あご先の赤いぼつぼつ、ニキビ跡だと思い込んでいませんか?実は「歯の噛みしめ」のせいだった!
「歯を噛みしめている自覚がある人」、自分でできるケアはないとあきらめていませんか? かみ合わせに関わる3つの筋肉、咬筋・側頭筋・オトガイ筋が作り出す過剰な噛みしめ力をゆるめるのが「咬筋ボツリヌス治療」です。この治療の国内第一人者であるテクノポートデンタルクリニック・倉治(くらじ)ななえ先生に治療法を解説いただいた前編記事につづき、後編記事では実例をご紹介します。
前編記事『「エラが張っている」「あごに梅干しがある」それ歯をかみ割るリスクあり?「噛む力が強すぎる人のための治療」を受けてみる』
ボツリヌス治療が奏功したらわかった!「あご先の赤い部分は実はニキビ跡ではなかった」
実際にボツリヌス治療を受けてみた結果を写真で見てみましょう。図の数値のうち「マイオニクス」は筋電図で噛みしめる力の強さを測定したもの。注射の効力は約6か月持続とされますが、現在のところ倉治先生のメソッドでは10カ月は持続しているそうです。
ケース①咬筋/オトガイ筋
あご先の「梅干し」が明らかに減少。また、頬の張りが和らぎ、食いしばりに由来する頬サイドの影が減っている。
実はこれ、イノイチです。あご先にある赤いぼつぼつを長い間ニキビ跡だと思っていましたが、消えてみてはじめて筋肉由来の影だったことに気づきました。私は元の噛みしめる力の値がとても高かったせいもあるのでしょうか、非常によく奏功した例なのだそう。マイオニクスでの測定の際、健常な人は100くらいの数値が500近く出て、先生が「すごい!」と驚いていらしたのが印象的です。下の表の通り、注射1回で噛みしめる力が497.61/491.89→102.23/116.54へと減りました。
もうひとつ気づいたのが、口の中の変化です。舌の先でほほの内側をなぞってみると、いつでも横向きに線が入っているのを感じていました。どうですか、左右をなぞってみると線が入っていませんか? 以前これは他の歯科で「歯を噛みしめている人に出るサイン」と指摘されたのですが、この線がゼロではないもののの「出にくくなった」のです。いま、この記事を書いている瞬間も線がありません。
今後とも継続的に治療していただいて、奥歯の噛み割り対策をしたいと思っています。
ケース②咬筋/オトガイ筋
あご先の影が減り、力もゆるんでいる。体重の増減はないにもかかわらず、顔回りが全体的にほっそりとシャープになっている。2023年2月→2024年5月の3回注射の結果。
ケース③咬筋/オトガイ筋
この方もあご先の「梅干し」が明らかに減少、口まわりのマリオネット線も和らいだ。余計な力が入らなくなったことで輪郭から口回りの影が消え、輪郭そのものがほっそりしている。2023年1月→2024年4月の2回注射の結果。
「舌の力」を鍛えることが、寿命をまっとうする大きな助けとなる
これらの実例からは思った以上にはっきりと、「過剰な力をやわらげればおのずと余計な影も消える」ということがわかります。しかし、この治療はあくまで美観のためのものではなく、前述のとおり歯と顎を守るためのもの。さらには日本人のシニア層に顕著な「誤嚥性肺炎」の対策でもあると倉治先生。
「オーラルフレイルという言葉が知られるようになりましたが、日本人は飲み込む力が衰えやすい傾向があります。この原因のひとつが舌の力と機能の衰えです」
それは日本人の寿命が延びたから起きるというわけではなく、何か原因があって起きるのでしょうか?
「日本語そのものに理由があるのではないかと私は考えています。日本語は舌の力を使わず優しく発音できる珍しい言語です。英語の場合は『ch』の/k/やカッという破裂音、巻き舌などが舌を使い、飲み込む力を強くしますが、日本語にはこうした音がないため他言語に比べ舌を使う必要がありません。結果的に誤嚥性肺炎が起きるのです。舌と咬筋はシーソーの関係にあるため、咬筋をゆるめて舌を使う訓練を行うのは合理的なのです」
「べろ上げトレーニング」で正しい位置に舌を置くとあご先の力がゆるむことを実感できたと思います。歯を食いしばりがちな人はこのように、舌をじょうずに使う訓練をして、力をコントロールすることが人生の後半戦でとても重要になるのです。
歯の食いしばり、噛みしめが気になっていた人、いまケアをすることで先々の歯とあごの健康を守ることができます。ぜひ相談してみてください。
つづき>>>歯列矯正終了後、ホワイトニングをしても「茶色い治療済歯」が目立って悲しい。「ウォーキング・ブリーチ」してみたら?
お話/倉治(くらじ)ななえ先生
テクノポートデンタルクリニック
東京都大田区南蒲田 2-16-1 テクノポートカマタ センタービル別館2F
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