
暑くて暑くてしんどいけれど、この時期「美味しいもの」には美味しいなりの理由があって
「身近にある旬の食べ物が、いちばんのご自愛です!」1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。
黄色くて、自然な甘みのある野菜がこの時期とってもいい。その理由とは
2つ目も脾の機能を補うレシピとして「かぼちゃとあじの冬瓜スープわんたん」を紹介します。脾の機能にうれしい食材は“黄色の自然の甘みのある野菜”が多いです。ここで紹介するかぼちゃもその1つで、1つ目のレシピのさつまいもも脾の機能にうれしい黄色い食材です。今回は、かぼちゃに少しだけあじのすり身を入れたわんたんを、夏におススメの冬瓜スープと合せてみました。
作り方は、まず“冬瓜スープ”を作ります。冬瓜(1/8個)は皮・種・わたを取り除いて1cm角のさいの目に切ります。水1,600ml(=8カップ)に冬瓜の皮・種・わたを入れて30分待ち、その後20分間煎じます。皮・種・わたを取り除いた液量800ml(=4カップ)のスープに、鶏ガラスープ(大さじ1/2)・薄口しょうゆ(大さじ1/2)・塩(小さじ1/2)を加えます。
次に“かぼちゃとわじのわんたん”を作ります。かぼちゃ(1/4個)は20分間蒸した後、皮を取り去ってペースト状にします。ボウルにペーストかぼちゃ・あじ(すり身)10g・すりおろし生姜(大さじ1)・塩(小さじ1/2)・酒(大さじ1)・みりん(大さじ1)を入れて混ぜ合わせ、わんたん皮で包みます。
最後に“スープわんたん”にします。鍋に冬瓜スープとさいの目状の冬瓜を入れて火にかけて、ひと煮立ちさせます。冬瓜が透明色になり始めたら火を中火から少し弱め、かぼちゃとあじのわんたんを入れて、ひと煮立ちさせます。これを器に盛りつけて、上から小ねぎをかけたら完成です。
“脾の機能にうれしい食材”のかぼちゃは「脾胃(=消化機能)を温めて消化を促進する」ことが期待できます。餃子の皮だとかぼちゃの黄色が少し見えづらかったので、わんたんの皮を使ってみました(薄くて破れやすいので、包むときに気をつけてくださいね)。かぼちゃに合わせたあじもかぼちゃと一緒で「脾胃(=消化機能)を温めて消化を促進する」働きが期待できるので入れてみました。あまり多すぎると匂いが気になるかもしれませんので、少量を旨味だし感覚で合せてみました。
冬瓜は、冬の瓜と書きますが旬は夏です。冷暗所で保存しておくと冬まで持つことからこのような名前になったそうです。この冬瓜は「身体の水分を生みめぐらせて、身体の熱を取り去る」という働きが期待できます。暑さの盛り、大暑の時季にはぴったりの嬉しい効能ですね。器に盛りつけて最後に上からかけたねぎにも「飲食物の消化を促して食欲を促進する」働きかけが期待できます。使用したすべての食材で「夏土用の脾の機能」を応援することが期待できるので、おすすめのレシピとして紹介させていただきました。
8月7日は立秋です。秋が始まります。秋の味覚がこれからたくさんスーパーに並び始めますので、夏の疲れは“食べて”少しでも減らしていきましょう。
自然の中で生きている私たち
通勤の途中、セミの抜け殻を見つけました。スジアカクマゼミの抜け殻は蝉退(せんたい)という、熱を冷ます生薬になります。このように、自然の中にあるものの多くは生薬になります。私たちは自然とともに、自然の一員として生きているのですね。夏に自然が残した抜け殻が体を冷ますだなんて、よくできているなと感心します。
こうした調整は自分の内部でも起きます。私は中医学を学び始めてから、料理の味付けが変わりました。最初は朝のスープ粥も麵つゆや白だしで作っていましたが、そのうち白だしはいらないな、麵つゆも味が濃いなと使うのを止め、やがて塩だけにしたらどうだろうと変化しました。その塩の量もだんだん減って、いまではほんの少しです。野菜や玄米の味を楽しんでいると、味というのはそもそも素材の味だなと感動します。
中医学では“味”にも効能があると考えています。「朝ごはんをスープ粥にすること」から始めたのですが、続けていると確かに身体に変化が生まれて…いつのまにか味の感覚も変わってきていました。身体のむくみもだんだんと取れて、きつかったズボンがすんなり入るように!少しは自然に寄り添えたのかな…なんて思います。
さて、次回からは秋に入ります。
じわじわと人気…「田野岡メソッド」は書籍でもご覧いただけます!
「身近にある旬の食べ物が、いちばんのご自愛です!」 田野岡メソッド連載で繰り返し語られるこのメッセージが、1冊の書籍にまとまりました。近所のスーパーで手に入る身近な食材を使い、更年期をはじめとする女性の不調を軽減する「薬膳」を日常化しませんか?
日本の漢方では「その症状に処方する漢方薬」が機械的に決められていますが、本来の中医学では症状と原因は人それぞれと捉えます。それに合わせた効果的な食事を「薬膳」とし、食で養生するのが基本なのです。
田野岡メソッドに触れると、スーパーの棚が「薬効の宝庫」に見えてきますよ!
スポンサーリンク
【注目の記事】
- 坂口志文氏ノーベル賞「制御性T細胞」とは何か?その内容と「日本にどのような意義をもたらすか」を免疫学者がわかりやすく解説
- 「高市さん、総裁ご就任おめでとうございます!」でも私たちが彼女を応援するのは「初の女性だから」ではなく【編集部】
- 来年還暦なんて信じられない!「君島十和子さんが美しいのは必然」。内科医が分析する「若さのカギ」となるホルモン育まれた納得の理由とは
- RIKACOさんの更年期「寝込むほど酷かった!」女性の体、フェムゾーンも「自分を大切にする」ためのセルフケアを!【SIXPAD for Women】
- 今買って、真冬まで使える【GU】の王道カーディガンとは。色違いで揃えたい大人のベーシック【40代の毎日コーデ】