悩んでも答えが見つからない……。そんな時は「女性性」に委ねると道が開けるかも!

ジブリの名作『千と千尋の神隠し』。

公開から何年経っても、主題歌『いつも何度でも』を聴くと、美しい世界や感動が蘇る人も多いはず。

そんな、すてきなテーマ曲の作詞をされた覚 和歌子さん。

このコーナーでは、彼女の手がけたタロットカード「ポエタロ」より、カードのテーマに沿って書かれた覚さんのエッセイを一話ずつご紹介しています。

 

今回のカードは「女」

特に近頃は、ひんぱんに取り沙汰されるテーマになりましたね。

「女の子らしさ」「女性らしさ」とは。

 

女性らしいねと言われると、少し嬉しいような。けれど否定したくもなるような…

 

さて、このカードには、いったいどんなメッセージが込められているのでしょうか。

覚さんのエッセイの前に、カードの解説文から少し。

 

女性は見えないものを感受する性でもあります。

直感への信頼をうながされているのかもしれません。

 

男性性が、能動や論理を表すことばであるなら、女性性を表すことばは受容や情動。

 

「女らしい・男らしい」ということばが、その人のすべてを表すことができないように、ひとりの人間のなかには、女性性と男性性の両方が絶妙なバランスで混在しています。

だから本当は、どんな人の中にも、男性性・女性性の両方が備わっているのです。

 

にも関わらず、しばしばネガティブな意味に使われてしまう「女」ということば。

 

けれど、このカードに出会ったなら、女性性こそが最強のキーワードです!

 

いくら悩んでも、しっくりくる答えが見つからずにいるならば、解決の鍵はあなたの中の女性性。

理屈じゃ説明できない、直感や感情のなかに答えが隠されているのかも。

いかにもな正論は一度わきに置いて、あなた自身の心の声に耳をすませてみましょう。

ときには、ぐいぐい押すのをやめて、流れに身を任せてみたりして。

大きく見える壁も、実はあなたの想像以上に、シンプルで明快なことのようです。

 

それでは、覚さんのエッセイをどうぞ。

 

***

 

【女】論理的な男たちは簡単なことができない

ロボット(AI)が車の運転をしようという時代、

いまだにうっすらとした男尊女卑がまかり通って、

世の中は

自然環境も世界平和も

福祉も教育も

経済ですら

こんなていたらくである。

 

21世紀は精神と芸術と女性の時代という。

 

女は感情的だが、戦争をしようとはつゆ考えない。

 

女は論理的思考も苦手だが、

それが得意だと言う男たちこそが、

既得権益とプライドと縄張りを守るために

核まで引っ張り出して戦争止むを得ずと言うのだから世話はない。

 

いちにのさんですべての国が武器を捨てれば済むことなのに、

そういうわけにいかないのは、

戦争がお金儲けになるから。

 

勝負にはまず自国が勝たなければ気がすまないから。

 

実に男的発想だ。

 

未だに残る女の子の割礼習慣は、

性交時女性に快感を持たせたくないという

男のエゴのわかりやすいかたちだし、

介護労働が低賃金なのも

本来は女がやるべき家の中の仕事だと

たかをくくっているせいだろう。

 

超古代には”女尊男卑”があって、

今の男尊女卑はその反動なのだというトンデモ説があるが、

もしかしたらそれは

21世紀から始まる<女の時代>のリアルないましめになるのかもしれない。

 

どちらにしても

何か差別することで他より上に立ちたいのが

私たち人間という生き物の幼さだ。

 

一人の中の男女性のバランスについて、

考えてみたいカードである。

 

 

覚 和歌子

©FUKAHORI mizuho

詩人・作詞家

山梨県生れ/千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。01年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『はじまりはひとつのことば』(港の人)、『2馬力』(ナナロク社)など。エッセイ、絵本、翻訳など著作多数。映画監督、脚本、舞台演出、朗読、自らのバンドを率いてのソロライブ、米国ミドルベリー大学日本語学特別講師など。詩作を軸足にマルチな活動を展開。

 

***

 

ポエタロ」とは?

「ポエムタロットカード」を縮めた名前、『ポエタロ』。

47枚のカードにはそれぞれ、美しくやわらかい日本語の詩と、

かわいらしくも不思議な魅力のあるイラストが描かれています。

使い方はいたって簡単。シャッフルしたカードの中から、

その時の直感で1枚、あなた自身のためにカードを引いてみてください。

1日のはじまりにその日の指針を得てもいいし、なにか大きなチャレンジの前、

なかなか超えられない壁に直面しているときに。

そのときの気持ちや環境にリンクした、やさしい詩とメッセージが、

次の1歩を踏み出す勇気や確信を与えてくれる不思議なカードです。

あなたの心強い味方になってくれるはず

 

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『ポエタロ いのちの車輪をまわす言葉』

覚 和歌子・著 石川 勇一(相模女子教授)・監修 大野 舞(Denali)・画 カード47枚 ガイドブック付き 3,780円(税込)/地湧社

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