アナウンサーでさえ意味を間違える日本語「●●立つ」
漢字の読み方が原因で誤解してしまう言葉があります。
「浮き足立つ」もその代表格です。
「あの子、どうしてあんなに浮かれてるの?」
「先輩、あの子、今日の仕事が終わったらデートなんですって。」
「あんなに浮き足立っていて、午後からの会議大丈夫かしらね。」
今日は、「浮き足立つ」の意味を再確認しましょう。
まずは本来の意味を知っておきましょう
【浮き足立つ】
不安や恐怖にかられて、逃げ腰になり、冷静な行動(判断)が出来なくなる。
例 これくらいの劣勢で浮き足立っては(逃げ腰になっては)困る。
(三省堂 新明解国語辞典)
「浮き足」とはつま先で立つこと。そのことから、足が地に着いてない不安な様子、恐怖を感じている様子を表します。
ところが、擬態語の「うきうき」と語調のイメージが重なって、「浮き足立つ」は「浮かれて足が地に着いてない様子」を表すと誤解され、間違って使われることが増えているようです。
逆の意味で使っている人は少数派。あなたは大丈夫?
「浮き足立つ」を、本来の意味とされる「不安や恐れで落ち着きを失う、逃げ腰になる」という意味で使う人は42.1パーセント、
本来の意味ではない「うきうきして落ち着かなくなる」という意味で使う人が34.8パーセントという結果が出ています。
この「浮き足立つ」は、間違った意味で使われる言葉ランキングで、第24位でした。
出典:小学館2013年10月実施「大辞泉調査」より
言葉は生き物ですが
まだ誤用は少数派ですが、あなたは大丈夫ですか?
言葉は生き物、時代と共に変わると言いますが、本来の意味を知っていてそう言う場合と、知らずに言うのとでは違いますよね。
間違わないようにするために例文を書いてみましょう。
本来の意味での「浮き足立つ」を使用した例文を自分で考えてみましょう。
今回は、紛らわしい誤用としっかり分けて覚える為に、「うきうき」と「浮き足立つ」両方の言葉を使って書いてみましょう。
どんなうきうきを思い描けるでしょうか。
どんな浮き足立つ状況を思い描けるでしょうか。
ヒントは、「浮き足立つ」という言葉は「不安や恐れ」を表現する言葉だということです。
例 今日は大好きな彼とデートなので、うきうきしている。
例 今日は彼の浮気現場に潜入するので、浮き足立っている。
少し極端でしたでしょうか。
でも、この二つの言葉はこれくらい開きのある言葉なのです。
不満を表現しない女性を目指して
今日は「浮き足立つ」について勉強しました。例文も書けましたか?
もうこれで、この言葉は言い間違えませんね。
私がこの言葉に着目したのは、NHKの女性アナウンサーが、視聴者から寄せられた「浮き足立つ」にちなんだエピソードを紹介していた時。
誤って使用している例ばかり、
彼女は、視聴者からその点を指摘されると、その後のMCで失敗を続け、本当に浮き足立ってしまいました。
言葉のプロでも間違える言葉です。
間違えて覚えてしまっていた人は、今から、そう、浮き足立つ前に直せば大丈夫ですね。
(文/国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香)
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