東大生たちが講義で「軽作業」? その結果、現代人のストレスを「癒す方法」に気づいちゃいました

現在は東京大学教養学部の2年生で、3年からは経済学部に進学するさんきゅう倉田は、夏季休暇期間に実施される東大のプログラムを利用して山中湖に行くことにした。

 

講義の名前は「癒しの森」といって、とにかく癒されそうな名称が付けられている。

事前の説明会に2回参加して、2コマの講義に出席して、2泊3日のプログラムに参加して、レポートを提出する予定となっている。

説明会や事前の講義がなければ、もっと癒されると学生みんなが思っているが、座学をしなければいけない事情も理解できるので大人しくしている。

 

 

東大には夏休みにこんな講義があるんだぜ

東大には楽しい講義が多いが、東大が持つ地方の施設を活用したプログラムは学生から評判が良い。卒業生としてどうしても日本大学と比較してしまう。

日大には長期休暇中に参加できるプログラムも何処かに宿泊するような講義もなかったし、あったとしても周囲に参加している人はいなかった。いや、多分なかったのだろう。

そういう学生生活は寂しい。

 

今回参加したプログラムでは2泊3日で山中湖に行った。まず、東大駒場キャンパスに10時に集合し、バイオネストを作る。

画像提供/さんきゅう倉田

 

画像のような落ち葉や枝の構造物を“バイオネスト”といって、業者に頼んで廃棄していた植物を土に還すために数年前から作られるようになった。

初めはこれがなんなのか分からなかったが、1年半大学に通ってやっと知ることができた。

バイオネストは美しい。この流麗な形状は、景観を向上させる意図がある。もちろん、放っておくだけでも土に還るが、その過程に工夫を加えて行き交う人々の心を癒している。

見た人の心も癒すだろうが、製作も学生たちの心を癒したようだった。美しいものを作るのは楽しい。それが大学の費用負担を抑えるのならやりがいもある。

ぼくたちは汗だくになって従事した。

 

その後、バスタ新宿まで移動し、長距離バスで山中湖へ向かう。

到着後、すぐに夕飯を食べ、先生たちの無駄に長い話を聞き(大人になると、どうして無駄に長く話すのだろうか)、自由時間となった。

湖畔を散歩したり、トランプをしたり、マーダーミステリー(※)をしたり各々がのんびりと過ごした。

※編集部注:パーティーゲームの一種で、用意された殺人事件などが起きたシナリオをもとに、参加者は登場人物となって会話を楽しみながら。犯人探し(犯人役の人は逃げ切る)をするゲーム。

 

友人は言う。

「森林には癒しがあるのはもちろんなんだけど、都会の喧騒から離れるところが重要だと思う。海外に行くのと同じで、時間がゆっくり流れている。何かをやる予定もないし、適当に歩いて時間を潰すこともあって、焦りがなくなる。都会にいたら、隙間時間に何かしなければいけない強迫観念に駆られる。罪悪感や焦りだよね。他の人は頑張っているから自分も頑張らなくてはいけないという。森林にはそれがないと思う。ある種の諦念があるよ。」

 

 

▶続きの【後編】を読む▶東大の2泊3日の講義。労働のあとに用意されているアクテビティって?__▶▶▶▶▶

 

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