「苦しいのはこっちも同じ!」暴言を吐く元妻。過労うつで休職した夫を守るため、41歳の再婚妻が突きつけた「法律の切り札」とは【行政書士が解説】
前編では、年収600万円の夫である幹夫さんが過労とうつ病で休職し、傷病手当金暮らしとなったことで家計が火の車と化した恵理子さんの苦境をお伝えしました。毎月7万円の養育費を満額支払うと毎月3万円から4万円の赤字になるため、減額を求めたものの元妻は猛反発。裁判所から履行勧告が届く事態となり、病床の夫に代わって恵理子さんが元妻との交渉窓口に立つことを決意しました。
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『年収600万の夫が、過労うつで休職。「月7万の養育費」が払えない!裁判所からの「履行勧告」に追い詰められた、再婚妻の悲痛な叫び』
<家族構成と登場人物、属性>
妻:夏田恵理子(41歳) / パートタイマーで年収180万円。今回の相談者です。
夫:夏田幹夫(44歳) / 会社員で年収600万円。
元妻:南野未唯(40歳) / 派遣社員で年収250万円。
子:南野未桜(8歳) / 幹夫と未唯の間に生まれた子どもです。
<毎月の支出内訳:計 343,900円>
家賃:90,000円
電気代:14,000円
ガス代:12,000円
水道代:8,000円
携帯代:24,000円
車のローン:23,300円
ガソリン代:6,000円
自動車保険:4,000円
食費:50,000円
生命保険:5,600円
奨学金返済:37,000円
元妻への養育費:70,000円
※画像はイメージ写真です。
【行政書士がみた、夫婦問題と危機管理 #24】後編
ショートメールで伝える真実……しかし元妻の激高は止まらない
元妻との信頼関係が破綻している以上、単に「病気で払えない」と口頭で言っても嘘だと疑われる可能性が高いでしょう。筆者は恵理子さんに、心療内科が発行した診断書と、会社が発行した休職証明書の画像を用意させました。
連絡手段についても工夫が必要です。LINEは既にブロックされているうえ、過去のやり取りも削除されていました。メールアドレスも変更されている可能性があります。そこで携帯番号あてに直接送信できるショートメールを活用することにしました。恵理子さんは「夫の代わりに連絡します。現在病気療養中で貯金もなく、養育費は半額が限界です。診断書などを添付するので確認してください」と誠実にメッセージを送りました。
しかし元妻からの返信はあまりに冷淡なものでした。「離婚のとき最後まできちんと払うって言ったじゃない!」「子どもを何とも思っていないから平気で養育費を減らせるんだ!」と感情的な怒りをぶつけてきたのです。
恵理子さんもガマンできなくなり「夫も娘さんに会いたいと願っていたのに、6年間一度も会わせてくれなかったじゃないですか!」と反論すると、元妻は「もう頭に来た!出るところに出て徹底的にやるから!」と怒りをあらわにし、その後メッセージを送っても返事が返ってくることはありませんでした。
「給料差押え」の恐怖……元妻が主張する強制執行は可能なのか?
元妻の言う「出るところに出る」とは、裁判所を通じた給料の差押えという強制執行を意味します。確かに調停などで決まった養育費に未払いがある場合、民事執行法151条に基づき、勤務先から支払われる給料を事前に天引きして元妻の口座へ直接振り込ませることが可能です。
これを聞いた恵理子さんは強い焦りと大きな不安を抱きましたが、筆者は即座に法的な事実を伝えました。
実は、現在休職中である夫の幹夫さんは会社から給料を受け取っていません。受給しているのは社会保険からの傷病手当金です。民事執行法152条1項1号などの規定により、傷病手当金は差し押さえが禁止されている財産に該当します。したがって、元妻がいくら裁判所に訴えたとしても、現在支給されている傷病手当金を強制的に差し押さえることは法律上不可能なのです。
▶休職中の夫には「支払能力がない」という現実。なぜ恵理子さんは、見事に形勢逆転できたのか?
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