。週に8杯ですので、3日だけ飲むことにして3杯、2杯、3杯などの配分でもいいでしょう。

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